第92話 アレもスキル?
「いい?なるべく手荒な真似は控えること!」
「は~い♡」
「了~解♥」
「かしこまりました」
大丈夫なのかな?
相手の人?も武器は持ってないけど、さぁ?
このバケ……な3人だけでいいの?
強そうに見えないし。
「ユウちゃん?
あぁ~?心配してくれてるのかしら?
大丈夫よ?アレでもウチの精鋭だもの」
「せいえい、ですか?
大丈夫なら、いいんですけど」
んー、全然そうは見えないんだけどなぁ?
でもレイモンドさんは自信あるみたいだし?
そもそも僕、見てるしか出来ないし?
任せるしかないよね。
「まぁ見てて?」
「はい!お願いしますっ!」
ケガしない様に、ね?
「グアァァァァッッ‼」
「いい?アレでイクわよッ‼」
「ラストが賢者モードでイケるのォッ!?」
「問題ありません。イケますっ!」
3人は通路を縦1列になっていった。
これから何をするのか僕には想像がつかない。
ただ、イケるの言い方が気になる。
なんだかイケない言い方な気がする。
分かんないけど。
「アンタ達、イキなさいッ‼」
あ、レイモンドさんも?
でもレイモンドさんのはなんか違う気がする。
大丈夫な気がする。
知らないけど。
「見ててね?すぐ終わるから」
レイモンドさんが言うと同時に、
先頭のエンジェルさんが突っ込んだ。
後ろには2人着いて行ってる。
「ド素恋ッ‼」
大きい身体を活かした体当たりが相手にぶつかった。
「グウェッッ!?」
続いたのは真ん中にいたベルベットさん。
「今夜は逃がさナイ、トッ‼」
小柄の身体を活かした素早い動くで相手を背後から拘束した。
「ッグッグェェェッッ!?」
最後はラスト・キッス……ハゲの人さん。
「朝、サナギはチョウと〇ナル」
ハゲの頭を活かさずにゆっくりと歩いて股間を蹴り上げた。
「ッボッ、ォラ゛ッ、ッレ゛ッ、ッダッ!?」
ぅ……わぁ……
なんか、痛そう?
僕はまだそんな経験無いから分かんないけど。
というか、もうそんな経験は出来ないかな?
女の子になっちゃったし。
というかうつ伏せに倒れてずっと痙攣してるんだけど?
お尻突き出して泡吹いてない?
よく分かんない事言ってたけどアレもスキルだったのかな?
「どう?強いわよ、私達は?」(パチッ)
う、うん。
恐ろしいかもしんない。
「つ、強いです、ねぇ……ははは」
というか3体1だったしね?
相手さんに同情したいよ。
「もうッ!大人しくなさいッ!」
「そうよ!副長、どうされます?」
「ご指示とお仕置き、お待ちしてます」
「グルァァッッ!?」
気付いたら相手さんは、3人に取り押さえられて、
必死にもがいていた。
3人に上に乗っかられてる状態だ。
「さて、どうしましょうかねぇ?
私達はこの先に用事があるのだけれど……
まだ少なくとも4人はいる訳でしょう?
アンタ達でもいないよりはマシだし、
かと言ってその人を放置は出来ないわ」
んー、たしかにそうだよね?
僕達は変な事件を終わらせる為に来たんだ。
先に行かないといけないけど、どうしよう?
〈...はぁ...ユウ、魔法は?...〉
「あっ!」
「どうしたの?ユウちゃん?」
忘れてた。
僕の魔法なら……?
〈...大丈夫...中くらい、だよ?...〉
そ、そうなんだ?
やっぱり何でも治せるんだね?
〈...『死』は...治せない...よ?...〉
あ、そ、それは……
うん、そう……だったね?
だから僕は僕の出来る事をするんだった。
「あ、あのッ!」
「ん?どうしたの?」
「その人、僕が、治しますッ‼」
「え?」
「は?」
「はぁ?」
「ありえないですよね?」
僕の言葉にみんなの顔はポカンとしていた。
普通はそうだよね?
僕も同じ気持ちだよ?
それでも僕はおかしくなった人?へと歩いていった。




