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コミュ症異世界生存史  作者: GIN
学園生活編
12/120

女子と二人っきりの買い物は、デートと言っても過言ではないのではないだろうか。②

 楽しく順調に買い物をしていき、

 気づくと夕方に差し掛かっていた。

 

「さて、大体の物は買い終わったかな。コウキくんは他に買うものとかある?」


「いえ、特にないです」


「なら、そろそろ帰ろうか」


 そう言うと、ユリは帰ろうと、歩き始めた。

 途轍もなく楽しい一日だった。

 女子と出かけるのは、こんなにも楽しいものだったとはな……。


 こんなことなら、前世でも女子と出かけていれば良かったな。

 まあ、話せる女子が全然いないし、それは無理か……。

 

 そんなことを思っていた時。

 ふと一つ、疑問に思った。


 今じゃないと聞けないだろうし、聞いてみるか。


「あの……ユリさん。一つ聞きたいんですけど………なんで昨日会ったばかりの俺なんかに、ここまで良くしてくれるんですか?」


 俺とユリは昨日で会ったばっかりだ。

 それなのにも関わらず、俺に泊まる所を教えてくれて、買い物にまで付き合ってくれた。

 普通の人ならここまではしてくれない。

 一体どうして、ここまで俺に優しくしてくれたんだろうか。

 ユリは少し考え込むと、ゆっくりと答えた。


「どうしてか……。多分私とコウキくんが似てたからかな」


「俺とユリさんが……似てた?」


 俺とユリが似てるとは、全く思えないんだが。

 性格は正反対だろうし、身体能力とかも、全く違う。

 うん、似ている要素が全くない。


「私も遠くからこの街に来たって言ったよね。その時の私は右も左も分からない状況でさ、ただただどうしようもなくて、途方に暮れてたんだよね。そんな時にある人に出会ったんだ」


「ある人?」


「うん、コウキくんも知ってる、酒場のお姉さん。困ってたのが分かったのか、話しかけてきてくれてね。それから宿を提供してくれたり、街の事を教えてくれたり、いろいろしてくれたんだ!そのお陰で私は救われて、今こうして元気に過ごせてるの」


「そうだったんですか。お姉さんが……」

 

 昨日一度話しただけでも、なんとなく良い人なんだろうなとは思ったが、やっぱり凄い良い人だったんだな。

 困っている人がいたとして、実際に手を差し伸べられるのは、ほんの一握りの人間だけだ。

 基本的には大丈夫かな?心配だな……。と思ったとしても、手を差し伸べることはなく、ただ遠くで見ているだけ。


 そんな中で手を差し伸べるのは、本当の善人くらいだ。

 つまり、お姉さんは一握りの善人なんだろうな。

 そんなことを思っていると、ユリはまた話を続けていった。


「それでね、コウキくんを見てて思ったんだ。コウキくんも、私と同じでどうしようもなく困ってるんじゃないかなって。だからお姉さんのように、私が助けないとって思ってさ。んー、上手くまとまんないけど、こんな感じかな」

 

「ありがとうございました。……ユリさんもこの街に来て、大変な思いをしたんですね」


「まあ、過去の話よ。あ、私からも一ついいかな?」


「え、いいですけど……」


 俺がそう答えると、ユリは体を俺の方に向けた。

 そして、注意するような姿勢を取り、話し出した。


「私たちはもう友達なんだから、敬語は無しで!タメ口で話して!分かった?」


「え、わ、分かった」


「うん、よろしい!それじゃあ、帰ろうか」


 そう言って、ユリは笑顔になると、ゆっくりと歩き出した。

 その後を追い、俺もゆっくりと歩き出す。

 

 ……何、今の笑顔。凄く可愛いかった。 

 それにしてもユリも、大変な思いをしてきたんだな。

 お姉さんも、やっぱり凄く良い人だった。

 この世界の人は、本当に良い人ばっかりだ。

 

 俺にやさしくしてくれた理由も知れたし、

 いろいろと知れて良かったな。

 そんなことを思いながら歩いていると、すぐに宿であるお姉さんの酒場に着いてしまった。 

 

「いやー、いろいろ話してたら、もう着いちゃったね!コウキくんのお陰で、楽しい時間を過ごせたよ!」


「い、いや、俺こそ楽しかったよ。いろいろと教えてくれて、ありがとうね」


 そんなことを話しながら、店に入ると、

 ユリは止まって、言葉を放った。


「もう、気にしないでいいって!あ、私はこれから店の手伝いするから、ここで!」


「分かった。それじゃあ、今日はありがとうね。ま、またね!」


「うん、またね!」


 それだけ言うと、ユリは何かの準備を始めた。

 それを見てから、俺は階段を上がり始めた。

 

 今日は楽しい時間を過ごしながら、いろいろな物を買うことができたな。

 学園に必要な物もそろったし、衣類とかの生活に必要な物も買うことができた。

 学園入学まで、あと数日ある。

 

 入学までに、影の力を極めておかないとだし、この世界の事ももっと知っておかないとだな。

 それに、俺には学園生活を送るうえで、

 一番大切な者が、友達が足りない。

 確かにアリウムやユリ、カンナたちは友達だが、アリウムは落ちちゃったし、ユリとカンナだけじゃ、少し不安だ。


 そうだな、次の目標は学園で友達を作るだな。

 そうと決まれば、目標目指して頑張るか。

 そう決心して、俺は部屋へと戻った。

 

 それから数日後。

 ついに、学園に入学する日が来た。

 これから、俺の、加藤光輝の学園生活が始めるんだ。

次回、誰もが一度は経験したであろう、

今後の学園生活を掛けた戦いが、始まる。

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