何があっても大丈夫
「カノンさん、ちょっと本気だしすぎと思わない?」
結局、お昼ご飯の後、カノンと対戦練習をしていたノエル。対戦を終えて、ヘトヘトで部屋へと戻った午後9時。
ちょっとだけ擦り傷もついたうえに、疲れて愚痴も出てくる
「ねぇ、クリル……」
名前を呼んでもベットの上でぼーっとしていて返事をしない。何か考えいるようにも見えるけれど、やっぱりずっと黙ったまま
「なぁ、どうしたらいい?行くべきか?」
微かな声で話始めた内容は、やっぱりフラワードの事
「それは……行きたいの?嫌なの?」
ノエルが聞いても悩んで答えれないまま、また黙りこんでしまう
「メイナちゃんと話した?」
「いや、聞けなかった……ノエルなら行くか?」
質問にしばらく考える。部屋が静かになって、クリルの不安が余計に強くなっていく
「行くかな?怖いけど……」
「でもな……」
昔を思い出して、行けない気持ちが増えていく。ノエルと話していても、気持ちはやっぱり後ろ向きのまま時間が過ぎていく
「前に進める一歩になる良いきっかけじゃないかな?」
カノンも話していた、未来の為にと話してみる
「むしろ一歩後ろに戻るかもしれないし……なに言われるか」
まだ後ろ向きのまま気持ちが動かないクリルに
「それは大丈夫」
と、強めの言葉で反論する
「僕がいるから大丈夫。カノンさん達もいるから大丈夫。戻っても連れ戻してあげるし、文句なんて言わせないよ」
優しく話し微笑むノエルに、嬉しすぎて思わず笑うクリル
「最初会ったとき、ボコボコにしようとしてたのに優しいな」
「あっ、そういやそうだったね……」
同じ頃、女子部屋にメイナがカリアをずっと抱きしめたまま、ベットに二人で座っている
「カリアさん……今フラワードはどうなっているの?」
「私は行ったことないから……分からないの。ゴメンね」
二人の様子を自分のベットで座ってみていたリエル
「メイナ……さっきはゴメンね」
食堂で、フラワードへ行こうと誘ったことを後悔して謝るリエル。それを聞いたメイナが、こっち来てと、リエルを呼ぶ
「何も悪いことしてないのに、謝らないで」
リエルをぎゅっと抱きしめて、狭くなったメイナのベットで、メイナの不安な声が響く
「フラワードに帰っても良いの?大丈夫?」
「大丈夫!何があっても守ってあげる。私が悪いこと言う人、する人なんて倒すから」
不安を拭うように笑顔で話すリエルに、涙を流してうんうんと頷くメイナ。二人の会話を見ていたカリアが突然ぎゅっと強く抱きしめた
「大丈夫。二人のことは何があっても私が守るから……」




