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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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ヒソヒソ話はあっち向きで

「はい、ではでは。質問しますよ」

 会議室に来たノエル達、部屋にはたくさんの机に座る本部の人達と、バルバ大佐がいた

 その机の前に立たされる二人。注目を集めて緊張してても、早く終わらせるためサクサクと進めようとしているカノンの服を引っ張る

「えーと……カノンさん、これは」

 小声で話しかけるノエル

「うん、本部の偉い人達だよ」

 会話中もじーっと見られている三人

「帰りてぇ……」

 緊張感で冷や汗が止まらないクリル

「それはムリだねぇ」


 三人が小声で話していると、会議を参加している人達からもヒソヒソと会話が聞こえてくる


「あれが、アゼルの……」

「似ているか?」

「カリアは……」


 会話から自身の父親の名前が聞こえてきて、身構えるノエル。クリルも一気に本部の人達の様子に不機嫌になる


「はーい、聞こえてますよ。大人の方々、悪口は聞こえないようにお願いしますよ」

 大きな声のヒソヒソ話に注意するカノン

「悪口とは……」

 また、ヒソヒソと話始める

「ノエル君が嫌だと思えば、それは悪口ですよ」

 反論の声に強い口調で返すカノン

 

 その言葉に静かになる会議室

 コホンと、ちょっとわざとらしい咳払いで注目を集めて、机に置いていた資料を手に取る

「では、気をとり直しまして……」

 そういうと、隣にいるノエルの方に向くカノン

「まず、ノエル君ですが、今の希望は?」

 

「ここからリエルちゃんと学校に行くで良いかい?」

 優しく問いかけるカノン

「えっと……その」

 あたふたと、上手く答えられないノエル

「まあ、嫌って言っても逃がさないけどね」

 そう言いながら手元の資料をめくり、今度はクリルに話しかける

「次、クリル達はどうする?」

 昨日、逃げたこともあり何も言えず、うつ向くクリル。そうなるだろうと思っていたカノンが、資料を元に話始めていく


「クリル・バータナ、メイナ・バータナ兄妹ね。失礼だけど、色々調べさせてもらったよ。君達がムリだと思う気持ちは分かるけどね。それはそれ、これはこれだから。かといって、ちょっと悪いことしてたみたいだけど……」


 本部の人達も、ノエルとクリルの資料を読んで考え込む

 ちょっと不穏な空気になる会議室。それを感じて元々不機嫌だったのが、更に機嫌悪くなっていくクリル

「まあ、この本部や学園を見て感じて変わればいいよ。この境界線本部や世界の事を二人にも知ってほしいし」

 そんな雰囲気も、ニコニコ笑って誤魔化そうとするカノン。でも、部屋は嫌な空気のまま時間が流れてく

 この雰囲気を消そうと、次の話をとバルバに促されるカノン

 はぁ。とため息ついて、手元の資料を机に置くと、ちょっとだけ真剣表情になり、ノエルに話しかける

「でね、ノエル君に聞きたいことがあるんだけど……」

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