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コミュ症異世界生存史  作者: GIN
学園生活編
19/120

異世界のチート能力は、本当にチートなのかもしれない。①

 衝撃的な学園生活初日から、数日が立った。

 成績発表の後、俺は結局新しい友達を作ることもなく、ユリたちと一緒に宿へと帰り、一日を終えた。


 友達が出来なかったことは残念だったが、その代わりに様々な事を知る事が出来た。

 この世界には騎士が存在するという事。

 俺はこの世界の事を、まだまだ知れていないという事。

 それに、ロメリア先生が良い先生だという事。


 その日の夜は、様々な事を知れたお陰か、自分に余裕ができ、次の日からの生活に大きな希望を持ち、眠りに着けた。

 そして、次の日からの学園生活に、気合十分な状態で挑んだのだが……。



「学園生活が大変すぎる……」


 思わず、そう零した。

 俺は別の世界から来たわけだし、多少学園生活が大変になる覚悟はしていた。

 しかし、想像以上に大変すぎる。


 まず、学園での授業が大変すぎる。

 全くと言っていいほど、授業について行けない。

 それもそのはず、俺は小学生が勉強する内容すら、まだ学び終えていないんだ。

 つまりは一般小学生が、高校で授業を受けているのと同じなんだ。

 そんな状況で、授業について行ける方がおかしい。


 それにだ。

 この世界の学園には実技授業という物が存在する。

 簡単に言うと、モンスターを倒せるくらい強くなるために、体を鍛える授業なのだが。

 これが肉体的にも、精神的にもきつすぎる。

 前世じゃ考えられないような距離を走らされ、

 前世じゃ考えられないような運動をさせられ、

 前世じゃ考えられないような、力を使った実践戦闘訓練?をさせられる。


 これが普通の勉強と同じ量あるんだ。

 運動を全くやってこなかった陰キャには、地獄以外の何物でもない。


 そして、一番の大変な理由は……ロメリア先生だ。

 先生は珍しい良い先生で、

 俺たち生徒の事を一番に考えてくれている。

 とても熱心で、俺たちを成長させようと、全力で教えてくれてるのだが……。


「…………鬼指導過ぎるんだよな……」


 例えば走り込みだ。

 俺たちが限界まで走って、倒れこんだとする。

 普通なら、ここで止めさせて、休ませるだろう。


 しかし、ロメリア先生は違う。

 「もっと頑張れ、まだやれるはずだ!」と言い、

 半強制的に走らせる。


 勉強でもそうだ。

 難しいテストをしたとして、全く分からない箇所があり、空欄にして提出しようとする。

 そんな時、ロメリア先生は絶対に提出をさせてくれない。

 諦めなければ、出来るという考えからの行動らしいが、少し迷惑だ。

 テストくらい、もっと軽い気持ちでやらせてほしい。


「……良い人なんだけどな…………」


「良い人って誰が?」


「ふぁい!」


 突然した声に驚き、思わず変な声を上げてしまった。

 声のした方を見てみると、そこにはユリが不思議そうな顔をして立っていた。


「い、いや、考え事をしてて……声に出ちゃっただけだから……」


「ふーん、それより次は戦闘場での実技授業だよ。早く行こっ!」


「うん、そうだね」


 それだけ話して、俺たちは戦闘場へと移動し始めた。


 ユリは本当に優しい。

 学園生活が始まって、数日が立ったというのに、まだ俺と仲良くしてくれている。

 他に仲のいい友達がいるというのに、ずっと気にかけてくれている。

 優しすぎて、好きになってしまいそうだ。

 

 と、そんなアホな事を考えていると、すぐに戦闘場に着いた。

 そこには既にロメリア先生と数人の先生が、集まっていた。


 基本的に授業はロメリア先生一人がしてくれている。

 他の先生が、それもこんなに沢山いる事は初めてだ。

 これから一体どんな授業をするんだろうか。


「……さて、全員集まったようだな。今日はモンスター討伐訓練を行う。この訓練は毎年行う訓練なのだが、非常に危険な訓練だ。我々の話を聞き、一つ一つの行動に気を付けて行動してくれ」


「……モンスター討伐訓練?なんだそれ」


「え、コウキくん知らないの?」


「え、あ、う、うん。……その訓練って、一体何なの?」


「モンスター討伐訓練はね。毎年、魔冒学園の一年生が体験する、モンスターと直接戦う授業なの。冒険者になると、必ずモンスターと戦う事になるから、今からモンスターに慣れておくようにするために、体験させるんだって」


「……へー、初めて知ったよ」


 モンスターと戦う授業か。

 ロメリア先生の鬼指導もあって、

 ここ数日間で、多少の学力と運動神経を身につけることが出来た。


 しかし、学園に入ってから、一度も実際に戦う授業をしたことはない。

 本当にモンスターと戦うのなら、これが学園に入って初めての戦いになる。

 シンプルに緊張してきた。

 ここ数日間で身に着けた知識や技術は、通用するのだろうか。

 

 それに、授業で話には出ていたが、

 実際にモンスターを見るのは初めてだ。

 ゲームで何度も見てきたモンスター。

 一体どんな見た目なんだろうか、緊張しながらも、ワクワクする自分がいる。


 そんな事を思っていると、先生たちの中から、一人の女性が歩いてきた。

 銀色の鎧に身を包んでいて、黒い長髪一人の女性。

 入学初日に映像で見た。

 確かあれは、この学園の校長のモモ先生だ。


「……これから、校長先生による説明が始まる!真面目に聞くように!」


 どうやら、詳しい説明は校長先生がするようだ。

 校長先生まで出てくるという事は、思っていた以上に大切な授業なのかもしれないな。

 

 ……しかし、実物で見てみると、やっぱりどこかで見たことがあるような気がする。

 この見た目に、この雰囲気。

 一体どこで……。


「……あ、思い出した」


 ここで俺はようやく思い出した。

 ゲームで出てくる騎士の様な雰囲気を放っていて、女騎士の見た目をしている。


 間違いない、この世界に来た日、

 一番最初に出会った、この世界の人間。

 森で出会った女騎士だ。

 

 ……あれ、色々とまずくね?


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