第88話 裏道の番人、ソウルキッス
目的地に向かう為に裏道に入ったユウとレイモンドだったが...
「ねぇ、ユウちゃん?
もしかして汚水浄化施設に行くの?」
汚水、浄化施設?
はて?そうなんでしょうか?
ルナ先生?
〈...多分あってる...名前までは知らないし...〉
あー、そうなんだね?
ルナ先生でも知らない事あったんだ?
「レイモンドさん、多分ソコだよ。
名前までは知らなかったけど」
うん、僕にはなんのこっちゃ?、だよ。
学校で習った様な気がするけど、
興味なかったから覚えてないや。
「あら、そう?
でも汲み水って言ってたけど、
なんで浄化施設なのかしら?」
ル、ルナ先生ーッ!?
なんでなのぉ?
〈...浄化した後の水に...流してる人がいる...〉
「じ、浄化した?後の?水に、えーと?
なにかを流してる人がいる?かも?みたい?」
「なんでそんなに疑問持ってるのよ?
まぁ、いいわ?可能性としては十分だものね。
盲点だったわ。
まさか浄化後すぐ、だとは……」
僕には難しいんですけど?
なんでその水に誰かが何かを入れてるのか、
なんでその水が異変を起こしてるのか?
理由が、分かんないです。
〈...じゃあ...教えてあげる...〉
そう言ってルナ先生は答えを教えてくれた。
………………へぇ?
………………うそ?
………………はい?
「ちょっと?どうしたの?
なんで空見上げて踊ってるのよ?」
「ふぇっ!?お、踊ってた?」
あれ、おかしいな?
ルナ先生の授業聞いてただけなのに。
いつ踊ってたんだろ?
でも、もう僕分かっちゃったもんね!
謎は全て解けた!
事件は解決だ!
〈...何か言う事は?...〉
ありがとうございます、ルナ様。
さすが先生でありますっ!
〈...当然...じゃあ、頑張って...〉
はいっ!
ルナ先生の名にかけてッ‼
「レイモンドさん、謎が解けましたっ!
犯人の目的も、何もか、も…」
え?
いつの間に……?
「ねぇ、アンタ達ぃ?こんなトコで何してんのぉ?」
「そうよ‼こんな場所でっ‼怪しいわねぇッ!?」
「その顔、その髪、綺麗だわね?妬ましい……ッ」
気付いたら、3人の化け物がいた。
あ、いや、えっと、人ならざる人?
女性服を着た男の人達?
どう表現したものか……
ただのオカマじゃないと思うんだよね。
キモ×キモ=怖い
「アンタぁ今、失礼なコト考えたわねぇ?」
え?なんで分かるの?
オカマの人ってなんか全員凄くない?
いろんな意味で。
「チョチョチョイ!?その顔、馬鹿にしてナイッ!?」
え?馬鹿になんかしてないけど?
オカマの人ってなんか全員鋭くない?
いろんな意味で。
「妬ましい…その顔、その髪、くれないかしら?」
え?嫌だ。
この人一番ヤバくない?
そのままの意味で。
「っはぁーーーーーっ」
あれ?レイモンドさん、どうしたんだろ?
すっごい溜息だったよ?
「お嬢ちゃん、子供だからってナメたらだめよぉ?
私達はこの通りの番人、」
なんか、ポーズを取り出したんだけど?
「ちょっぴり、ぽっちゃり、エンッ!
ちょっと、そこ邪魔よっ!?
エンジェルッ‼」
あー、ここの通りそんなに広くないからね。
小さい人とぶつかっちゃったね?
「チョッ、アンタ場所考えて動きなさいよッ!?
そんなとこいたら私の立ち位置狭いじゃないッ!?
っと、ゴホンッ、
小っちゃいからってナメないで、
ベルベットッ‼」
あー、真ん中陣取ってるエンジェルさんが邪魔なんだ?
壁側でポーズ決めてるけど、残念。
身体半分しか見えてないよ?
「妬ましい。
その髪、ちょーだいよーぉ?
私にちょーだいよーぉ?
ねぇーぇ?ねぇーぇ?」(ヘラヘラヘラッ)
こ、怖いッ!?
この人一番怖いよッ!?
なんで笑いながら僕を見てくるのッ!?
それに髪の毛髪の毛って……
……ハゲてるから?(っプッ)
「へぇーーーーーーーーーーーー?」(ニコニコッ)
「ピャッ!?」
ヤバいヤバいヤバいヤバい。
ダメだ、笑ったら魂持っていかれるッ‼
耐えろ耐えろ耐えろ耐えろーーーーーッ‼
「ちょっとッ!?
アンタ早く名乗りなさいよッ!?」
「そうよッ!?この態勢キツイんだからねッ!?」
「ラスト・キッス…………
みんな、死ねばいいのにぃ……
あはッ、あはッ」(ヘラヘラッ)
ら、ラスト・キッスぅ!?
この人、最後の、口づけ!?
「私達三位一体、ソウル・キッスッ‼
お酒に代わってぇ~お仕置きよぉッ!?」
「……っぷゥッ…ッ…ウゥッ…グッ……」
うぅ~ぅッ。
ダメだ、面白すぎるよこの人達。
耐えられないよぅ。
「ちょっと、アンタ達いい加減にしなさいよッ!?」
その声に辺りの空気は張り詰めた。
……レイモンドさん?
最近オカマ多くないかって?
仕方ないよ、お水の都なんだから、ね?(笑)




