表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミュ症異世界生存史  作者: GIN
仮冒険者編
68/120

この世界の魔剣はしゃべるらしい。①

「凄い!ユリ見てよあの森!変な形の木だらけだよ!あ、あそこにいるモンスター見て!モフモフな見た目してて可愛くない!?あ、あそこにいるのはなんてモンスターなんだろ?見たことないモンスターだよ!」


「もう……カンナ少しは落ちついてよ。今からそんなに騒いでたら、着くころにはへとへとになっちゃうよ?」


「いや、でも凄いよ!なんかもう……凄いよ!」


 カンナが楽しそうに、変わりゆく景色を眺めている。

 その様子は無邪気に騒ぐ子供のようだ。

 ユリは言葉ではカンナを落ち着かせようとしているが、ユリ自身もどこか楽しそうに見える。

 実はユリは街から出て、外の景色を見るのを物凄く楽しみにしていたからな。

 カンナ以上に馬車の景色を楽しんでいるのかもしれない。


 打って変わって、グリシアは静かに馬車の先頭を見ている。

 どうやら、馬車を運転している変な鳥が気になっているようだ。


 確かに、あの鳥は俺も気になる。

 鳥は紐で馬車と繋がれており、頭上から鳥の目の前には、一本の紐によってキャベツが吊るされている。

 馬車を運転している男は、キャベツが吊るされている紐をうまく操り、鳥の方向を制御しているように見えるのだが……。

 

 まさか、あのキャベツで鳥をつって、馬車を引っ張らせているのか?

 馬の鼻先に人参をぶら下げる話は聞いたことがあるが、鳥の目の前にキャベツをぶら下げるなんて聞いたことがない。

 ユリたちは全く動揺していないが、これは普通の事なのだろうか。

 というか、こんなんを馬車として使うとか、正気か疑わしい。


「なんか楽しそうだな、コウキ」


「え、あ、顔に出てたか?」


「おう。やっぱり今日を楽しみにしてたんだな」


「まあな。こういう旅みたいなの初めてだからさ」


 そう、何やかんや思っているが、結局の所、俺自身めちゃくちゃ今日を楽しみにしていたんだ。

 この世界は前世の世界と全く違い、不思議な生物で溢れ、不思議な力で溢れている世界だ。

 前世で楽しく、毎日のように遊んでいたゲームのような世界。

 そんな世界に来たんだ。そりゃあ、ワクワクするし、ドキドキする。

 気分は自然と上がってくる。


 それなのに、俺はこの世界に来てから、最初の森と、学園がある街にしか行ったことがない。

 外の景色もきちんと見たことはないし、モンスターもほとんど見たことがないし、街の外の事は何一つ知らない。

 多くのワクワクやドキドキを今日までため込んできたんだ。

 今日が楽しみになるのも分かってほしい。

 

「お、あれ見てみろよコウキ!リクウオの集団だぞ!こんな所にもいるんだな」


「え、リクウオって何だ……って、え!?なんだあれ!」


 アリウムが指さすところには、至って普通の草原を進む魚の姿があった。

 銀色で、尾びれがギザギザのその魚は見た目に関しては普通の魚と大差ない。

 それなのにも関わらず、その魚は海ではなく、陸を泳いでいる。

 何の変哲もない草原を、泳ぎ、潜り、飛び跳ねている。


 ……いや、どんな原理で泳いでるんだよ。

 だって草原だぞ?ただの土の地面だぞ?

 それを泳いだり潜ったりしてるって……流石に意味が分からない。

 意味は分からないが、なんか凄くて、面白い!


「アリウム、あれってモンスターなのか!?なんで魚なのに陸上を泳いでるんだ!?というか、魚なのか!?」


「なんでって、リクウオだからだろ。それ以上でもそれ以下でもねえよ」


 なるほど。分からん。


「いや、意味が分からないよ。……それじゃあ、あそこに飛んでる口が頑丈そうな鳥はなんていうんだ?」


「ん、あれはガラワトリだな!顎が強い空を飛べるモンスターだ!」


 前々から思っていたが、アリウムは知識があるように見えて、表面上の知識しかない。

 悪く言えば、頭が良いように見えてバカなんだよな。

 まあ、そこもアリウムの良い所ではあるんだがな。


 そんなことを思いながらも、変わりゆく景色を見ながら、楽しく話している時だった。

 突然、馬車内に男の大声が響いた。 


「おい!お前らうるせえわ!こちとら昼寝してるんだから、もっと静かに話せや!」


 突如聞こえた大声に、思わず俺たちは驚き、静まり返った。

 互いに顔を見合わせたのち、周りを見渡すが、言葉を放ったであろう人は見当たらない。

 その声からして、俺たちの中の誰かの声じゃないし、馬車を運転している男の声でもない。

 

 俺たちは動いてる馬車に乗っている。

 声の大きさが一定だったことから考えるに、馬車の外にから聞こえたという事はない。

 となると、馬車に乗っている誰かが話した事になるが、今馬車に乗っている人は俺たちと運転している男だけ。

 その中の声でないという事はあり得ない。 

 一体今の声は誰の声なんだ……。

 まさか、幽霊とかなんじゃ……。


「あー、もう!お前ら何いろんなところを見渡しとんねん!俺様が見えへんのか!……そーやなー、おい!そこの男!右を見ろ!そんでもって、下を見ろ!これで分かったやろ?」


 声の言う通りに、顔を動かすと、俺の目の前には一つの剣が置かれていた。

謎の声と、そこにある剣は一体……?

まあ、タイトルで何となく察しは付きますよね。

次回、乞うご期待!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ