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コミュ症異世界生存史  作者: GIN
学園生活編
45/120

想像力は無限大なのかもしれない。②

 団体戦に向け、俺たちは連携を取る練習を続けていた。

 それぞれの組同士で戦ったり、連携技を作ったりと、想像以上に順調に連携練習は進んでいった。

 大体の練習を終え、全員がヘトヘトになる頃には、夕方にかかっていた。


「はー、疲れたー」


 そう言って、カンナは地面に座り込んだ。

 そして、水を飲むと、ゆっくりと話しを始めた。


「さて、時間も時間だし、今日はもうお開きにしない?疲れたしさ」


「良いと思うぞ。それじゃあ、帰るか、コウキ」


「あ、アリウムごめん。俺は少し自主練したいから、みんなで先に帰ってていいよ」


「そうか?じゃあ、先に帰るわー」


 そう答え、アリウムたちは先に帰っていった。

 全員の事を見送ると立ち上がり、新技開発のための、特訓に入った。


 結局、団体戦では俺とマリーが組むことになった。

 マリーは確かに身体能力が高くて、俺よりかは全然強いと思う。

 だが、生呪の力が戦闘向けじゃないというのが、欠点になっている。

 いくら身体能力が高くとも、アリウムの剣のように、特殊な武器が無ければ、力を持った者よりも劣ってしまう可能性が高い。

 そう考えると、一緒の俺が足を引っ張るなんてことは、絶対にあってはならない。 

 

 足を引っ張らないためには、新技の開発が必須だと思うが、どうする?

 ロメリア先生は防御力が足らないと言っていた。

 とすると、防御系の武器か。


「……影」


 そう呟くと、影は変化していき、盾へと姿を変えた。

 

 俺が今まで作ったことがある防御系の武器はこの盾。

 それと、これより一回り大きな盾。

 使えはするが、これじゃ駄目だろうな。


 防御力は十分にあるが、防御面積が小さすぎる。

 防御できていない所を責められると、簡単にやられてしまう。


 それに、盾でガードしていると、攻撃が出来なくなるのも駄目だ。

 防戦一方になり、最終的に負けてしまう。

 そう考えると、今作れる盾以外に、防御力のある武器が必要になる。


 だが、どうするか。 

 盾以外に防御力がある武器なんて、思い浮かばないぞ。

 出来る限り防御力があり、全方向を防げる武器。

 

 ……駄目だ、全く浮かばない。

 誰か良いアイデアを持って来てくれないかな。


 そんなことを思っていると、後ろから俺の名を呼ぶ声がした。

 急いで振り返ってみると、そこにはマリーが立っていた。


「あー、ごめん。もしかして、邪魔しちゃった?」


「あ、いや、その、大丈夫だよ。…………えっと……何か忘れもの?」


「いや、ちょっとコーキに言いたいことがあってさ」


 言いたいこと? 

 もしかして、何かやってしまっただろうか。

 俺の中では、悪いことはしてないと思うが、気づかぬうちにしでかしてしまったのかもしれない。


「……組分けの時、あたしと二人ってなった時、嫌がってたじゃん。結局、あたしら2人になったけど、もし嫌なら今からでも変わらない?実際、あたしの力は戦闘向きじゃないし、弱いしさ。コーキがもう一人ほしいってのも分かるからさ」


 どうやら、マリーは自分の力が弱いから、

 俺が組み分けを変えたいと思っていると、勘違いしているようだ。

 確かに、少しだけマリーの力の事を考えてしまっていた。


 しかし、それはほんの少しだ。

 大体の理由は、俺が弱いから、マリーの足を引っ張るかもしれないという事だ。

 マリーの力の事は、ほとんど関係ない。 

 

「い、良いよ。その、俺が弱いから、マリーさんに負担をかけちゃうんじゃないかなって思ってさ。……その、だから言っただけだから。マリーさんの力は関係ないからさ」

 

「そっか、なら、まあ良かったのかな?けど、もしあたしの力で、何か心配事とか、困ることがあったら言ってね。……あたしも力を戦闘に生かせるように頑張ってるんだけどさ。やっぱり、料理を戦闘向けにするのは無理なのかなー」


 料理の力を戦闘向きにか。

 確かに、相当難しいだろうな。

 美味しい料理を素早く作った所で、戦闘中は何の意味もないだろうし、

 そもそもとして、料理をしてる時間なんてないだろうしな。


 恐らく、マリーは少しでもみんなの力になれるように、

 力を戦闘向きにしようと頑張っているのだろう。

 しかし、力が力というのもあって、大分苦戦しているのだろうな。

 

 ……何か、助けになるようなことを言ってあげたい。

 だが、駄目だ。良い言葉が浮かばない。

 ユリやアリウムなら、何かアドバイスを出来るのだろうが、

 俺にはアドバイスの一つも浮かばない。

 何か、何かないのか……。


「その……無理なんてことはないと思うよ。俺もさ、何度も無理だと思ったことはあったよ。何度もくじけて、何度も諦めたよ。……それでも、最後には諦めずに、挑み続けたんだ。……そしたら、最後は意外とうまく言ってさ……その……上手く言えないけど、最後の最後に諦めなければ、出来ない事なんてないと思う。それは、俺が保証するよ」


 俺が不器用ながら、思ったことを言うと、

 マリーは少し黙ったのち、綺麗に笑った。


「コーキ……ありがと!あ、そーいえば、自主練って、どんなことしてたの?出来る事があるなら、手伝うよ!」


「えっと、今は新しい武器を考えてたんだ。……その、盾以外で、防御力があって、全方向から自分を守れる。……そんな武器を考えてたんだけど…………全然思い浮かばなくてさ」


「んー、それって鎧とかじゃダメなの?」


「……え、鎧?」


「うん。別に自分を守るだけなら、鎧とかでも良くない?あ、凄い防御力が必要なんだっけ、それじゃダメかー」


「……いや、それいいかも」


 そうか、鎧か。

 ずっと手で使う武器しかないと考えていた。

 だが、それは違ったんだ。

 別に身に着ける物でも良いんだ。

 

 影なら、それなりに軽くて、防御力の高い鎧を作れるかもしれない。

 作れるかどうかは、俺の想像力次第ってとこだ。

 それなら……全力で想像するまでだ。


 そうだな。

 マリーの家で見た、カッコいい鎧。 

 あの鎧をもとに想像しよう。

 硬く、軽く、カッコいい。

 そんな……そんな鎧を。


「……影」


 近くの木陰に触れ、そう呟く。

 すると、木陰はゆっくりと動き始め、少しずつ俺の体を覆っていく。

 影は少しずつ形が出来ていき、数十秒立つ頃には、俺の想像したものが完成した。

 

 ……完璧だ。

 硬く、軽く、カッコいい。

 試さずとも分かるほどに硬く、

 鎧を着ていると思えないほど軽い。

 そして、何よりカッコいい。 

 問題点は少し動きずらいくらいだ。

 

 そうだな、動きやすくするために、関節の部分を少し変形させよう。

 他にも少し違和感がある所を直して……。


 そう思った所で、影の鎧は解け、

 俺は軽く尻餅をついてしまった。


「え、コーキ大丈夫?」


「……う、うん。……大丈夫」


 集中しすぎたせいで、一気に体力を消費してしまったみたいだ。

 毎回こんなに体力を使うんじゃ駄目だな。

 団体戦までに、鎧を少し修正して、作るのに慣れておかないとだな。


 ……だけどまあ、一歩。

 一歩だけだが、少しだけだが進めた気がする。


 そう思いながら、少し休んだのち、

 俺はゆっくりと立ち上がり、マリーの方を向いた。


「ありがとう、マリーさん。……マリーさんのお陰で……少しだけ成長できたよ」


「んー、良く分かんないけど、それなら良かった!だけど、とりま休憩したら?大分疲れてるように見えるよ」


「うん、そうだね。……少しだけ、休もうか…………」


「あれー、こんなところで何やってるのー。マリーちゃん!」


 突如後ろからした、聞いたことのない声に驚き、振り向くと、そこには数人の男女が立っていた。


 声を出したであろう女は赤髪で、派手なメイクをしている。

 不気味な笑みを浮かべていて、少し怖い。

 その横には丸刈りで、巨大な図体の男が立っている。

  

 様子から察するに、その二人が数人の男女の中心で、

 他の数人は取り巻きと考えてよさそうだ。

 

 しかし、俺はこの人たちを見たことがない。

 マリーと呼んでいたが、マリーの知り合いなのだろうか。

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