コミュ症が美少女とまともに話すのは、テストで全教科100点を取るくらい難しい。②
吹き飛ばされた俺は、そのまま地面に倒れこんでしまった。
めちゃくちゃ痛い。一体何が起こったんだ?
せっかく覚悟決めた所だってのに、タイミング悪すぎるって。
「ご、ごめん!大丈夫?」
声がする方を見てみると、そこには少女が一人立っていた。
ベージュ色の髪をしていて、ゲームで出てくる冒険者のような服装をしている、腰に剣のようなものを身に着けた、絵に書いたような美少女。
俺はその可愛さに見とれて、しばらくの間完全に停止してしまった。
前世ではテレビとかで、何度も美少女を見てきたが、それと比べられないほどの美少女だ。
やばい、惚れてしまいそうだ。
「えっと……大丈夫ですか?」
「え……あ…………大丈夫ですぅ…………」
小さな声でそう答え、俺は美少女の手を取り、立ち上がった。
それを見た美少女はニッコリと笑うと、また話し始めた。
「それなら良かった。急いで走ってたから、前にいたあなたに気づかなくて、本当にごめんね!」
「あ……いえ…………全然大丈夫…………です」
やばい、美少女過ぎて全くまともに話せない。
それもそのはず、コミュ症が美少女とまともに話すのは、テストで全教科100点取るくらい難しい。
そう考えると、こうなるのは仕方がないかもしれない。
しかし、せっかく異世界に来て初めて普通に人と、しかも美少女と話せるんだ、何とか普通に話さないと……。
……そうだ、俺はこの世界で変わるんだ。コミュ症も克服して、前世より楽しく生きるんだ。
頑張れ俺、きっとやればできるはずだ!
そう思い、今持てるすべての力を使い、全力で言葉を放つ。
「……あの………そっちこそ……ぶつかって大丈夫…………ですか?」
うん、知ってた。なんとなくそんな気はしてた。
女騎士と話した時も思ったけど、さすがに異世界に来て少ししか立ってないのに、そんな簡単に変われるわけないか。
というか、そんな異世界に来ただけで変われるなら、前世でコミュ症位克服してるわな。
「心配してくれてありがとうございます、私はぶつかった側だからか、全然大丈夫です!……あの、もしかして魔冒学園試験の志望者だったりしますか?」
「…………え、あ、はい」
「やっぱり!服装からしてそうだと思ったんですよ!私も今日の試験を受けに、この街まで来たんです。あ、私はユリって言います。あなたは何て言うの?」
「…………こ、光輝です」
「よろしくコウキくん、志望者どうし仲良くしようね!」
そう言ってユリは握手を求めてくる。
戸惑いながらも手を握ると、ユリは手を強く握ってしっかりと握手をしてくる。
柔らかくて優しい手だ。女と手をつなぐなんて何年ぶりだろうか。
やばい奴と思われるかもしれないが悪い気分じゃない。
「あ、こんなことをしてる暇はないよね。時間も迫ってきてるし、急がないとだ。私何度かこの街に来たことがあって、学園までの近道をしってるから、ついて来て!」
そんなことを言って、ユリは凄い速さで走っていく。
俺もそれを追って、全力で走る。
しかし、試験って何だ?
焦って否定できずに、はいって言っちゃったけど、試験なんて俺知らないぞ。
学園試験ってことは学校の入学試験とかだろうか。
日本とは全然雰囲気が違うし、学校とかはないと思っていたが、ちゃんとそう言うところはあるんだな。
異世界の学校か。一体どんな学校なんだろうか。
やっぱり魔法とか、剣術とかそう言うのを教えてくれたりするのかな。
そんなことを思いながらも、ユリについて行き、複雑な路地を走っていくこと数分。
ついに俺たちはそこに到着した。
「よし、間に合ったね。時間ギリギリだけど、着いたよ」
そう言われユリの目の先を見てみる。
そして、あまりの光景に俺は声をこぼした。
「す、凄すぎる……」
建物全体が歪んでいるように見えて、不思議な雰囲気を放っている。
途轍もない大きさで、ゲームで出てくるお城のような建物。
これがこの世界の学校か……でかくて、カッコ良くて、なんかもう凄い。
あまりの学校の凄さに驚愕していると、ユリが手を取り、引っ張ってくる。
「ほら、時間もあるし、早く行かないとだよ!」
「え、あ、いや……実は俺……その…………試験とか知らなくて……」
「いいから、早く!」
俺の言葉を聞くことなく、ユリは俺を引っ張りながら急いで進んで行く。
何とか事情を話そうとするが、残念ながら今の俺じゃまともに話しかけることができない。
仕方がないし、とりあえずこのまま行ける所まではついて行くことにしよう。
もしかしたら証明書の手に入れ方も分かるかもしれないしな。
この出会いが、加藤光輝の第二の人生を、大きく変える…かも?
少しでも面白くなりそうだなっと感じたりしたら、評価お願いしまする!




