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第74話 あの人は女の人だった

屋敷から飛び出したユウ。行く当てはないのだが...



 屋敷を飛び出してから僕は、

 商業地区にある露店通りを歩いていた。


「全く、あの2人はなんで顔を合わすたびに喧嘩するんだろ?」


 僕が見る限りでは必ず口論している。

 きっかけはいつも些細な事。

 最終的にいつも殺し合い寸前までいきそうになるんだ。

 僕が止めてやっと落ち着く、って感じ。


「今は仲間でしょ?...はぁ」


 なんで子供の僕が気苦労しないといけないんだろうね?

 溜息しか出ないよ、ホント。


 

 それにしても、僕を見る周囲の視線が気になる。



 気のせいじゃなかったら、みんな僕を見てる。

 露店の人も、通行人も、手や足を止めて見てる。

 なんでみんな僕を見てるの?

 

(僕、悪い事してないよ?

 もしかして僕の見た目が気になるのかな?

 全身真っ白だし、ね?)


 僕にはよく分からなかったけど、なんだか居心地悪い。

 これじゃあ気になって買い物どころじゃないよ。


 それにしても、みんな止まってるみたいに動かないなぁ?

 僕は頭を傾げて不思議に思った。

(なんかみんなでパントマイムしてるみたい?)


 声かけてみようかな?

 なんて思ってたら、逆に後ろから声を掛けられた。


「やぁ、久しぶり、だね?」

「にゃッ!?」


 みんな止まってて声かけられるとは思ってなかったからビックリした。

 思わず飛び上がってしまったよ。

 というか、久しぶりって?

 パツール村にいた人なのかな?

 って思いながら振り返って見たんだけど...


「ふぇっ!?え、えっと...はじめまして?」


 うん。知らない人。

 なんだか凄く眠そうな目をしてるけど、

 すっごい中性的で綺麗な人。

 凄くシンメトリーで左右がピッチリ対照的な見た目。

 服も髪もそうなんだけど、顔のホクロが特に印象的。

 頬と顎の下で3つの点を線で繋いだら綺麗な三角形が出来そう。

 

 あ、ちなみに胸の装甲が大きいから、女の人だよ?


「あれ?まだ、だったかな?」


 まだ、って何?

 この人、何が言いたいんだろう?


「いいよ?気にしないで?」


 あれ?

 僕この人知ってるかもしれない。

 んー?でも、初めて見る人なんだけどな?


「ルナは元気かな?...へー、そう、頑張ってね?」


 え?なんで僕を見て言ってるの?

 ん?というか...ルナを知ってるの?

 もしかして...?

〈...そう...この人が...あの人...〉


「えッ!?僕の事情を知ってる人!?」


「そうだねぇ?知ってるっちゃあ、知ってるかもね?」


 この人が、答えを知ってる人なんだ...

 僕のこの身体の理由を知ってる人...


「残念だけど、今はまだ時ではない、かなぁ?」


「えッ?時、ではない?」


 時ではないって、今じゃないって事だよね?


「そうだねぇ?今じゃないねぇ?」


「ッ!?心の声が分かるのッ!?」


「そうだねぇ?聞こえるねぇ?」


 それってルナみたいな...?

 って事はこの人もセイレイ?なのかな?


「フフ、違うよ?私は...そうだねぇ?

 特殊な人ってとこかな?」


 特殊、な人?

〈...まぁ...特殊でもあり、特別...〉


「ルナの言う通りかな?

 明るいうちは何でも知ってるからねぇ?」


 ど、どういう事?

 何でも知ってるって?


「じゃあ、君に少しだけ教えてあげるね?

1、ルナは君であり、君はルナである。

2、シロツキはクロツキ、クロツキはシロツキである。

3、月と太陽はね、離れているけど仲良しなんだ。

 特に君とルナは私と仲良しだよ?

 妹ちゃんは...なかなか、ねぇ?

以上。君に分かるかな?」


「わ、分かりません。何が、なんだか?」


「だろうね?だから、時じゃないって事だよ?」


「このナゾナゾが分かるまで正解は教えてくれないって事?」


「あ~、そうだね?ナゾナゾかもね?フフフ」


 笑った顔は、なんだかお母さんみたいだった。

 顔は違うハズなんだけどね。


「お母さんじゃないよ?フフフ。

 じゃあ、また今度会いましょう?」


「え?もうどこかへ行っちゃうんですか!?」


 女の人は背中を見せて歩き出したが、数歩進んで止まった。


「そうそう、君は今から水の都へ行かなければならないかな?

 妹に会いたいなら、尚更ね?じゃあね?」


 おもむろに女性は腕を上げて、指を鳴らした。



 パチンッ



 ザワザワ......

 ガヤガヤ......


 途端に騒音が聞こえだした。

 まるで止まった時が動き出したかのようだった。


 あ、あれ、さっきの人はッ!?

 いなくなっちゃった?


 気付いた時には女の人は消えていた。

 代わりに止まってた人が集まってきた。


「せ、聖女様ですよねッ!?」

「せ、聖女様ぁッ‼俺、命救われましたッ‼」

「聖女様っ‼私、動かなかった足が動くようになったのッ‼」

「「「「聖女様、聖女様ッ‼」」」」


 な、なんなのッ!?

 みんな一斉に僕の方に群がったきたッ!?


「ぼ、僕は聖女じゃないですーーーーッ‼」


 結局買い物どころではなくなったよ。

 僕は走って逃げるしかなくなったからね。


   

 

 1日くらいゆっくりさせてよーーーッ!?

 お昼ご飯もまだなのに...

 



皆さん面白いでしょうか?

僕には分からなくなってきました(笑)

面白いと思って書いてますけどね?

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