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第100話 外に出よう



 それは、とある『権力者』の企みだったとか。

 その『権力者』は下町付近に【とある草】を粉にしたモノをばら蒔けとこの場所へ女の子を軟禁したらしい。

 それで女の子は訳が分からないままやらされていたんだけど、全ての【粉】をばら蒔き終わったら解放してもらえると言われて頑張っていたとか。本当に解放したのかどうかは分からないけど。



 むぅ~、どうやら真犯人はここにはいないらしい。だけど解決には近付いたと思う。後は誰が指示を出したか、なんだけど……


「私ね、見たの!フード被ってたから顔までは分かんないけど……でもね、ローブの下の服が、大教会の修道服の裾がチラっと見えたの!だからきっと……」


「……大教会?……何故?しかしそれが本当なら?……」


 レイモンドさんは顎に手を当てて考えていた。


 僕は教会の事はよく知らない。前の世界の教会と同じだとしても「迷える子羊よ~」くらいしか分からない。そんな人達が普段何をしているかとか今まで考えた事なんてなかったし。でもやってた事が良くないのは分かる。犯人が分かっててやったのか、なんでこんな事し始めたのか僕には目的が全く分からなかった。


 僕も自然と顎に手を当てて考えていた。


「目的は分からないけど解決には近付いたわ。ありがとう」(ニコッ)


 レイモンドさんは優しい微笑みで女の子に答えた。


「あ、いえ、私の方こそありがとうございましたッ!助けて貰えなかったら--」


「全てはこの真っ白で可愛い聖女様のおかげよ?私達はただの付き添いだもの」


「ふぇえッ!?ぼ、僕はただ解決する為に--」


「流石は聖女様ッ!その謙虚なお姿……素敵ですッ‼」


 あー、うん、何言ってもダメそう。なんか何言っても流石聖女様ってなりそうな雰囲気だよ、コレ。


「あは、ははは」


 もう笑うしかない。うん、多分笑っとけばどうにかなる。笑顔が一番、これ常識。


 愛想笑い程度だけど僕は女の子へ微笑んどいた。ここで聖女だなんだ言った所で外に出たら会う事はもうないだろうしね?話を合わせとくってのは妹相手に学んだ僕の知恵だ。女の子は新しい事に敏感なだけだからさ?きっとすぐ忘れてくれるでしょ。


「は、はわわぁ~」

(か、可愛くて本当に素敵な聖女様ッ!それに奇跡を起こす『力』を持っているというのに見せびらかせたり偉そうにしない!?私と同じくらいの子なのになんて神々しい……孤児院のアイツらとは大違いだわ。それにしてもこの聖女様は聖女なんかじゃないって言ってた気がしたけど、もしかして……もっと上の存在だった?ほ、ホントは女神様だったり?だったら私、神様に助けられた?私の命って女神さまにとっては必要なモノだった?え、どどどどうしよう?私どうしたらいいんだろう?何も返せるモノないよッ!?)ぶつぶつ。


 ん?どうしたんだろ?なんか女の子がぶつぶつ言ってるけど?それになにか焦ってるような?……あー、そっか!僕にお願いしてたんだっけ?きっとケガか病気を治療して欲しいんだよね?急いでるなら言ってくれればいいのに。


「僕へのお願いって何かな?」(ニコッ)


 言いやすいように優しく聞いてみたつもりだったんだけど……


「はッ!?……はぅぅッ……か、返せるモノは私の身体くらいしか、ありませんッ‼」


「……ほぇ?」


 僕は予想外の返答に思わず口をポカンと広げたまま間の抜けた返事をしてしまった。


 そ、そういうのは、まだ早いんじゃないかなって思う。それに見返りは求めてないし。一体何をどう考えたらそういう答えになるんだろうか?僕にはちょっと分かんない。


「んー、ゴッホン。女の子が簡単に身体を差し出すべきじゃないわよ?勘違いしてる様だから言っとくけど見返りはいいから。とりあえずこの場はこの3人に任せるから私達は一旦外に出ましょう?……アンタ達は調査とソイツの監視、聴取頼んだわよ?」


「か、勘違い?」

「はい、分かりました」


 女の子は顔を赤くして俯いていた。うん、誰だって勘違いはするもんだよね?だから僕は気にしない様にしとくからね?何も聞いてない事にしとくから。


「はい、やっときまーすぅ」

「了解です、副長ッ!」

「そろそろシバかれたくなってきました」


 3人は指示に頷いて答えていた。だけど、1人おかしくなってきている気がする。僕は気にしない様にしとくからね?甘えた顔で僕達を見るのはやめて欲しい。普通に気持ち悪いよ?



 そして僕達は別れ、外へと向かって歩き出した。水の異変は止めれたけど解決はしたわけじゃない。まだ町の異変は変わったわけでもないし。犯人を早く捕まえて、早く本物の聖女様に会わないといけないんだ。


 魔族の襲来、災厄を知らせるために。




おかげさまで100話到達しました。

僕自身が全然表現に納得いってない部分が多いですが、見ていただきありがとうございます。


……本当にありがとうございます。

更新は不定期ですが、今後も面白くなくても続ける所存でありますッ‼

ウソだよッ‼面白くなるように頑張るよッ‼(;・∀・)

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