思いと想いの交差点
「メイナいつ起きるかな?」
寮の部屋でのんびり休憩をしているのは、リエルとカリア。自由行動と言われても出掛けることなく部屋にこもりっきり
「うーん……そうねぇ」
二人の心配をよそに、クリルと似た寝息をスースーとたてて熟睡中のメイナ
「一緒にお出かけしても良かったのに……」
もう時間も4時になろうかという時間。もう、出掛けようにも何処も行けない。それでも、部屋でノエル達を待つと決めたのはリエルである
「メイナも一緒のほうが楽しいから……それに」
そういうと突然、カリアに抱きつくリエル
「カリアさん、お兄ちゃんカノンさんと、何話してるのかな?お父さんのことかな?」
今日話し合うことはリエルには言っていない。なのに、気付いていた事に驚くカリア
「……どうしてそう思うの?」
更にギュッと強い力でカリアを抱き締める。声は震えていて、泣いているのをガマンしているよう
「お兄ちゃん、隠し事があるといつもあんな顔する。私にも色々話してくれてもいいのに……」
「うーん……それを聞かれると困っちゃうな」
同じ頃、会議室に悩んでいるカノンの姿があった。ノエルからの次の質問、それは、父との関係性であった
「そうだな……どう話すか」
その隣では、同じく悩んでいる様子のバルバの姿がある
「お二人とは同い年ですか?」
あまりにも困っている二人に質問を変える。この質問には、すぐカノンが答える
「いや、アゼルが一番年上だよ。次にバルバとダング。その次に僕だね。で、次がマリヤとカリアだね。あまり年の差はないから、みんな仲が良いんだ」
カノンから母の名前が出てきて、不思議そうなノエル。でも、バルバ達はそれもふまえて、どう話そうか悩んでいる様子である
「あの、母とも知り合いですか?」
「うん、というか本部にいたから、ほとんどの人は知っているよ」
「ええっ?!」
クリルのその発言に、驚き固まるノエル
「そうか、言ってなかったか……」
固まったまま動かないノエルに、呆気に取られるバルバと、ノエルを見て緊張感が溶けたカノンが苦笑いをしている
「じゃあ、仕方ないか。むかーし、昔の話だけど、聞く?」




