祭りの始まりは、問題だらけである。③
今回は光輝、ユリ、アリウムの順番で視点が変わりまする。
「……これより黄色チームと、赤チームの団体戦を行います!それじゃあ……スタート!」
主催者が合図すると同時に、俺たちの戦いが始まった。
俺たちは、軽く話したのち、あらかじめ決めておいた仲間と一緒に、
それぞれの道へと駆けていく。
見た感じ、地面は真っ平らで、土で出来ている。
それぞれの道を阻む壁は、岩に似た材質で出来ているようだが、
非常に頑丈の様で、壁を壊すのは不可能だと思った方が良さそうだ。
と、そんなことを思っていると、旗が見えてきた。
旗の周りにリアトリスたちの姿はない。
どうやら、俺たちの方が先に着いたようだ。
これなら、戦わずに旗を持ち帰れるかもしれない。
そう思った直後だった。
突然、後ろを走っていたマリーが俺を引っ張り、後ろに倒してきた。
「え、マリーさん、急にどうし……」
そう言い切る前に、俺がさっきまでいた所に、
巨大な斧が落下してきた。
もし、マリーが引っ張ってなかったら、
俺に直撃してたんじゃ……。
「……マリーさん、ありがとう。助かったよ」
「気にしないで。それより、この斧はどこから……」
「あーあ、何外してるのよー」
突如後ろからした声に驚き、振り向いてみると、
そこにはついさっき話をした、リアトリスと、丸刈りの男が立っていた。
いつの間に後ろに立っていたんだ。
全く気付かなかった。
これはあいつらの生呪の力なのか?
どんな手を使ったのかは分からないが、厄介だというのだけは理解できる。
「……リアトリス。やっぱりこの道に来たね」
「マリーちゃんも、この道に来たんだー。まあ、何となくそんな気はしてたんだけどねー。……それじゃあ、始めようか」
そう言って、リアトリスは走り出した。
それを見て、俺たちも戦闘態勢へと入る。
……ユリたちにアリウムたち。
みんなも、頼むぞ。
「おいおいおい!これはラッキーだな!まさか、お前らと当たるとはな!」
「……全速力で飛ばしてきたんだけどね。まさか、もう敵がいるとは」
カンナの言う通り。
私たちはカンナの力と、私の風で、全速力で向かって来た。
それなのにも関わらず、旗の前には、敵であろう金髪の女に、さっきのモヒカン男が立っていた。
一体どんな力を使ったんだろう。
……いや、今はそんなことを考えている時間じゃない。
大切なのは、ここからだ。
どんな力を持っていようと、私とカンナで、絶対に勝つ。
「……カンナ、絶対勝つよ!」
「分かってるよ!絶対勝とう!」
そう話し、私とカンナは真っ直ぐに前を向く。
すぐに勝って、すぐに旗を持ち帰る!
「……ゲッケー!」
周囲に、俺の声が響き渡った。
最悪だ。
全く予想していなかった。
まさか、俺たちよりも早く、相手チームが旗についているなんて。
俺たちの視界に旗が入った時、その周りには誰もいなかったはずだ。
それなのにも関わらず、突如として、何もない旗から攻撃が出現した。
ゲッケはその攻撃を避けることが出来ず、直撃してしまった。
相当強烈な一撃だったのか、その一撃だけで、ゲッケは気絶してしまった。
あまりにも急な出来事に、今でさえ理解が追い付いていない。
その後、何も存在しなかった旗の周りから姿を現した敵の数は3人。
男2人に、女1人。
一人は金髪の男で、もう一人は黒髪オールバックだ。
女は金髪で、大きな杖を片手に持っている。
3人どうしのチームが当たったのは良かったが、
初手でゲッケを倒されたのは想定外すぎる。
まずいな、どうするか。
「……アリウム。今、どこからあいつらが現れたのか分かった?」
「いや、全然だ。何もない所から現れたようにしか見えなかったぞ。ゲッケを倒した攻撃も、同じように見えなかった」
「アリウムもそう……私も全く見えなかった。……一体、何が起こったのかな」
何が起こったのか。
正直な話、全く分かんねえ。
俺たちが黙ってると、金髪の男が、ゆっくりと話し始めた。
「何て言うか残念だなー。 それなりに強い奴と戦えると思ってたんだが……残念だな。無能力者に、問題児。それに、一撃で気絶する雑魚とは……ガッカリだ!」
「ガッカリだ?そう言っていられるのも、今の内だぞ!その自信。すぐにへし折ってやろうじゃねえか!」
「……言うねえ!ぶっ潰してやるよ!」
そして、俺たちの戦いが始まった。
次回こそ、本当に戦いが始まります。多分。
ちなみに、ゲッケはガチで気絶したんで、これ以降戦いに参加することはありません。




