表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミュ症異世界生存史  作者: GIN
学園生活編
13/120

新学期に新しい友達を作るのは、コミュ症には難しい。①

「……よし、行くか」


 そう呟き、俺は準備しておいたバックを持ち、腰を上げる。

 そして、しっかりと前を向き、部屋の扉を開けた。


 扉の前には、ユリがバックを持ち、ワクワクしたような顔で立っていた。

 どうやら、俺の事を待ってくれたみたいだ。

 

「おはよ、コウキくん!ついにこの日が来たね!」


「うん、待ちに待った、学園入学日だ!」


 俺がこの世界へ来て、学園への入学試験を合格した日から、早十日。 

 今日は俺たちが魔冒学園へ通う、最初の日なのだ。

 この日をずっと楽しみにしてきたんだ。

 自然とテンションは上がっていく。


 入学試験の日には、しっかり学園の施設を見たり、学園について知ったりできなかったからな。

 この世界の学園は、どんなことをするのだろうか。

 勉強する内容は、前世のように数学や、国語などなのだろうか。

 それとも、力について勉強したり、実際に力を磨き上げるための実技をしたりするのだろうか。

 気になることがありすぎて、ワクワクが止まらない。


 そんなことを思いながら、階段を下りていくと、一階ではお姉さんが椅子に座って、俺たちを待っていた。


「あ、やっと来たな。ユリちゃん、光輝。とりあえず学園入学おめでとう!」


「あ、ありがとうございます」


「さて、入学祝いという事で、二人にプレゼントを用意しました!」


 そんなことを言いながら、お姉さんはポケットから何かを取り出した。

 そして、ユリの方へ近づくと、その何かをユリの首に掛けた。

 次に俺の方を行くと、俺には手渡しで何かを渡してきた。 

 

 お姉さんに渡されたものは、ピンク色に輝く、綺麗な石だった。

 信じられないほどに綺麗な石だが、一体これは何なんだろうか。


「お姉さん、これは?」


「それはお守りだよ。私が試行錯誤して作った、不思議で綺麗な石だよ。ユリちゃんはネックレスをよくつけてるし、ネックレスにして、光輝はネックレス付けなそうだし、そのままにしといた。きっと二人の事を守ってくれるから、大切にしてね」


「い、いいんですか?俺まで貰っちゃって」


「良いに決まってんだろ、光輝ももう立派な、私の弟分だからな!」


「あ、ありがとうございます。それじゃあ、いただきます」


 手作りのお守りか。

 この世界のお守りは、石なんだな。

 前世のお守りは、高そうな布に紙が入っているイメージがあったが、それとは大きく違ったお守りだ。

 しかし、誰かから物を貰うのはやっぱり嬉しいな。

 手作りなら尚更だ。

 

 そう言えば、前世では母さんに何度も手作りの物を貰っていた。 

 それこそお守りや、手袋、マフラーなんかもあった。

 思い出してみると、懐かしいな。


 ……ここ数日で、お姉さんはこの世界の母さんみたいに、思えてきた。

 いや、母さんは少し違うか。

 俺は一人っ子だから詳しくは分からないが、どちらかと言えば本物の姉に近い感じがする。

 なんか、良いな……。


 そんなことを思っていると、急にユリが大声を出した。


「あ!いつの間にかこんな時間!ごめんなさい、お姉さん。もう行かないと!」


「確かにもう時間だな。よし、行ってこい!ユリ、光輝。頑張れよ!」


 お姉さんに軽く会釈してから、俺たちはお姉さんの酒場を出た。

 そして、軽く走りながら、学園へ向かいだした。

 

 時間ギリギリで、俺たちは何とか学園に着くことができた。

 学園は新入生の声で、溢れかえっていて、楽しそうな雰囲気を醸し出している。


 ここで、始まるんだな。

 俺の新しい、学校生活が、学園生活が!

 そう思って、立ち止まっていると、先生から何かの紙を貰ってきたユリが、嬉しそうに紙を見せてきた。


「コウキくん、見て見て!私たち同じクラスだよ!」


 そう言われて、ユリのクラスを見てみると、そこにはクラス票と書かれていて、ユリという名前があるクラスに、コウキという字が書かれていた。

 まじかよ、おい……偶然ってレベルじゃないぞ、もはや奇跡だろ!

 クラスもユリと一緒になったとか……。


 この世界に来てから、俺の運が爆上がりしてないか!?


「ちなみに、うちも同じクラスや!」


「ふぇっ!……い、いたんだカンナさん」


 いつの間にか後ろに立っていた、カンナに驚き、思わず変な声が出てしまった。

 どうやら、カンナも同じクラスのようだ。

 みんな同じクラスで、良かった。

 この調子でいけば、学園生活も意外と何とかなるかもしれないな。

 

「よし、ユリにコウキ!早く教室に行こうよ!時間もないし、学園の教室楽しみだしね!」


 そんなことを言って、カンナは小走りで校内へと向かいだした。


「もう、カンナったら。私たちも行こっか」


 そう言いながら、ユリは俺の手を取り、駆け出した。

 引っ張られながら、俺もユリと一緒に校内へと向かって行く。

 

 学園の校内は、想像よりも大きい構造になっていた。

 建物自体が大きい分、教室が多く、慣れるまでは迷子になってしまいそうだ。

 廊下は前世で通っていた学校の二倍はあり、教室に入るためのドアも、必要以上に大きい作りになっている。

 廊下の所々には、お知らせが書かれている紙や、誰かも分からない肖像画など、様々な物が置かれている。

 

 スケールは大きいし、所々に見たことがない物はあるけど、大体の作りは前世の学校と変わらないようだ。

 街と比べたら、雰囲気は前世に近くて、少し落ち着くな。

 と、そんなことを思いながら歩いていると、ユリが急に足を止めた。


「ここだよね。やっと着いたね、建物が大きいせいで、迷子になりそうだったけど、何とかたどり着けて良かったよー」


「う、うん。これからここで勉強していくんだね。なんかドキドキするな」


「うん、それと同時にワクワクもする。……よし、それじゃあ、入ろっか」


「う、うん。そうだね」


 そう答えて、少し大きなドアに手を掛けた。


 この教室で、俺の第二の学校生活が始まるんだ。

 一体どんな教室で、どんな人がクラスメイトなんだろうな。

 ワクワクとドキドキを胸に、俺はドアを勢い良く開いた。

友達作りという、大いなる戦いが、今始まる!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ