お喋りは元気の源
カノンとバルバと別れて、時刻は午後8時
みんな食堂に集まって、遅めの夕食。今日は、いつもよりもちょっと雰囲気が暗め
「スゴかったね。カノンさん……」
ポツリ呟くメイナの話。誰も返事が出来ず黙々とご飯を食べていく
「なんか急に雰囲気変わったけど、どうしたのかな?」
メイナの向かいにいるクリルに話しかけてみる
「さあ?」
思ってるより素っ気ない返事にムッとするメイナ
「……ねえ、カリアさん」
今度は、リエルがポツリ呟く。小さな声だけど、聞こえていたカリア。リエルを見ると、寂しそうな顔でこちらを見ている
「今日、一緒に寝てくれる?」
リエルからの提案に、隣で嬉しそうに頷くメイナ。
そんな二人に微笑んで答えるカリア
「ええ良いですよ……」
今日は、ゆっくりご飯を食べ終えて、もう午後9時。疲れたリエルは少し眠くてうとうとしている。隣にいるカリアの服を掴んで、どうにか立っている
「じゃあね、お兄ちゃんまた明日……」
足元がふらふらしている、リエルを心配するノエル
「ああ、カリアさん。リエルをよろしくお願いします……」
「ええ」
「メイナ、カリアさんに迷惑かけるなよ」
突然、メイナの頭を撫でるクリル。嬉しそうに照れるメイナ
「大丈夫だよ。リエルも一緒だし」
男女寮の分かれ道で、みんな何だかんだとお喋りを続けて、もう10時。リエルも目が覚めて、今日も女子部屋では、三人並んでお喋りを再開している
「ケガは大丈夫?」
カリアがリエル包帯を交換している。擦り傷なので、もう痛みはなさそうでも、見た目はちょっと痛々しい
「治癒魔法ですぐ直せないの?」
二人の様子を、痛そうに見ているメイナ
「直せるけど……あまり魔法に頼っちゃうと本来の治癒能力が下がったら、ダメだというのがあってね……」
「はい、終わり」
包帯の交換終了すると、すぐカリアに抱きつくリエル。負けじと背中から抱きつくメイナ
そのまま、ベットに倒れこむ三人。カリアを真ん中に川の字になって布団の中、またお喋りを続けていく
「……明日、カノンさんと会えるかな?」
リエルが不安そうにカリアに聞くと、うーん。と悩みはじめるカリア。今日のカノンの様子から、メイナも不安そう
「叱られ終わったなら多分会えるけれど……だいぶ落ち込んでいないかしら」
会えると聞いて、突然ガバッと起きて座るリエル
「じゃあ、励まさなきゃいけないね」
「うん、そうだね!」
なぜかメイナも起きてベットに座る
二人の勢いに、驚いて笑ってしまうカリア。そのまま、同じようにベットに座って、二人をぎゅっと抱き寄せる
「そうね、じゃあ早く怪我を治すために眠りましょ」




