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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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優しい夜の男子部屋

「傷どうだ?」

 カリア達と別れて男子寮にいる、クリルとノエル。少し血が滲んだ包帯を交換しているノエルを心配そうに見ているクリル

「大丈夫。擦り傷だけだし、すぐ治るよ」

 不安を消すように明るく話すノエル。血が止まっていそうでも、たくさんの擦り傷が痛々しい

「そうか……」

 クリルの言葉を最後に、静かになる二人の部屋


 黙々と交換を終えると、ふぅ。とため息をつく。二人並んで、ベットを背もたれにして座って、やっと休める雰囲気

「カノンさん、どう思った?」

 クリルの質問に、すぐ答えられず考え込むノエル

「……強かったね。スゴいよ」

「なんか……なあ」

 夕方の対戦を思い出して、考え込むクリル。ふふっと笑うノエル。でも、困っていそうな表情

「まあ……色々あるんじゃないかな?」


 また、静かになる部屋。二人もまだ隣同士、座って動かないでいる

「なあ、本当に親父の事なんも知らないのか?」

「うーん……そうだね、母さんもあまり話さなかったからね。生きるのにも精一杯だったし」

「……そうか」


 会話が止まる。また沈黙が始まる部屋。でも、すぐに無言に耐えられなくなったクリルが、話し始める

「前はごめんな……。見学行けたのに」


「大丈夫だよ。僕もこっちに来て色々動いて訳わからなくなってたし。のんびり出来て良かったよ」

 笑って話してくれるノエルに、ほっとするクリル

「そうか、俺もここに来て、まだよく訳わかんねぇけどな」


「なあ……」

 右隣にいるノエルの左肩に軽くコツンとグーで殴るクリル。ビックリしてクリルの顔を見ると、微笑んでノエルを見ている

「……なんかお前に勝てねぇ気がするな」


 笑っているクリルに、ノエルがお返しにと右肩に軽く殴り返すと、なんだか恥ずかしくなってお互い笑いあう。ずっとちょっとだけ気を張っていた二人。お互い、笑いあってに嬉しそう


「僕だって、君には勝てないよ」

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