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第53話 地下と媚薬



 ~とある地下~


「こ、こ……は? あれ? ……んっ! んっ!」


 暗くてココが何処か全然分からない。それに身体が思うように動かせない。あれ? 身体が、動かせない? ん? ……ぅえッ!? 


 腕が後ろに回されて何かに縛られているみたいで動かせない。足も両足を縛られてるみたいで動かせない。ほっぺが冷たいけど、ここ地面? 僕、動けないけど? ……何でぇ?


 どうやら僕は暗いどこかの地面に寝かされて、何かで縛られてるみたい? あれ? 何で? 僕は……どうしたっけ?


 僕が何で手足を縛られて寝てるのか思い出せない。というか、何でこうなってるのかが分からない。それより……


 身体が、なんだか、()()? 全身ポカポカって感じじゃないんだよね? なんか胸の先っちょと下半身? ……が特に熱い? 何これ? ちょっと嫌な感じ。うぅぅ? ムズムズするぅ。僕はこの感覚が嫌でモジモジしてしまう。


「はぁうッ!? あぅぅ? はぁんっ……ふぇっ?」


 何コレ何コレ、何コレぇっ!? 動く程、ヤバいんだけどぉっ!?


 動く度、身体に何かが当たる度に()()()()()()()()()()変な声が出てしまう。そしてムズムズは消えるどころか、どんどん強くなってくる。ムズムズがぁっんっ、消えなひぃんッ、んですけどぉっ!?


 僕はムズムズが怖くて動けなくなってしまった。このムズムズはぁんっ、き、きっと、病気だ!


 僕はムズムズの事をこの世界の何かの病気だと思った。地球にいた『男』の頃にはこんな事無かったから。だから怖くて動けなくなったんだけど……


「はぁっ、はぁぅんっ、はぁっ、はぁっ……」


 呼吸が乱れて、顔が熱くなって、次第に視界がボヤけてきた。そして、不思議な()()を覚えた。ぅんっ、はぁっ。なんか、嫌いじゃ、ない、のかも?


 僕は段々とムズムズを受け入れてきていた。頭がポワポワしているせいだと思ってはいても、身体が求め始めていた。ダメダメダメッ‼ 動いちゃ、ダメぇ、はぅっうぅぅ。


 僕にとっては未知の不快感だった。イヤなのに、心のどこかでイヤではなかった。怖いのに、身体が未知を求めていた。




 キィィィッ



 そんな僕の目の前に光が差し込んできた。暗くて見えなかったけど、扉を開いたようだった。光を背に誰かが僕に近付いてくる。


「あららららぅん? 色っぽい天使ちゃんを見つけたのぅん?」


 僕の視界には小太りの商人っぽい人が見えた。光のせいで顔は分からないけど。しゃがみながら僕の顔を覗き込んで、満足げに手を叩いた。


「ブラーボーぅん。素ん晴らしいぃ商品だのぅん。どこでコレをぅん?」


 どうやらもう1人いるみたいだったけど、僕には見えなかった。


「ゴルディ侯爵の屋敷だ。俺達の計画の一端だったのだが、あまりにも目を引く容姿だったからな。お前に売ってやる。その代わりに分かってるだろうな?」


「もちろぅん。私があの方に気に入られる最高の品を提供していただいたんでぇ、何でもぅん」


 はぁはぁっゴルディ侯爵ってぇ、あの人? 計、画? あの方? 商、品? 僕には分からない内容の話をしていた。うつろな目で商人の方を見ていたら、不意に目が合った気がする。


「おやおやおやーぅん? 天使ちゃん、いい顔してますねーぅん? 気持ちいいんですぅ? 感じてるんですぅ? 逃げる気力もないでしょぅん? でも、逃げれますぅえん。だって私の大事な商品なんですからねぇん?」


「お前が『()()()()()に吸わせとけ』と言ったんだろう? はぁ。」


「いい女を見つけたって言うから逃げない様にしてもらわないとねぇん?」


 話ながら小太りな商人っぽい人は手を伸ばしてきた。僕の下半身へと。

そして人差し指で()()()()を服越しに()()()()瞬間、


「ッ!? んあああぁぁっっ、アッアッ、ダメっ‼ 、それっ! ダメぇッッ!?」


「感度バッツグぅんじゃないですぅか。ちょーっと触れただけでこの反応、ゾクゾクしますねぇん? まぁ、ヤク草を素に作った媚薬のおかげですけどぉん? 私の奴隷じゃなくて残念な気はしますが、初モノはあの方への献上なのでねぇん。よかったですねぇん?」


「……はぁ。勝手にしろ。金と例の件は分かってんだろうな?」


「フォフォフォフォフォぅん。もちろぅん。お嬢ちゃんも安心してくださいねぇん? 下着は濡れちゃいましたが、ちゃんと新品に変えますし、もう私達は手を出しませんからねぇん? 大事な商品を守るのも私の役目、なのでねぇん?」


「はぅん、はぁっはぁっ……」


 僕は頭がボヤけたまま、全身を赤く火照らせ、ただただ見ている事しか出来なかった。



 何も考えれなかった。何も分からなかった。ただ疼く身体を必死に抑えながら助けが来ることを祈るしか出来なかったんだ。



 

 

 

  

 

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