コミュ症は実際にモンスターと戦う事になっても、ゲームの様に殺すことは出来ない。②
さて、今日は大晦日です。
今年は皆さんどんな一年でしたか?
今年がどんな年であれ、来年も良い都市になる事を祈ってます。
それでは、良いお年を!
あ、本編どうぞ
「さて、みんな準備は良いね!それじゃあ……ダンジョン攻略開始ー‼」
ダンジョンの入口へ到着した俺たちは、カンナの合図で、ダンジョンへ足を踏み入れた。
先生たちが作ったらしいダンジョンは、戦闘場から少し離れたダンジョン教室に作られていた。
ダンジョンとは、モンスターが住処にしている空間の事。
基本的に大昔の人たちが作った洞窟を住みかにしているようで、この世界では昔の洞窟=ダンジョンというイメージがあるらしい。
ダンジョンの中は、想像していた古代遺跡の様な見た目ではなく、自然に作られた洞窟のような見た目をしている。
マップで見た感じ、ダンジョン内は一本道が枝分かれするように部屋が出来ていて、アリの巣の構造に似た構造になっている。
そして、枝分かれの先にある部屋に、モンスターが住み着いているらしい。
思っていたダンジョンとは少し違ったが、これはこれで良い。
昔RPGゲームで初めてダンジョンに入った時と同じような、
いや、それ以上のワクワク感がある。
楽しみ過ぎて、自然と足も速くなっていく。
そんな時。
一番先頭を鼻歌交じりに歩いていたカンナが、足を止めた。
どうしたのかと思い、前を見るとそこには沢山の分かれ道が広がっていた。
「さて、最初の分かれ道についたわけだけど、どうする?ここでどの道に進むかによって、敵のレベルとかも変わるんでしょ?」
「うん、そうだね。ほとんどの道は私たちには難しいから、禁止されてるっぽいね。私たちが行ける道は、三つだけだね。カンナは……良いとして、コウキくんとグリシアさんはどこに行きたいとかある?」
「……あ、俺はないです」
「……実は行きたい所があります。入れてもらった身で悪いのですが、私が選んでもいいですか?」
「もちろんだよ!それで、どの道が良いの?」
「ここです」
そう言って、グリシアが指さしたのは二つ目の道。
マップには、ゴレムというモンスターが生息していると書かれている。
三つの中では、二番目に簡単な道であり、普通レベルの生徒はここを選ぶようにとも書かれている。
難しくもないし、簡単すぎない。
無難で良い道だ。
「よし、二つ目の道だね。それじゃあ、二つ目の道を進んで行こう!」
そして、俺たちは再び歩みを進めた。
二つ目の道は、先程までの道と比べると、
壁がより凸凹に、床はより平らに変化しているように思える。
今がどの道にいるのか分かりやすくするために、先生がそうしたのだろうか。
と、そんな事を思っていると、前の方から何かを叩くような音が聞こえてきた。
俺たちは一度顔を見て頷くと、ゆっくり音のした方へと進んで行く。
ある程度近づいた所で、岩陰から音の方を見て見ると、そこには複数の人影があった。
目を凝らしてそこを見てみると、そこで動いていたのは人間ではない何かだった。
その見た目は小さめの岩にレンガが足の様に二つ付いていて、小さな石が繋がり、腕の様に二つ付いている。
岩の中央には小さな水色の石が埋め込まれていて、
全体的に見たら、子供が作った一頭身のおもちゃの様にも見える。
その何かは俺たちに気づくことなく、
腕の様な石の繋がりを、何度も何度も壁に叩きつける動きを繰り返していた。
……いや、何あれ。
だって…………え?
岩と石がくっついた何かが、永遠と壁を叩いてる。
うん、意味が分からない。
ラジコンかなんかで動いてるのか、それとも自動で動くロボットなのか。
……それともモンスターか。
あんなモンスターもいるのか。
モンスターはてっきり生物だけだと思っていたが、生物以外のモンスターも存在するのか。
いや、まて、そもそもあれは本当に生物じゃないのか?
見た目は良きものじゃないように見えるが、もしかして生物なんじゃないのか?
そもそもとしてどういう仕組みで動いてるんだよ。
だって、岩と石だぞ。
なんかもう、良く分からなくなってきた。
「……あれはゴレムだよね。一体何やってるんだろ」
「…………え、あれがゴレムなの?」
「うん、そうだよ。あれがゴレム。岩石で出来ている小型モンスターだよ。だけどおかしいな、ダンジョンではモンスターは、モンスター部屋にいるはずなのに、なんで外にいるんだろ」
あれが俺たちが倒すゴレムだったのか。
想像してたよりも、弱そうだ。
これなら簡単に倒せそうだが、ユリの言った通りおかしい。
先生の話では、モンスターは部屋にいるはずだ。
なんで外の通路にいるんだ?
「…………知らないんですか?ダンジョン内でモンスターが部屋を拠点としているのは事実です。しかし、ずっとモンスターがいるとは限りません。モンスターによりますが、何か目的を持って、外に出る事はあります。授業ではやっていませんが、常識です」
全く知らなかった。
この世界の事になじめるように、この世界の事を学んできたつもりだったが、これは初耳だ。
ユリも知らなかったようだし、グリシアの知識が凄いだけなのだろうか。
「へー、そうなんだ。うちも知らなかったわ。グリシアは物知りだね!」
「普通ですよ。……それで、どうしますか?ゴレムは2体ですけど、戦いますか?」
「もちろん!2体だから、ユリとグリシア、うちとコウキで一体ずつ倒そう。それでいいよね?」
カンナの話を聞き、俺たちは顔を見合わせてから同時に頷いた。
初めてのモンスターとの戦いで、失敗してしまう所もあるだろうが、カンナと一緒なら問題ないだろう。
しかし、初めてのモンスターとの戦いだ。
緊張するが、同時にワクワクしている自分もいる。
落ち着こう。相手は小さな岩のモンスターだ。
数日間の授業を思い出すんだ。
俺なら出来る。
そう自分に言い聞かせ、俺は一歩足を踏み出した。
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