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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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花と風が揺らぐ時

「おはようございます。カノン」

 まだメイナ達が眠る午前(レクト)8時。本部の玄関で待ち合わせをしていた二人。ちょっと寝不足のカノンがやって来た

「おはよう。朝早くから悪いね」


「いえ、私も午前(レフト)の時間の人だから……」

 そう話して、微笑むカリア。つられてカノンもふふっ。と笑う

「そうだったね。じゃあ今日はよろしく……」



 朝日も落ち着いてきた頃、途中タストスに寄り花束を買ってドーケムへ向かう二人。思い出話や仕事の話をしているうちに、あっという間に到着した。タストスから約一時間程で着いたドーケムの村。のんびりとした雰囲気が流れている

「こんな近くに住んでいたなんて……」

 本部からもそう遠くないドーケム。ずっと会えてなかったことに、不思議そうに話していると

「アゼルは、かくれんぼ得意だったから」

 話ながら、昔を思い出して微笑むカリア

「そうだね。まあ、今も変わらないけど」



 ドーケムにあるメイナとクリルが教えてくれた、マリヤがいる場所へと向かう二人。会話も少なくなってきた頃、目的地に辿り着いた

「ここにいるのか……」

 名前が書かれたその場所を見つけると、体が動けなくなる

「あら……」

 一足先にマリヤの所に来たカリア、足元の花束を見つけ、不思議がる。前に来たのは数日前。それにしては花が綺麗。今、持ってきた花束はまだカノンが持っている

「この花は?」

 ゆっくりと来たカノンも、花束を見つけた。それはマリヤが好きだった花が置かれている

「バルバかダングのじゃないのか?」

 そっと、花束を並べるように置き、その場に座る。

まだ、見慣れない風景に、なんだか不思議な気持ちになっていく

「それにしては、花がだいぶ新しいような……」


 カリアの疑問に、しばらく考えるカノン。そしてポツリ呟く

「……アゼルか、来ていたのか」

 その瞬間、風が強く吹いた

 花びらが1枚、ひらり飛んで、カノンの頬について、ゆっくり落ちていく


「そうか……」

 カノンの声が震えている 

「マリヤ……アゼル、ダメじゃないか。ノエル君とメイナちゃんを僕らと同じ思いをさせちゃ……帰ってこいよ……僕らだって、ずっと待っているんだ」


 カノンの後ろではカリアも涙を堪えている

「……カリア、ゴメンね」

 目を赤らめ、笑うカノン。小さく横に顔を振るカリアも、目が赤くなって一緒に笑う

「泣いたらお姉ちゃんに笑われるよ」


「……そうだね。でも、今だけは許してくれるかな?」

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