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壊れてしまった練習場

「なんだ?」

 突然、地鳴りのような大きな音が練習場に響き渡る。本部や練習場など、あちらこちらから叫び声が聞こえてくる

「みんな、建物から離れて!」

「え?なに?」

 メイナが逃げ遅れあたふたとしている間に、ノエル達がいた練習場が崩れ落ちていた。間一髪、カリアに助けられたメイナ。だが目の前には、さっきまでとは一転して、瓦礫が散りばめられている

「リエル!」

「ノエル大丈夫か!」

 二人の姿が見えず、瓦礫に向かって叫ぶ。だが、二人からの返事はない

「カノン無事か!」

 緊急事態にバルバも叫ぶ。しばらく動けず立ち尽くしていると、崩れ落ちていく瓦礫と共に、カノンがゆっくり立ち上がる

「どうにか大丈夫……」

 瓦礫の中から現れた三人。間一髪カノンが作り出したガードが間に合い無傷の様子。だが、気づくのに遅れた人たちが多少怪我をしており、本部から治療部隊が急いで駆け寄っている

「周りの練習場も……」

 茫然と辺りを見渡すリエル。一番、被害が大きそうなのはリエル達がいた練習場のようだが、それでもほとんどの建物が崩れかけている

「とりあえず君達は避難を。カリアはみんなと本部へ。二人を念のため医務室に……」

 バルバがカリアに声をかけて、ノエル達は本部へと急いで帰っていく。その後ろ姿を見届けると、隣で落ち込んでいるカノンに声をかける

「……練習すると壊れるようになっているのか?」

 はぁ。とため息ついて話すバルバに、さすがにムッとするカノン

「失礼すぎない?偶然だよ。偶然」


「……あれ?」

 本部へと着く直前、誰かの気配に気づいたメイナが突然立ち止まる

「どうしたの?」

 隣で歩いていたリエルが、空を見上げたままのメイナに声をかける。その見つめる先をリエルも見る。特に変わった所もない様子に、疑問に思っているとメイナが呟く

「あの人、前に会った人……」


「危なかった。メイナちゃんに見られる所だった」

「分かってて、見られそうになったんだろ?」

 予定通りに物事が進めて嬉しそうなアゼルと何でか機嫌が悪そうなラックが、慌ただしくなった本部を背に急いで小屋へと戻っていく

「それより、ここを壊してなんになるんだ?」

「邪魔なの。ここは、本部を守る結界の一つでもあるからね。でも、ちょっと壊しすぎたかも。まぁ、怪我人のみだろうから大丈夫かな?」

 そう話すと後ろを振り返る。もう見えなくなった本部を少し名残惜しそう

「他の場所は……いいか。そんな強くもなさそうだし」

 でもすぐに、機嫌も戻りラックに話しかけていく。嫌そうなラックに気にもせず、次の予定をあれこれと勝手に話決めていく

「満月の日は何時かな?会えると思えば楽しみだ」

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