異世界で女騎士に会ったとしても、コミュ症はまともに会話することができない。①
「そういえば、もう一枚の手紙には何が書いてあるのかな」
そう呟いて、もう一枚の手紙を手に取る。
その手紙には一枚目の手紙と違い、二文で簡潔に内容が書かれていた。
君にプレゼントした力は影を操る力だよ。
この力を使って頑張って生きてね!
影を操る力。
俺に合った力と言っていたが、考えようによっては、確かに合った力かもしれない。
おそらく神は俺が陰キャであるということを考えて、陰キャの陰と合わせて、影の力をプレゼントしたのだろう。
……手紙での態度も相まって、なんかむかつく。
そんなことを思いつつも、とりあえず力を使ってみることにした。
使い方とかは書いていなかったし、とりあえず前に小説で見た、こういう力の発動方法を試してみることにしよう。
足を広げ、しっかりと前を向く。
そして、右手を大きく掲げ、叫ぶ。
「スキル発動!」
俺は異世界に来て、一番大きな声で叫んだ。
しかし、数秒立っても何も起こらない。
…………恥ずかし!
勇気を出して凄い大声っで叫んだのに、何にも怒らなかったよ。
人が見ていないとはいえ、凄い恥ずかしい。
家だったらベットに倒れこんで、うずくまる所だぞ。
しかし、これで何も起こらないとなるとどうするか。
これ以外の発動方法なんて分からないぞ。
力をプレゼントされても、使い方が分からなかったら、意味がないじゃないか。
こういうところはしっかりしてほしいものだ。
と、俺の中で神の株を下げながらも、俺は試行錯誤するが、全く何かが起こる気がしない。
そもそもとして、影を操るって、どういうことなんだろうか。
聞いた感じは強そうだが、操るか……あ、影で剣や槍を作ったり、武器を作れたりするのかな。
そんなことができたら面白いんだけどな。
「……影よ、剣になれ!って言っても何の起きないか……」
そんなことを言った瞬間。
影が急に形を変えだしたと思うと、影が立体的に飛び出し、手へと移動し始めた。
それから手に着くと同時に、影は剣のような形へ変化した。
……え、ま、まじで剣になった。
想像したような形の剣になっていて、凄くカッコいい。
しかし、どうして急に変化したんだろうか。
今やったことと言えば、剣になるように願って、「影よ、剣になれ!」と言っただけだ。
もしかして、力の発動条件は、影の変化を想像して、口に出すことなのか?
俺は力の発動条件を確認しようと、言葉を放ってみる。
「槍になれ!……影!」
そう言うと今度は影が槍へと変化した。
なるほどな。使ってて何となく理解した。
どうやら力の本当の発動条件は、影の変化を想像して、「影」と言葉で言うことのようだ。
この力は、使い方によっては強力な力かもしれないな。
影を使って、どんなものでも作れるとか、便利すぎる。
巨大なハンマーとか作れたりしないかな。
そんなことを考えている時。
後ろから、大きな女の声が聞こえた。




