どうするかは、気持ち次第
本部に戻ってきたノエル達。まだ塞ぎ気味のクリルとメイナを、ずっと支えていたノエルとリエルも、長距離移動もあって疲れた顔をしている側では、本部に着いて気持ちが落ち着いてきたカノンと、バルバとダングが、着いて早々フラワードの資料を確認に忙しそうにしている
「カリア、部屋でメイナちゃんが落ち着くまで一緒にいるように……リエルちゃんも休んでね」
カノンの指示を受けるカリアは、疲れた様子も見せず、メイナの側に寄り添い、リエルも見ながら支えている
「ノエル君、悪いけどクリル君といてね。僕らはフラワードの報告をしないといけないから。時間が出来次第、すぐ部屋にくよ」
小さく頷いて返事をするノエル。クリルも、声を出すのもツラそうな様子
「もう、フラワードに行かない方がいいの?」
メイナが不安そうに呟き、カリアを掴む手が更に強くなる
「むしろ行くべきだよ。二人の事は歓迎していたからね……」
カノンが優しく話しかけても、不安そうなメイナ。
クリルもまた落ち込んでいってる様子
「ほらほら、早く休んで元気になったら皆で美味しいの食べよう。ひとまず、おやすみなさい」
「さて、どうしたものか……」
事務室に来たカノン達。資料を睨みながらため息つくいたダング。フラワードの報告をどうすべきか悩んでいる
「カノン、あの態度は駄目だ。本部の人間としてもよろしくないな」
「だってねー……」
バルバもため息ついてカノンに注意しても、笑ってごまかそうとするカノン
「フラワードはこれからどうする?」
「二人は、気持ち次第だろうな。本部としては、また行かねばならないけど……」
そう話すとバルバが、また大きなため息をついた
「次からは、自分とダングの二人で行くようにしようか。結局、今の住人の主な時間帯が分からなかったしな。何かあれば報告をする」
バルバの提案に、不服そうでも納得するしかないカノン。フラワードの資料を一枚とると、載っていたのは昔、事件があった時の報告が書かれていた
「……あの日、何があったのかねぇ?」
「さあな?アゼルなら知ってるだろうがな」
カノンの疑問に答えながら、同じくフラワードの資料を取り考え込む
「なんでアゼル?」
意外な人が会話に出てきて、資料を読んでいた手も止まり、バルバの方を向いて嫌そうな顔になる
「確かフラワードの事、色々調べていただろう?」
ちらりとカノンを見ながら、質問に答える
「そうなんだ……。もしかしたら居たのかもね」
「もし、居たらどうする?」
笑いながら質問するバルバに、同じく苦笑いで答えるカノン
「んー……怒るでしょ、そりゃあ」




