その6
一方城では……
「オルガルト国王さま!!一刻も早くお逃げください‼︎ 」
「そんなことわかっておる!くっ……暗黒教め‼︎ 」
オルガルト王は自分の死を悟っていた。
「しかし…なんじゃ…なぜ暗黒教が当然こんなにも現れるのだ…誰かが…既に…裏切り者がいるはずだ‼︎ どいつじゃ‼︎」
「うわぁぁーぐぁっ」
多くの騎士が何者かに殺されて吹っ飛ばされた。
「ふふふふ…愚かなオルガルト王よ。追い詰めたぞ。」
「き、貴様‼︎ な……なぜだ…」
オルガルト王の前に現れたのは…大臣クリストフだった。
「ク…クリストフ…なぜお前が…」
「ふふふ間抜けが昨日の勝利宣言パーティーは楽しかったかい?私は暗黒教大司教フランスだ‼︎ お前の知ってるクリストフではない。お前はここで死ぬ。既に手遅れだ。」
「な、なんじゃと…お前は沢山の兵士を送って暗黒教を阻止しに行ったのではないのか⁉︎ 送った兵士はどうなったんじゃ? まさか王都アルバルスは⁉︎」
「ふははははは‼︎ 送った兵士なんて全員我ら暗黒教によって抹殺されたに決まってるじゃないか‼︎ アルバルス⁇ あーこの街か笑 もう遅いよ。今頃街の住民はズタズタに殺されているだろうな。ふははは‼︎」
大司教フランシスは満面の笑顔で笑った。既にスイス王国は大司教フランシスによって密かに作戦が進んでいたのである。
「ふふふ…さてと…まずはお前から殺そう。貴様らルイス家の血はここで根絶やしにしてやる‼︎ まぁ…かつての英雄である貴様も今では老ぼれで手も足もでまい。数十年前の戦争で貴様は活躍したらしいがな。貴様の実力とやらを見てみたい者だ。死にたくなかったら私を倒すのだな。来いよ。間抜けな国王。」
「っつ‼︎ クリストフ…いや…裏切り者が‼︎ かつての実力がなくてもわしを舐めるなよぉぉぉ‼︎」
オルガルト王は腰に付けていた剣を切り出した。
「ほう!戦う気になったか! ならば楽しませてもらおうじゃないか‼︎」
フランシスは飛びかかった。
カキーン‼︎ 二人の剣はぶつかり合う。
「ふん。老ぼれにしては少しはやるようだな。まぁ…さすが英雄と言ったところか。でもガッカリだよ。思ったより弱いな。貴様の全盛期でも余裕かな。」
「うるさい‼︎ 黙っとれ‼︎ うおぉぉ‼︎」
オルガルト王は突っ込んでいく。しかし…あさっりと避けられた。
「まぁ…残念ながら大したことなかったようだな。さらばだ。オルガルト国王。」
「くっ……たとえわしが死んでもこの王国は滅ばん‼︎ きさらま暗黒…」
グサッ。
フランシスはオルガルトの首の後ろから剣を下ろした。
「最後まで何か言ってたようだな。ふふふ。英雄にしてはあっけない最期だっな。さてと。まだこいつのクソガキがどこかにいるはずだ。ルイス家をここで壊滅させればならん。」
フランシスはそう言って。ミアを探しに回るのだった。