同じ月を見ていても
「寝てしまった……」
夜中、目が覚めたカノン。ノエルのベットを占領していたことに気づいて焦りだす。電気の付いたままのノエル達の部屋で、一人あたふたしていると隣のクリルのベットに、二人で寝ているのを見て、静かに起こさないように、部屋を出ていった
「バルバ、おはよう」
事務室に戻ったカノン。ガヤガヤ騒がしい事務室に、眠そうな顔をしているバルバを見つけた
「見ないと思っていたら、寝てたのか」
眠くてちょっと機嫌の悪いバルバ。寝起きっぽいカノンを見て、少し怒っている
「二人の部屋で寝ちゃってたよ」
バルバの怒りを誤魔化すように笑いながら隣に座るカノン
「そうか。では、これを頼むな」
バルバの机に積まれた資料や本などを、カノンに渡す
「自分も帰って休む。少しでいいから進めといてくれ」
急いで帰る準備を始めるバルバ。それを横目に、沢山の資料を手に取るカノン
「はいはい。ところで、ダングはどこ行ったの?」
「とっくに休んでいるよ。じゃあな、おやすみ」
そそくさと、事務室から出ていくバルバ。残されたカノンは、座って早々ふう。とため息をつく
「フラワードねぇ……」
昼間のまだ書きかけの調査報告と、昔の報告書に目を通す。昔の報告書に事件後、調査隊員として、アゼルの名前が載っている
「調べていただけじゃなく、事件の後に行っていたのか……」
「満月……」
気分転換にと、本部の外に出たカノン。建物の中と違い静かな雰囲気。晴れた空には満月と星がよく見える
「アゼルは今、何をしているんだかな……」
空を見上げ、一人呟いていると
「楽しく過ごしているんじゃないですか?」
どこからか聞こえてきた声の主は、一人のカノンを見て、笑っているカリアがこちらへと歩いてくる
「カリア……二人はどう?」
「寝ていますよ。さすがに疲れてるみたいで、二人とも熟睡してます」
「仕方ないか。僕もノエル君のベットで寝てたし」
二人で、空を見空ける。雲が少しだけ月を隠して、月明かりが暗くなった気がして、ちょっとだけ気分も下がっていく
「……マリヤならこんな時、どうするでしょうか?」
満月の側の星を見て呟くカリア。隣でその言葉を聞いたカノンは、うーんと考え、そして微笑み、空を見る
「みんなの幸せを願って、歌っていたかもね」




