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コミュ症異世界生存史  作者: GIN
学園生活編
42/120

人は見た目に寄らないというが、全くもってその通り名かもしれない。②

 予想外の告白に、俺は理解が追い付かず、黙り込んでしまった。

 俺がしばらく黙り込んでいると、マリーはゆっくりと口を開いた。


「……んーとりま、いじめが始まった経緯から話そかな」


 そう言って、マリーはゆっくりと話を始めた。

 どうやら、いじめが始まったのは、数週間前らしい。


 いじめの主犯格である女とは、最初は仲のいい友達だったそうだ。

 入学当初は毎日一緒で、ずっと遊んでいたらしい。

 時々喧嘩もしたが、その日のうちに仲直りをし、より仲良しになっていった。

 他に大勢友達が出来ても、二人の仲の良さは変わらず、親友と言っても過言ではなかった。

 その事件が起こるまでは。


 ある日、マリーはとある男と友達になった。

 その男はそれなりに顔が良く、マリーのクラスの女子からは、一二を争う人気だったそうだ。

 マリーは別に、その男を狙おうとか、そう言う気はなかったらしく、

 ただ、面白そうな人だから、友達になりたいという理由で友達になったらしい。

 しかし、周りの女はそうは思わなかった。


 突然、クラスで人気な男に女友達が出来たんだ。

 周りの女は、その女友達は人気の男を狙ってるに違いないと思ったのだろう。

 そして、マリーの親友もその一人だった。


 マリーの親友は人気の男が好きだったらしく。

 どうして急にその男と仲良くなったのかと、マリーを問いただした。

 当然、マリーはその男の事を好きでもなんでもなかった訳だから困惑し、全てありのままに話した。

 だが、マリーの親友はそれを信じることなく、そこから距離が出来ていったらしい。

 

 それから数日後。

 マリーは親友から無視されるようになった。

 最初は親友からだけだったが、段々と他の人からも無視されていき、

 直ぐにクラスのほとんどの女子から無視されるようになった。


 そこから、さらに行為はエスカレートしていき、

 靴を隠されたり、教科書を捨てられたりと、いじめに発展していった。

 これが、いじめが始まった経緯らしい。


 聞いた感じから考えるに、事の発端は一人の男を巡る、行き違いの様なものみたいだ。

 ただ、好きな男と仲良くされたからという理由で、いじめに発展するとは……。

 

 恐らく、マリーが本当のことを言ってないと、勘違いしたからというのもあるが、それを考えてもひどすぎる。

 いじめている奴らは、いじめられる側の気持ちを考えたことがあるのだろうか。

 仮にも、少し前まで親友だったんだぞ?

 よく、いじめるなんて酷いことが出来るな。


 ……それにしても、そんな事が、いじめをする理由になるとはな。

 女という生き物は怖すぎる。

 そう思いながらマリーの話を聞いていると、

 ずっと隣で黙っていたアリウムが、突如声を上げた。


「……いくら何でも酷過ぎるだろ!一体、マリーが何をしたってんだよ!そもそもとして、ほとんど勘違いみたいなものなのに、マリーを信じずに、一方的にいじめるとか……いくら何でも酷過ぎる!」


「いや、そんな怒んなくてもいいってー。まあ、あたしのために怒ってくれてありがとねー。……んでなんだけど、これ見てくれる?」


 そう言うと、マリーはどこからか、一枚のチラシを取り出した。

 そこには、大きな文字で花火大会!と書かれていて、

 所々に何かイベントの様な物が書かれている。


 ……いや、この世界に花火大会があるんですか!?

 さすがに驚きだ。

 そもそもとして、花火がない物だと思っていたから、花火大会なんて、考えてもいなかった。

 書かれている日付を見ると、今日から数週間後の日付が書かれている。

 まだそこまで暑くないのに行うのか。

 前世の花火大会とは、少し違うのかもしれないな。


「えっとねー、あたしが注目してほしいのはここ!この団体指名戦!」


 そう言ってマリーが指さしたところを見ると、

 そこには団体指名戦!と、大きな文字で書かれていた。

 その下には、詳しい説明が書かれている。

 


 団体指名戦は花火大会の余興イベント!

 参加チームはそれぞれ、7人で構成すること!

 それぞれの参加チームは、戦いたいチームを指名し、指名しあえたチームがあれば、その二チームはマッチング成功!

 その二チームには、団体指名戦特別ルールで、戦ってもらいます!

 ルールは当日発表だけど、戦ってもらうのは確定してるから、戦いが嫌いな人は参加しないでね!

 自分の腕に自信がある人は、ぜひ参加してみてね!


 

 なるほど。

 良く分からないが、チーム対抗戦というわけか。

 

「……それで、こ、これがどうしたの?」


「この間、あたしをいじめてきてる親友に話しかけられてさー。その団体戦で戦わないかって言われたの。もしこれで勝てたら、もうあたしには関わらないことを約束する!ってさー。あたしは別にどうでも良かったんだけど、このゲッケが、受けるべきだっていうからさー」


「そりゃあ、受けるべきに決まってるやろ。お嬢様はいじめの事を、もっと親身に考えるべきなんよ。……あ、自己紹介がまだやったね。ワイはゲッケ言います。よろしく」


「え、あ、どうも」


 びっくりした……。

 ずっと黙ってマリーの横にいるのに、誰も何も言わないから、俺にしか見えていないのかと思ってたが、違ったのか。

 今お嬢様とか言っていたが、ゲッケとマリーはどういう関係なのだろうか。


「……それでなんだけどさー。あたし今いじめられてるせいで、クラスに友達が一人もいないわけよ。だから、コーキに助けてほしくてさ。……お願い!コーキ、一緒にこの団体戦に参加して!」


 何となく察していたが、参加してくれというお願いだったか。

 

 ……ハッキリ参加しますとは言えないな。

 助けてあげたいとは思うし、少しでも力になりたいとは思う。

 だが、恐らく相当危険だ。

 いじめている側から、関わらないことを約束するから、団体戦に出てほしいというなんて、どう考えても怪しい。

 何か裏があると考えて良いと思う。

 そんな危険な事に、自ら関わっていく勇気は俺にはない。

 

 ……だけど、目の前にいじめの被害者がいるのに、放っておくのも嫌だ。

 出来る事なら助けてあげたいというのも事実だ。

 だけどなー…………。

 

 俺が永遠と悩んでいると、俺が答えを出す前に、アリウムが答えを出した。


「そんなん、参加するに決まってるだろ!な、コウキ!」


「え、あ、うん」


「え、ホント!ちょーうれしい!まじ助かる!」


 反射的に肯定してしまった。

 まあ、いいか。

 いくら悩んだって仕方がないんだし、

 こういう時は、後先考えずに、自分の気持ちに従うのが一番だよな。


「それより、俺も勿論入って良いんだよな?人数も足りないんだろ?」


「え、良いの?」


「当たり前だろ、困ってる人を見捨てられるわけないだろ!あ、俺はアリウムだ。よろしくな!」


「アリウムだから、アリムって呼ぶねー。よろしくー!……となると、あたしとゲッケ、コーキとアルムで4人だから、後3人かー。どやって集めるかなー」


「3人なら、うちらでちょうどだね!」

 

 突如聞こえた、聞き覚えのある大声に、俺たちはゆっくりと後ろを振り返った。

 そこには、ユリ、カンナ、グリシアの3人が立っていた。


「うちはカンナです!よく使う武器は素手、共感できる言葉は永遠ほど怖いものはない、性癖はドMで、いじめられると興奮しちゃうタイプです!ちなみに彼氏募集中だから、程よくドSの男友達がいたら、紹介よろしく!こっちはユリに、グリシア!」


「おー、あたしはマリー。気軽にマリーでいいよー。あたしはカンナに、ユリにグリシアって呼ぶね!ちなみに、あたしも彼氏募集中だから、紹介よろしく!」


「よろしく、マリー!いやー、悪いとは思ったんだけど、話が聞こえちゃってさ。それでなんだけど、うちらにも手伝わせてもらえないかな?残り3人なら、うちらで人数分埋まるしさ!」


「え、良いの?」


「もちろん!そのいじめっ子に、一泡吹かせてやろうよ!」


 どうやら、ユリとグリシアも、カンナと同じ考えらしい。

 困っている人を見過ごせない性分なのだろうか。

 やっぱりユリは優しいな。


 だが、グリシアも乗り気のように見える。

 勝手にグリシアは面倒ごとに関わりたくないタイプだと思っていたが、違ったのだろうか。


「みんな……ありがとう!あ、それじゃあ、今日この後空いてたりする?どーせなら、この後、親睦会も込めて、一緒にご飯でも食べる?」


「お、良いね!どこで食べる?」


「そうだなー……。あ、みんなあたしんち来る?」


『あたしんち?』


「うん。どうせならあたしの力も説明したいしさ。まあ、とりま行こっか!」


 そう言って、マリーはゆっくりと歩き始めた。

 少し困惑しながらも、俺たちはマリーについて行くことにした。

家へGO

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