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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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みんな集まったなら

「さて、みんな集まったかね?」

 フラワードのとある家に呼ばれたノエル達。フラワードの人達数人も呼ばれ、広めのリビングらしき場所に全員集まり、部屋が狭く感じる

「ここにいる者は、昔このフラワードに住んでいた者達だ。まあ、昔の事は本部が調べ尽くしているだろう。真新しい情報は手に入らんとは思うがの……」


「その隣にいる子は……」

 ずっとクリルから離れないノエルに、村の人が老人に問う

「……アゼルの子息だそうだ」

 ざわつき始めるフラワードの人達。そんな中、無言でノエルの方へと近づこうとする若い男性が一人

「お、おい……」

 止められても構わず目先はノエルを見ている。動けずにいるノエルを守ろうと、バルバとダングがノエル、クリルの前に立ち、男性と睨み合う

「手荒な事はご遠慮願おう」

 バルバの声に静まり返る部屋。しばらくすると、コホンと咳払いの音が聞こえて、老人が話し始める

「退かれよ。その子には罪も何もなかろう」

 他のフラワード人達にも諭され戻る男性。その戻る姿を見届けて、バルバとダングは二人の前に座り込む


「では、何を聞きたいのかね?」

 老人は村の人達が落ち着かせ、クリルとノエルが、お互い顔を見合わせると不安顔のまま、話し合いが進んでいく

「リック・バータナ、カナメ・バータナの居場所は?」

「分からぬ。もう数年ここに来ていないだろうし、会ってもいないな」

 バルバの質問に答えていく村の老人。質問内容に、クリルが歯を食い縛り、村の人達を見ないように顔を背けていく

「では、アゼル・ライムは?」

「同じく、事件の調査後から見てはいないな」

 前と変わらない答え、進展の無さそうな雰囲気を感じながらも、記録を取るダング。その間、静かになる部屋。誰も話す事なくバルバからの次の質問を待っている


「あの……。もし、メイナと一緒にここに帰ってくるのは……」

 沈黙の中、クリルが話し始めると、一斉にクリルの方を向く。一人微笑む老人が優しい声で質問に答える

「大歓迎だ。いつでもおいで。アゼルの子もここに住むと良い。本来のフラワードにはまだ遠いが、成長していく花達を見ていくといい」

 答えを聞いてちょっとホッとするクリルと、ちょっと戸惑うノエル。

「では、私達も話を聞きたいのですが、宜しいですか?」

「わかりました。では、二人は、少し席をはずしても良いかね?」

 そう話す老人の目線はクリルとノエル。それに気づいた二人は何も言わず、立ち上がり部屋を出ようとすると

「待て、一緒に出ようか……」

 二人を見てダングが共に席を立つ。記帳用の資料等をバルバに渡して、三人部屋を出ようとしたとき、心配そうにノエルがバルバを見た。気づいたバルバがノエルに微笑む

「大丈夫だよ。なるべく早く終わるようにするから待っててくれ」

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