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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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89/132

怒っていたって、始まらない

「ドーケムはどうでしたか?」

 ノエル達と別れて事務室で、カリアから話を聞こうとしているカノン。口調は誰が聞いても怒っている

「おー、怖い。怒ってる」

 仕事の資料を読みながら、隣でうるさい二人に、からかうダングと、見て見ぬふりで、座って様子をうかがいながら、仕事をこなすバルバがいた

「怒っていません。聞いているのです」

 カノンの怒りの矛先はダングになって、急に二人で口喧嘩が始まった。騒がしい事務室の中でも、二人の声が響いても、誰も二人を見もしない。

「ドーケムは、リエルちゃんの家を見て、すぐに帰ったので、町並みなどはあまり見てはいませんが……」

 か細い声で質問に答えるカリア。その答えを聞いて、ふぅ。とため息をつく


「だから、その家の事を聞いているのですが……」

 まだ怒っている様子を感じる言葉に、ちょっと怯えつつ、ノエル達の家の様子を思い出しながら伝える

「マリヤの写真が飾られていました。アゼルの写真や荷物などは見当たらず……。書斎も見ましたが、行方に繋がりそうな物などは、見つけられませんでした」


「結局、何も分からず。ですか」

 はあ。とまたため息をつく。隣で聞いていたバルバも、ため息をつく

「アゼルの家には誰が行こうか……」

「僕とバルバで行こう。明日辺りすぐ行こう!」

 カリアへの怒りもバルバの話でどっかに消えて、明日の予定を、話し始める

「すぐか?」

「リエルちゃんが言っていた不審な男性の件も気になるし。やっぱりダングも一緒に……」

 あたふたと、ノエルのお家に行きたい気持ちが落ち着かないまま、話を進めようとするカノンと、その隣では、どうしようかとバルバが考え込んでいる

「いや待て、フラワードの件もある。隊員も集めてどうするか、また話し合おう。とりあえず、カリアは勝手に行ったことの始末書を、カノンはとりあえず落ち着け。ダングの仕事でも手伝ってやれ」


 バルバの話を聞いて嫌そうな顔のダング。手伝いたくないカノンも嫌そうな顔。カリアも始末書にちょっと嫌そうな顔で、三人ともバルバから目線を合わせないようにしている

「……分かったか?」

 今度はバルバが怒りそうな雰囲気になって、四人の雰囲気が、ちょっと悪くなっていく。ふてくされぎみなのカノンが、また、はぁ。とため息をついて、ダングの資料を奪い取る


「分かりましたよ。ごめんなさい」

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