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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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きっと守ってくれている

 人々が眠りにつく夜も遅く、街も木々も見えない真っ暗な場所に、小さく灯火が点る場所が見える。人影がうっすらと見える場所は小さな家から

「……あっ」

 と、聞こえてきたのは男性の声。空を見上げて誰かを呼ぶ

「どうした?」

 寝癖のように髪をボサボサにした男性が、面倒くさそうに近寄ってきた

「また、運命がちょっとだけ動いたようだよ」

 沢山の本が積まれた机の前の窓から見える空を、椅子に腰掛け話す男性に、はぁ。とため息をつく

「……どんな風に?」

 近寄り同じ窓から空を見る。今日は満月。月の明かりで、いつもより遠くまで見えている

「んー、小さなお星様が成長した……そんな感じかな」

「……なんだそれは」

 楽しそうに話す男性に、呆れつつも笑って話を返している


「たぶん、君達の事じゃないかな?」

 話ながら机の上に積まれた本を一冊、無作為に取って読み始める。もう一人の男性も、同じように一番上の本を一冊取り読み始めた

「どうだかな……」

 難しそうな内容が書かれた本には、本部でカノンが見ていた資料と同じ、フラワードの写真が載っている


「みんな、今もドーケムにいるのかねぇ?」

「たぶんな。何事もなければ、平和に暮らしているさ」

 目を合わさず、本を読みながら答える二人。しばらく二人の読書の時間が続く


「時に、まだ二人に会えてないの?さっさと会えばいいのに……恥ずかしがりやだなぁ」

 本を読み終え椅子に背を任せ、もう一人の男性に話しかける

「言うな。それはお互い様だろ」

 まだ、読んでいる途中のその人は、目を合わさず本を読み続けていく

「そうだね。まあでも、僕のところは大丈夫だし」

 自信ありげに笑って話しているのを見て、本を読むのを止めて机の上に座り、またため息つく

「いつもそう言うな……根拠でもあるのか?」

「そりゃあ、もちろん」

 そう言うと窓から見える満月を見た。雲が少し隠した月を見て、また笑う


「マリヤがいつも見守ってくれてるからね。心配なんてないよ。大丈夫」


「君だって、そうじゃないの?」

 月を見たまま、隣で机に座ったままの男性に話しかける

 話しかけられて、その話の内容に笑い、二人で月を見る。雲で少し隠れていた月が顔を出して、また二人がいる場所の外を照らして、外の世界がよく見えている


「そうだな……カナメも守ってくれているかもな」

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