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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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良い日の素敵な情報と訪問者

「今日は良い日だな……」

 メイナとクリルが戦っている頃。一人、のんびりと珈琲を嗜んでいると、コンコンと玄関から聞こえてくる

「開いている。勝手に入れ」

 声に反応して、玄関の扉が開くと朝に似合わない暗い雰囲気の男性が、音もなく入ってきた

「……久しいな」

 

「ほう、珍しい客人で」

 現れたのは、ノエル達が学園で出会い、存在感でちょっと怯えていたラック。予想外の訪問者に驚いている間に、部屋にあるイスに、疲れた様子で深く座り込む

「アイツは寝ているのか?」

 本があちらこちらに積まれている所で、布団も引かず寝ている姿を呆れながら見ていると

「さっきまで、楽しそうに色々調べていたからな。二日は起きないんじゃないか?」

 ラックに珈琲を渡して、すぐ側にあるイスに座り、互い無言のまま、珈琲を飲んで一息つく

「どうかね、その調べ物というのは」

「まあ、ボチボチ。順調ではあるかな」

 一人、先に飲みほした珈琲を足しにキッチンの方へ。半分まで飲んでいたラックのコップも勝手に取って継ぎ足していく。手持ち無沙汰になったラックは近くにある本を読み出す

「世間話をしに来た訳じゃないだろう?」

「……たまには良いのでは?」

 コップを渡しながらイスに戻り、二人の会話がまた弾む


「ときに、お前達の子供らが、学園に入学するそうだが」

「……ほう」

 ラックからの予想外の報告に、口元が緩む

「まあ、嫌がっても保護の為と、お前達のせいで強制的だろうがな」

「……いつから?」

「あの子達次第だな」

 久々の子供達の情報に、嬉しさで言葉がつまる。父親らしい反応に、ふっ。と隣でラックが笑う

「……素敵な情報をありがとう」

 そうラックに伝え、珈琲を一口飲んで気持ちを落ち着かせようとしても、嬉しさでまた頬が緩む。

 その後は、本部や学園などの話しで二人盛り上がる

。その隣では話し声に気づかないで、ひたすら寝ている姿もある


「さて、そろそろ帰ろうか」

 まだまだ、起きない様子にラックが帰る準備を始める

「もう帰るのか?起きるまで待たないのか?」

 久々の訪問のわりには短い滞在時間に惜しんでいると、ラックがちらりと寝ている姿をみて、ため息をついた

「あいつが起きると騒がしからな。気分が悪くなる前に、失礼するよ」

 そう言って小屋を出ようとするラックに、笑いながら見送る

「それはそうだな。でも今度は起きているときに来てくれよ」

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