表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時を奏でる境界線  作者: シャオえる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/132

どうにかする、どうにかなるよ

 カリアとも別れて、本部の外で、メイナとクリル兄妹が仲良く散歩中

 夜遅い時間でも、この本部の人たちは関係無く忙しそうに動いている

 そんな中、本部の明かりが灯すベンチに座るメイナ

「お兄ちゃん……」

 メイナの隣で、ぼーっと夜空を見ながら立っていたクリル

声をかけられて、ゆっくりメイナの方を見る

「ここは、楽しいところだね、リエルもいるし、ご飯も美味しい。ここの人達も優しいね」

 リーリルぎゅっと抱きしめるその姿は、寂しさが溢れている


「……お家に帰れるかな?」


 メイナが、クリルを寂しげに見つめる

何も言えなくなるクリル。しばらく二人の間に沈黙が流れていく


「帰れなくてもそうするしかないよ……俺らは貧乏金無し、家が無くても帰らなきゃな」


 クリルの言葉が、夜風に流れて更に静けさを感じさていく。メイナも返事ができず、ぼうっと夜空を見上げる


「んー、そこまで悲観する必要は無いんじゃないですか?」


 突然、聞こえてきた声。二人が辺りを見渡しても誰もいない

 だが、二人の後ろ、音もたてずに現れたカノン隊長


「カノンさん!ビックリした!」

「……寝てたんじゃないのか?」


 驚いた様子の二人を見て、してやったりの顔のカノン隊長

 

「いやー、さすがに疲れましたから、寝ようとしたわけですよ。けどねー興奮覚めないってやつでね。リフレッシュに来たらお二人発見って所です」


 驚かされて何だか悔しいメイナとクリル

 そんな事よりも、話を進めていこうとするカノン隊長。二人の話を盗み聞きしていたので、もっと二人の悩みを聞き出そうしている


「さて、この境界線本部は、お二人にとって、どうですかね?」

 

 質問に、何となく答えづらい二人

うーんと、返答に困り、また沈黙が流れていく


「この場所は、変な人もいれば、優しい人もいたり厳しい人がいます。午前(レフト)の人、午後(ライト)の人も、それぞれ特化した人々が集まる所ですから、仕方がないですね」


 カノン隊長の話す内容を、静かに聞くメイナとクリル

 それを知ってか知らずか、話を続けていくカノン


「前にも言いましたが、君達みたいな子を守ることも仕事ですし。どうにかなりますよ。悩むことは基本ありません。……ライム兄妹は別と思いますが」


 最後の言葉は、怯えてるような嫌そうな顔

そんな様子を不思議そうに見ているメイナとクリル

 勝手に自己嫌悪になりかけたカノン隊長。二人に気づいて、冷静を何とか取り戻そうとしていく

 

「ま、まあとりあえず部屋に戻りましょう。気持ちが落ち着いて考える。それが一番です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ