君達を守るために
「まず、ここの働いている人達は、君達と一緒で、親がいなかったり、離れてしまったり……な人ばかりなんだよ」
話の内容がいきなり重そうな雰囲気。ちょっとずつ、カノンの様子も真面目になって話を続けてく
「お二人もですか?」
ちょっと聞きづらい質問。でも、カノンは笑顔でうん。と答える
「そう、僕らだけでなく、カリアや君のご両親もそうだよ」
「僕らは今の君達と同じ、ここで育ったんだ。理由はまあ色々だけど……ここでみんな出会ってあの学校に通って、ここで働くことにしたんだ」
カノンの話が一旦止まって、静かになる会議室。また始まったばかりの話し合い。でも、長くなりそうな雰囲気が流れている
「ここまで大丈夫かい?」
カノンの問いかけに小さく頷くノエル。表情は少しずつ強張っている。
それを知ってか知らずか、カノンが大きくため息をついて、話し合いは進んでく
「まず酷いんだよ。聞いてよ。今は少なくなったけど少し前までは、午前が悪い午後のせいだ。ってあって世の中うるさかったんだよ」
そう話終えると、また大きなため息をつくカノン。バルバも、小さくふぅ。とため息をついた
「で、そのとばっちりは一番は子供に来てね。住み処や時間帯のいがみ合いがあったりして、子供達を保護する為に、この本部は動いているんだ」
「保護してくれたお礼もそうだし、君達を守るために僕やバルバもそう、カリアもダングもみんな頑張ってる。もちろん君達のご両親もそうだったんだけど……」
また話が一旦止まって、ノエルを見る二人。話を理解しようと真剣な表情をしている。それをみたカノン、まだ大丈夫そうだ。と話が進む
「あるとき、一緒になる!って言って、マリヤはここを辞めてアゼルと一緒に世界を旅に出て、仕事の手伝いをしてたはずなんだけど……」
「ずっと連絡ないとは言っていたけどねぇ……」
そう話ながら、バルバの方へ顔を向けると、うーんと、悩んで難しそうな顔をしている
「アゼル、時々来ていたけど言わなかったな……」
「まず会っていたのか、ノエル君とリエルちゃんのこと、知ってるのか……」
二人して、ノエルをじっと見つめる。急に見られて、あたふたするノエルに、ふふっと微笑むカノンとバルバ
「まあ、何はともあれ、君達と会えて良かったよ。子供なんて言ってなかったし」
「じゃあ、次は何話そうか?」




