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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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早起きと布団の温もり

 夜が明けて、午前(レクト)6時。久々に早起きをしたクリル。まだ寝ているノエルを起こさないように、部屋を出ようとしていると突然、部屋の扉が開いた


「おはよう、もう起きたの?」

 ちょっと疲れてフラフラなカノンが、勝手に部屋に入ってきた

「カノンさん、なんでここに?」

 驚くクリルの横を通りすぎ一直線に、クリルのベットに向かって、そのまま倒れこんで、布団に潜り込む

「なんでって眠りに来たよー」

 布団の温もりに負けそうになりながら、何とかクリルとの会話をしている。だが目は閉じたまま、今にも眠りそう 

「先に起きたところ悪いけど、みんなさっきまで仕事していたから、二人と練習は出来ないよ」

 段々声が小さくなりながら何とか伝えて、もう気持ちは夢の中

「カリアさんとダングさんも?」

 カノンに話しかけても返事がない。来て数分もたたない内に眠ってしまった様子。ノエルも起きず、寝床を奪われたクリルは、仕方なしに二人を起こさないように、本部の方へと向かう



「どうするか……」

 独り言を呟きながら本部へ着いて、回りを見渡してみても、誰も見当たらない。玄関近くのソファーに一人、誰か来るかと待ってみても、バルバやダングも来ないまま、時間が過ぎていく。待ちぼうけに飽きたクリルは、魔術練習ができる練習場へと向かってく


 ここも誰もいない広い練習場で、久しぶりに一人で練習をしていると、周りから本部の午前(レクト)の人達が練習しているような音や声が聞こえてくる。しばらく練習をして、床や壁をボロボロにした頃、ちょっと疲れて、入り口側に座り込む


「なぁ、どう思う?どうする?メイナ」

 いつから居たのか、メイナが隠れるように入り口近くで見ていた様子。クリルに名前を呼ばれて、急ぐように駆け寄って隣に座る。しばらくぼーっと、話すこともなく二人座って、また静かな時間が過ぎていく


「メイナ、フラワードに行くか?ここに残る?それとも、ドーケムに……」

 クリルが話し始めて、ぎゅっとリーリルを強く抱きしめる

「リエルとカリアさんと一緒にいたい」

「……そうだよな。それがいい」


「お兄ちゃんは?」

「もう一度、フラワードに行くよ」

 先日のフラワードの人々の事を思い出して不安そうにクリルを見る。メイナの視線に気づいて、なぜかリーリルの頬をちょっと触り始める

「大丈夫だ。バルバさん達も一緒だし、話を聞きに行くだけだから。すぐ帰ってくるよ」

「……うん」

 また話が止まり静かになる。本部の人達の練習も終わったのか、練習場の回りも静かになっている


「それよりメイナ、久しぶりに練習しようか」

 クリルの提案を聞いたメイナ。突然立ち上がり、リーリルをポンッと天井に向かって投げると、巨大化するリーリル。右肩に飛び乗ったと思えばクリルに向かってリーリルが殴りかかっていく

「手加減なんてしないよ?」

 特許のリーリルからの攻撃に、間一髪逃げれたクリル。久々のメイナとの対決に笑顔になる

「望むところだ。メイナ、リーリル」

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