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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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35/132

帰る場所は、ここじゃない

「……美味しい」

 ポツリと呟くメイナ、その目の前には、ちょっと遅めのお昼ご飯がある

 さっきまで、泣き叫んでいたメイナも落ち着いて、三人で静かなご飯タイム

「本当に美味しい」

 カリアも、二人のお気に入りの食堂で、ドーケム名物料理を堪能中


「……リエル達もここに来てたのかなぁ?」

 美味しいご飯を食べて、少しずつ会話も弾み始めてきた時、カリアが心配そうに二人に尋ねる

「貴方達、お家はどこ?」

 カリアの質問を聞いた、二人のピタリと動きが止まった

「あの……」

「前にも言ったけど、俺ら家はないよ」

 カリアが話そうとすると、クリルが話に割り込む

「じゃあどうやって……」

「野宿」

 また、話を遮るクリル

 明るくなり始めていた会話もまた、静かになっていく

「本部に帰りましょう。みんな待ってますよ」



「そうですよ、待ちくたびれました」


 聞いたことのある声が、突然聞こえてきた

 慌てて辺りを見渡す三人。いつから居たのか、カリアの隣にカノンがいた

「カノンさん!」

 予想外の登場に驚いて、大声で名前を叫ぶメイナ

「あら、どうして?」

 カリアも、いつの間にか隣にいてビックリ顔

クリルは、カノンの姿見たとたん、不機嫌顔


「二人がいないですからねー。探しに来たんですよ。ダメじゃないですか。大人を心配させては」

 リーリルを抱きしめて落ち込むメイナ、その隣で、カノンの顔を見ずにまだ不機嫌なクリル

「帰りますよ。ノエル達も本部で待っています」

「でも……」

 帰ると言われても不安そうなメイナ


「話は本部でね。カリア、二人を連れて先に帰りますよ」

 カリアの方を見るカノン、カリアも不安そうな様子

「……いえ、私の用も二人のお陰で済みましたから……一緒に帰ります」


「メイナちゃん、一緒に帰ろう」

 カリアに呼ばれても、リーリルを抱きしめたままうつ向くメイナ

 クリルも、ムスッとしたまま、まだ不機嫌そう

「ほら、クリルくんも帰りますよ」

 返事をしない二人、ふぅ。とため息つくカノン

「野宿はつまんないじゃないですか。虫来るし、暑いし。本部が楽じゃないですか」


「でも……」

 帰っても良いのか不安そうなメイナ

「忘れました?本部は、君達みたいな子を守るのが仕事です……が、あまり仕事増やさないでもらえます?」

 カノンの説明に、何も言えないクリルとメイナ


「ほら、有無を言わせませんよ。暗くなる前に、境界線本部に戻りますよ」

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