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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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懐かしい目覚めの歌

 もうすぐ午後(ラクト)12時過ぎようかという頃、メイナのベットで寝ていたカリア。寝返りをうつと、誰かがいる気配を感じて、うっすら目をあける

「……リエルちゃん?」

 布団の中に隠れていたリエルが、名前を呼ばれて顔を出す

「えへへ。メイナがいないから、独り占め」

 カリアの右隣に移動して、顔を見合わせる二人。カリアがリエルの頭を撫でて、一緒に眠ろうとしても、じーっとリエルがカリアを見つめている

「ねぇ、カリアさん」

「……なに?」

 頭を撫でて返事を返すカリア。見つめたまま何か考えているのか、しばらく黙っていたリエル

「お母さんの妹なの?」

「えっ……えっと……」

 リエルからの質問に、答えられずどうしようか悩んでいると、リエルがもぞもぞと動いてカリアの背中に乗りだす

「お兄ちゃんと、ずっと似てるねって話してたんだ。それとも、お姉ちゃん?」

 背中に乗ったまま、カリアの髪の毛を触って遊びながら聞いてくるリエルに、降りるように諭しながら観念して質問に答える

「妹よ。あなた達の叔母さんになるかな?」

 ぎゅっとカリアを抱きしめて、嬉しそうなリエル。でも、すぐに寂しそうな表情になる

「お母さんに会えなくて、寂しい?」

 今度はカリアが、リエルを強く抱きしめて、

「大丈夫。二人に会えたから。もちろんメイナちゃんやクリル君も……」



 ほぼ同じ頃、ノエルも目が覚めていて、鼻唄を歌いながら着替えていた

「懐かしい歌だね……」

 クリルのベットで寝ていたが、ノエルの鼻唄で目が覚めたカノン。懐かしい歌に聞き入っていた様子

「やっぱり君達は二人の子供なんだね。今更ながら不思議だ」

「この歌を知っているんですか?」

 初めて歌う歌を知っているような様子に、驚くノエル

「ああ、小さい頃から歌っていたよ。幸せになることを願って……」

「子供の頃、僕らはいつも喧嘩しててね。12時過ぎたら違う時間の相手に向かったりね。特に、僕とアゼルは同じ午後(ライト)だったから、毎日意味なく大喧嘩していたよ。その時に仲直りしてほしいって、みんなの前でよく歌っていたよ」

「へぇ……」

 知らなかったみんなの思い出を聞けて嬉しそうなノエルと、急に昔を思い出して、なんだか照れてるカノン。その後も、クリルのベットに座って思い出話しが弾む

「さて、と……」

 一通り話し終えて、また布団に入って寝る体制に入っていく

「えっ?寝るんですか?」 

「うん、みんなもまだ寝てるだろうからねー。もし来てたら、ちょっと言い訳しておいてくれる?」

 話しているそばから、布団に負けてもう眠そう。仕方なしに、一人部屋を出ていく。その後ろ姿を見ながら、カノンが声をかける

「じゃあ、おやすみ。バルバには、今日は休日というとこにしておいてねー!」

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