どの世界でも先生はろくなもんじゃないと思っていたが、意外にもそうでもないのかもしれない。①
いろいろあって、異世界の学園へ入学した主人公。
最初の試練である友達作りに、失敗して落ち込んでいる時に始まったのは、誰もが経験する超絶長いであろう校長先生の話だった。
さて、異世界の先生の話は長いのだろうか!?
ロメリア先生から指示があってから数分後。
岩から出ていた映像に、一人の女性が映った。
その女性は銀色の鎧に身を包んでいて、黒い長髪をしている。
校長というよりかは、ゲームで出てくる騎士の様な雰囲気を放っているのだが……。
……どこかで見たことがあるような気がする。
この女騎士っぽい見た目に、見たことがあるような気がする雰囲気。
んー、思い出せそうで、思い出せないな。
この世界に来てから、そこまで人と会ってないし、頑張れば思い出せそうなんだけどな。
そんな事を考えていると、映像の女性がゆっくりと口を開いた。
「……まずは、魔物撃破冒険者育成学園への入学おめでとう。我が名はモモ。魔冒騎士団の団長にして、魔物撃破冒険者育成学園の校長である」
なるほどな。
……魔冒騎士団ってなんですか?
騎士団がこの世界には存在するのか?
いきなり知らない単語が出てきて、既についていけてない。
騎士団ってことは国を守る騎士たちのことか?
前世の騎士団についても、ほとんど知らないから、騎士団が何なのか全然解らない。
そんな俺の事も気にせず、話は進んで行く。
「さて、まずは本校について、簡単な事から放していこうと思う」
そして、どの学校にもある、長く面倒くさい校長先生の話が始まった。
その話は、前世で聞いた事がある、どの校長先生の話よりも長く、地獄の様な時間だった。
しかし、説明の途中に用語の説明をしてくれたため、少しだけ知らなかったことを学ぶことができた。
長すぎて半分しか聞いていなかったが、とりあえず覚えている大体の内容をまとめてみるか。
以前アリウムが言っていた通り、この学園は魔物を討伐する冒険者を育てるための学園のようだ。
魔物とは、この世界とはまた別の世界に住んでいる生物で、時々この世界を侵略しに来る化け物らしい。
次に、モンスターを倒して、その死体を売ったりして生計を立てつつ、魔物を倒すために戦ったりして世界を守る職業が冒険者らしい。
大体想像していた通りだな。
そして、その冒険者の中で選りすぐりのエリートを集めて作った冒険者軍団の事を、魔冒騎士団というらしい。
つまりは超強い街を守る軍団ってことだ……と思う。
その団長って事は、この人は相当強いってことだよな。
何となく女騎士に強いイメージがないのだが、本当に強いのだろうか。
あれ、よく考えたらこの人って校長だよな。
校長なのに、騎士団の団長って良いのか?
前世の世界で言うと、学校の校長が、警察のトップも一緒にやっているってことだろ。
それって色々と大丈夫なんだろうか。
そんなことを考えていると、校長先生は話を終わらせ始めた。
「……さて、大体の事を話したし、これで私からの話は終わりにしよう。学園で良い生活を送れることを、祈っている。それでは、さらばだ」
そんなことを言うと、映像から校長の姿は消え、数秒で映像も消え去った。
その様子を見ていた、ロメリア先生はゆっくりと教卓の前へと戻った。
「それでは、校長先生の話が終わった所で、次の話をする。次に君たちにやってもらうのは、実力テストだ。まずは筆記、その次に実技の順でやってもらう!今から一人一枚紙を配るから、筆記用具を準備して、待っているように!」
……やっぱり座学もあるのか。
さて、どうするか。
この世界について、まだまだ知らないことだらけのこの状況で、どうすれば赤点を回避するできるんだ。
カンニングは、バレた時のリスクが高すぎるし、ダメだ。
かと言って、まじめに解いた所で、低い点数になるのは目に見えてる。
……あれ、これどうしようもなくね。
いろいろ考えたけど、もう詰んでね。
赤点回避不可能じゃね。
いや、いやいや、落ち着け俺。
まだどうなるかは分からない。
もしかしたら、奇跡的にこの数日間で知ったことだけでて、赤点回避出来るかもしれないじゃないか。
それに、もし選択問題だったら、運が良ければ赤点回避できるじゃないか。
諦めるにはまだ早いだろ。
一筋の希望を見出し始めていると、先生から一枚の紙を手渡しされた。
その紙には実力把握テストと、大きな文字で書かれていて、見たこともないような言葉が並んでいた。
魔力。自然力。上位生呪。
うん、全く知らないし、全く分からない。
さらに、一通り問題を見た感じ、選択問題は一つもない。
全ての問題が記入式になっている。
うん、考えうる限り最悪のテストだ。
「……さて、制限時間は30分。不正行為が発見された場合、その者の点数は0点とする。それではテスト開始!」
テストが始まってしまった。
試しに一問目を解いてみるが……。
ふっ……全く分からん!
やっぱり意味が分からないね。
問題で何を聞いているか分からないから、解きようがない。
テストがあるなら、前から言っておいてほしかったな。
まあ、テストがあるかもしれないという事を考えもせず、聞いたり、勉強したりしなかった俺にも問題はあると思う。
ただ、ただ一つだけ、言わせてほしい。
……異世界転生者に、実力テスト何て受けさせるなや!!!!
異世界でテストは駄目ですね




