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テストは大変

「意味がわからん!」


 叫ぶクリルの手元には、簡単な計算式のテスト用紙が置かれている


「お兄ちゃん、わかんないの?」

 メイナも同じ内容のテストを受けているが、とっくに全問書き終えている

「教えてあげる」

 クリルのテスト用紙を取り見てみると、答えが一問も解かれていない

「こらこら、ダメです。テストの意味がないです」

 メイナから、テスト用紙を取り上げ、クリルに戻すバルバ大佐

 戻す際に見えた何も書かれていないテストに、さすがに苦笑いをする

「あ、そっか。お兄ちゃん頑張って!」

 呑気に応援するメイナに対し、解らないテストに段々と苛立っていくクリル

「もー!わからん!」




 一方その頃、実技テストになったライム兄妹は、カノン隊長と共に、境界線本部から少し離れた魔術が使える建物へと、移動していた


「うーん、どうしましょうか?」

 テストの内容に悩むカノン隊長

不安そうに見つめるノエルとリエル

「君達の、魔法のタイプは?」


「僕は攻撃型かなぁ?」

「私は回復と思います」


 二人の魔法のタイプを聞き、考えた結果

「わかりました。じゃあ……」

 なぜか、少しずつ自分自身の魔力を高めていくカノン

「私と戦いましょうか」

 ニッコリ笑うカノン隊長

「ご遠慮なさらずに……」

 その笑顔に怯えるリエルと、戸惑うノエル

「えっ?でも……」

 二人が、ためらっている間も、カノン隊長の魔力を高まっていく

「君達が来ないなら、私からいきますよ!」




「し、死ぬかと思った……」

 テストを終えたクリル

ぐったりと本部の廊下を歩いている

「お兄ちゃん、頭悪いね」

 あっけらかんと一緒に歩くメイナ

「仕方ないだろう、勉強してないんだから」

 

「私でもわかる問題だったのに……」

 

「うるさいな!」


「あっ!リエル」

 二人の前に、ノエルとリエルが暗い雰囲気で現れた

「メイナ……」

 凄く低い声のリエル

「なんか……あいつらヤバそう」


「つ、疲れた……」

 クリルと、メイナの元につくと座り込む二人

「カノンさん容赦ないよ、大人げない」

 二人の後ろを付いてきていたカノン隊長

疲れも見せず、ニコニコとしている

「手加減無用と言いませんでしたか?」


「そうだけど……」

 カノン隊長と、ノエル達の疲れの差に、ちょっと引き気味になるクリルとメイナ


 廊下の真ん中で話し込む五人

 ちょうど、兄妹二人組を探していたカリアが、話しかけてきた

「お疲れさまです、みなさん。おやつ用意できましたよ」

 その声にすぐさま反応したのは、妹二人

「「パフェですか?!」」

 二人の声がキレイにハモり、廊下中に響き渡る

「ええ、パフェですよ」

「行こう!今すぐ!!」

 カリアの手を引っ張ると、廊下を走り消えていった

「すげぇ、一気に元気になってる……」

 さっきまでの雰囲気と急に変わり、更に疲れてく兄二人

 そんな兄二人に優しく声をかけるのは、ご機嫌なカノン隊長

「さあ、お二人も行きましょう。愚痴はあとで聞きますから」

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