表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミュ症異世界生存史  作者: GIN
学園生活編
11/120

女子と二人っきりの買い物は、デートと言っても過言ではないのではないだろうか。①

「コウキくん、起きてる?」


 その日、ドアをノックする大きな音で、俺は目を覚ました。

 

 ここは……どこだ?

 こんな天井、俺は知らないぞ。

 家の天井でもないし、おじいちゃん家でもない。

 俺は確か昨日……そうだ。俺は死んだんだ。

 死んで、別の世界に来て、そしてお姉さんの宿で眠りについたんだ。

 

 ……あ、そうだ。

 今日はユリと出かける約束があったんだ!

 今何時だ?

 

 急いで時計を探すが、部屋に時計は見当たらない。

 焦りながら、時計を探していると、またノックが鳴った。


「コウキくん、もしかしてまだ寝てるのかな?」


「あ、い、今起きた!もしかして寝坊しちゃった?」


「少しね。でも、昨日は試験もあって疲れがたまってたんだろうし、しょうがないよ。起きたばかりなら、一時間遅らせるけど、どうする?」


「いや、いいよ。す、すぐ行く!」


 まずい、やってしまった。

 男と女で買い物に行くのに、遅刻するなんてあってはならない事だ。

 しかも部屋まで来て、起こしてもらうとは、最悪だ。

 とりあえず急がないと。

 

 俺は適当に身だしなみを整えながら、行く準備をする。

 本当なら、シャワーをしたり、服を着替えたりもしたいが、服は一着しか持ってないし、我慢することにする。

 さすがに服も一枚だけじゃまずいだろうし、もし服を売っている所があったら、買っておきたいな。

 そんなことを思いながらも、俺は準備を終えて、外に出る。


「本当にごめん!寝坊しちまった!」


「いいよ、気にしないで!それじゃあ、行こうか!」


 そう言って、ユリは歩き出した。

 自分の身だしなみを最後に確認しながら、ユリの後を追い、歩き始める。

 俺たちは必要な物を買うために、何でも揃うらしい、商店街に行くことにした。

 酒場から商店街までは、様々な人で賑わっていて、活気あふれる雰囲気に包まれている。


 そんな街中をユリと他愛もない話をしながら、歩いている時。

 ふと、一つの考えが浮かんできた。

 楽しく話しながら、街中を二人っきりで歩いている。

 昨日は違うと思ったが、やっぱりこれはデートと言っても過言じゃないのでは!?

 

 だって買い物だぞ。二人っきりだぞ。

 これはどう考えたってデートだろ。

 やばい、そう考えたら一気にドキドキしてきた。


 初めて行くこの世界の商店街に、不安な気持ちや、楽しみな気持ちがあったおかげで、全然女子と二人という事を気にしていなかった。

 しかし、俺は今女子と二人っきりで、実質デートをしているんだ。

 前世じゃ、考えられなかったことだ。

 この状況を自覚してしまったからか、緊張で胸がはちきれそうだ。

 

 と、いろいろな考えが頭を回っている時。

 ユリが急に顔を近づけて、大声で話しかけてきた。


「ちょっと、聞いてる?」


「ふぇ!あ、ごめん、ぼーっとしてて、聞いてなかったかも」


「もう、ほら着いたよ、商店街!」


 ユリに言われ、前を見てみると、そこには大勢の人で賑わっている、店が並んでいる一覧があった。

 これがこの世界の商店街なのか。

 前世の商店街と比べると、随分と大きいように見える。

 それに食べ物から、ベットまで幅広いものを売っている。

 前世の商店街と一番違うところは、剣や弓などの武器を売っている店があるというところだな。

 それも大量に。


「さて、それじゃあ、買い物を始めようか!まずはすぐそこに売り場もあるし、文房具から見ようか!」


「は、はい、そうですね!」


 そして、文房具を売っている店を見てみると、多種多様な文房具が置かれていた。

 前世でもあったような鉛筆もあれば、持ち手が氷でできている物もある。

 持ち手にトゲトゲの針が付いている物なんかもあるが、一体どんな風に使うんだろうか。

 この世界の文房具には、意味が分からないものばっかりだな。


「さて、まず鉛筆だね。私は持ち手がゴムになってる鉛筆にするけど、コウキくんはどうするの?」


「あ、俺も同じものにします」


「え、同じので良いの?持ち手がダンベルになってる物とか、羽が付いてる物とかあるけど……」


「はい、これで大丈夫です」


 というか、ゴムの鉛筆以外まともな鉛筆がないからな。

 これにする以外の選択肢がないんだよな。


「それならいいけど、ノートはどうするの?私は卵紙のノートを使うけど」


「俺もそれでいいです」


「え、ノートもこんなに地味なのにするの!?コウキくんは変わってるね」


 そう言って、ユリは不思議そうな目で俺の方を見てきた。

 俺から言わせてもらえば、この世界の文房具の方が変わっている。

 トゲトゲとかダンベルとか、意味の分からない鉛筆ばかり。

 ノートもモンスターの歯で作られた物や、普通のノートの数倍の大きさの物など、どうやって使うか分からないものだらけだ。

 

 そんなことを思いながらも、俺たちは買い物を続けた。

 その後、数分で必要な文房具は買い終えたのだが、ここで一つ問題が発生した。

 よく考えたら、俺はこの世界の金を持っていなかった。

 実質デートをしていたのに浮かれすぎて、すっかり忘れていた。

 まずいな、このままじゃデートが中止になってしますかもしれない。

 いや、そもそもとして学園に必要な物が買えないんじゃ、学園生活を送れないんじゃ……。


「それじゃあ、会計済ませちゃおっか!」


「あ!……いや、その……実はお金を…………その……」


「あ、お金の心配してるの?大丈夫だよ、物によるけど、学園の生徒証明書を見せると、私たちの代わりに、学園が払ってくれることになってるんだ!」


 え、何それ凄い。神じゃん。

 もし本当なら、生徒証を持っているだけで、無料で買い物ができるってことか。

 色々な権利を得て、買い物も無料って……普通の学校じゃ、そんな特典付いてこない。

 こんなに豪華な特典が付いてくるなんて、もしかして俺が入ることになった学園は、凄い学園なんじゃないだろうか。

 

 そんなことを思いつつ、少し半信半疑になりながら生徒証を店員に見せてみる。

 すると店員は俺の買った物を調べ、紙に何かを書きこんでいく。

 そして、書き終わったかと思うと、


「ご購入ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」


 と、それだけ言い残し、他の人の接客へ向かった。

 本当に買い物が出来てしまった。凄すぎるな。


「ね、言った通りだったでしょ」


「うん、本当に買えました。……凄いですね、学園って…………」


「まあ、世界有数の巨大学園だからね。さて、買うものはたくさんあるんだし、どんどん行こう!」


 そして、俺たちは買い物を続けていく。

 特殊なマントや、本。良く分からない石の板や、木の棒などなど。

 前世の世界にもあった物から、存在しなかったものまで、様々な物を買って、買って、買いまくった。

 途中、射的のような物をしたり、買い食いをしたりと、遊びながら楽しい時間を過ごしていった。

これはデート!なのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ