第79話 今後の予定とエロゲイルさん
カインは元勇者だった。それを知っていたルナは今後の予定を話たが...
「くぅっ、はぁァっ~」
僕は侯爵さんの家で一夜を過ごした。
とってもいいベットで良く寝れたよ。
...このベット、欲しいなぁ。
ちなみに朝なのは分かるけど、
今何時か分からない。
早朝のような気はするけど、
他人の家で2度寝は良くないよね?
名残惜しいんだけど、
いつまでもぐぅたらしてたらダメだよね?
そう思って僕は身体を伸ばし終わった後、
嫌々ながらも起き上がって部屋を出た。
「はぁ、誰か案内してよぉ...」
寝ボケながらに見た廊下は広すぎた。
そして、相変わらず誰もいない。
また探索しないと、朝ごはんも食べれなさそうだよ。
僕は溜息を吐きつつ早朝の廊下をヒタヒタ歩いた。
~~~~~~~~~~~
「お、おはようございますぅ、やっと着いたぁ~」
僕は朝から頑張った。
凄い頑張ったんだよ?
寝起きでなんで迷路探索しないといけないんだよぉ。
1時間くらいは掛かったと思うんだけどぉ?
「おや?聖女様お早いお目覚めで。
おはようございます。
こんな早朝に起きるとは思いませんでしたので、
使用人のお迎えが間に合いませんでしたな。はっはっはっ」
侯爵さんは僕を見て愉快に笑っていた。
え?
もしかして部屋で待ってたら良かったの?
そしたらこんなに苦労しなくても?
「え、えぇぇぇっ?」
精神的ダメージが大きい。
ちゃんと教えといてよぉぉぉ。
「も、申し訳ありません聖女様!?
そんなに落ち込まれるとは...
私の不注意で、ご迷惑を!?」
落ち込んで床に四つん這いになった僕を侯爵さんが慰めてくれた。
いや、別に迷惑って程じゃないんだけどね?
早起きするもんじゃないのかもね?
「お、嬢ちゃん、あー、ユウか。
おはようさん。早ぇな、起きるの。
で、何やってんだ?」
後ろからカインさんが声を掛けてきた。
カインさんは今起きてきた様で、
首をコキコキ鳴らしながら僕の横を通り過ぎていく。
うぅぅ、構ってよぉ?
「お、おはようございます、カイン殿。」
「あぁ、おはようさん。
ところで何でユウはそこで落ち込んでんだ?」
はっ!?
カインさん、構ってくれるの?
「そ、それが、聖女様が早起き過ぎて、迎えが行く前に1人で迷いながらここまで来たようで...」
「ははっ、なんだソレ?
...あー、えっとな?聖女様は貴族扱いに慣れてないんだ。
お前らの当たり前をユウに求めんなよ?
まだ10歳だって事忘れてんじゃねぇか?
過保護くらいじゃねぇと。聖女様だしな?」
「はッ!?そうでしたな...
聖女様、すぐに使用人を付けますのでッ‼」
「い、いいよ、大丈夫だからっ」
僕はその場で手を振って断った。
だって、僕、庶民だからね。
使用人というか、付き人とか恐れ多いよ。
偉そうに人を使うとか出来ないし。
というか、僕そんなに子供じゃないからね!?
...10歳だけど、さぁ。
「別にどっちでもいいんだが、
アイツは帰ってきてないのか?」
アイツ?もしかして、アビゲイルさん?
〈...来るよ?...ホラ...〉
ガチャッ...
え?...あ。
「...ユ、ユウッ!?
帰ってきてたのかッ!?
良かった、良かったぞぉ...」
すんごいボロボロだ...
もしかして、一晩中、探してた?
僕を...?
「ご、ごめんなさいッ‼
僕のせいでアビゲイルさんに迷惑を...」
「ち、違うんだッ‼
私のせいで、私のせいでッ‼
すまなかったユウッ‼」
アビゲイルさん、すごい頭を下げてる。
別にアビゲイルさんが全部悪いとか言ってないんだけどなぁ?
その、ちょっと怖いとか、
いろいろあったんだけどね?
「アビー?おはようのハグ、しよ?」
僕は一回全部リセットしようと思った。
カインさんとの喧嘩も僕への、その、アレも。
皆と仲良くしたいしさ。
「ユウッ‼」
アビゲイルさんは僕へと抱き着いてきた。
ちょっと、半泣きだったのかグズグズ聞こえる。
顔は見えないけど、やっと元通りになれた気がする。
「あー、ユウ?
今後の予定なんだが、今のままでもいいか?」
「う~ん?いいですよ?」
「...スン、スン」
ん?アビゲイルさんからスンスン聞こえる。
顔は見えないけど、ちょっと元気取り戻せたかな?
「ゴルディも聞いてていいが、
朝食用意しといてくれないか?」
「ハッ。かしこまりました。
おいっ、朝食の準備を急げっ!」
侯爵さんはカインさんの言葉を聞いて使用人を呼び出してた。
そういえば、なんでカインさん侯爵さんに偉そうなの?
知り合いにしても明らかにカインさんの方が年下だよね?
んむぅ?分かんない。
まぁ、いっか。
大人の話は難しいからね?
「で、今からなんだが、水の都に行くことにする」
「え?カインさんの故郷はいいの?
僕的には妹に会えるかもしれないからいいけど」
「スン、スン、はあぁぁっ。スン、スン、はあぁぁっ」
ルナの知り合い?のあの人が言ってたしね。
早く行った方がいいって。
カインさんが行くって言いだすって事は、
ルナの説明にオッケーしたって事なのかな?
え、えっとぉ...
ちょ、ちょっとアビゲイルさん?
なんか吐息が胸に当たって...
「あぁ、昨日ルナと話して決めた事だ。
俺的にも収穫がありそうだしな?
だから今日、船で行こうと思う」
「アッ、そ、そうですかァんッ‼
ちょ、アビー?こちょぶったいよぉっ!?」
「はあぁっ、はあぁっ、ふへへぇっ、スン、スン」
ちょ、ちょ、ちょっとぉっ!?
アビゲイルさんッ!?やめてよぉっ!?
頭動かしたら、あ、当たるんだけどっ!?
「...ユウ?
あー、その、スマン。
ちょっと、待ってろ」
「ふぁっ、んっ、やめッ、アビーッ、だめぇッ」
「はぁぁぁッ‼ここかぁ?スン、スン、ふへへへぇ」
スパァァァァァンッ‼
「いい加減にしろッ‼
クソ変態オオカミッ‼
真面目な話してんだろうがッ‼」
カインさんが何処からかスリッパを取り出して、
アビゲイルさんの、
いや、エロゲイルさんの頭を引っ叩いてくれた。
た、助かったよ、カインさん。
その、あの、ちょっとあの時の感じが...あうぅっ。
というか、なんでカインさんちょっと腰が引けてんだろ?
「ぐうぅぅぅうッ!?害虫、お前、
...お、覚えてろよッ!?」
アビゲイルさんはいつもの喧嘩腰ではなかった。
ちゃんと反省してくれたみたい。
なら、今のは許してあげた方がいいのかな?
出来れば人前であんな事しないでよね?
あ、違うか。
もうしないでね?
朝から大変だったけど、僕達の日常が帰ってきた気がした。
...ってか、侯爵さんもなんで腰引けてんの?
新しい章に入ると、アビ、エロゲイルの出番が少なくなる事を宣言しておきます。
ちなみに、なんで10歳のユウがあんなに敏感になってしまったのか?
アノ時のヤク草媚薬が原因ですね。
いやぁ、薬は怖い。
皆さんは容量等気を付けて下さいね?




