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素敵な人と綺麗な花

「お花きれい!」

 フラワードに着いてすぐ目についた花畑に走っていくリエル。その後をメイナも追っていく。着いて早々バルバ達は調査の準備で忙しそうに動いている

「メイナ、ここで待ってて。終わり次第すぐ迎えに来る」

 ノエルとクリルはバルバ達と一緒に話し合いに参加するため、リエルとメイナは外で終わるまで待つことになったが、花畑に夢中の二人は、クリルの話は聞こえていない様子。

その隣でノエルが時間を知るために、ちょっとだけ魔術を使っている

「何かあったら、呼んで。今は午後(ラクト)だから、リエル何かあったらメイナを守って、すぐ僕らの所に来るんだよ」

 二人を心配しつつも、バルバ達と一緒に村へと向かうクリルとノエル。まだ気づいているのかいないのか、花畑の中楽しそうな二人

「カノンさんとカリアさんにお花持っていったらダメかな?」

 花畑の中を歩き回るリエル。その後ろを付いていくメイナは花を踏まないかと、歩き方が少しぎこちない

「勝手に持っていったら怒られるよ……」

 あちらこちらと二人楽しく唄いながら、花を見たり歩いたりしていると、遠くから二人を見て微笑んでいた人影が近寄ってくる

「楽しそうね。一緒に唄ってもいい?」

 声に気づいて振り向くと、道端にいたのは、初めてフラワードに来たときに一番最初に出会った女の人

「この唄は、あなたのお母さんの子守唄よね」

 花畑の側で二人を見守るように座り、久しぶりに聞いた二人の歌声懐かしんでいる

「知ってるんですか?」

「ええ、もちろん」

 また唄い始めていくリエル。ニコニコと聞いている女の人を、メイナが不審そうに、じっと見ている

「カナメさん、素敵な人だったわね……」

 その言葉が聞こえたメイナが唄うのを止めて、突然リエルの腕をつかむ

「リエル、行こう……」

 そう言うとリエルを引っ張ったまま花畑を抜け、ノエル達が進んでいった道へと歩きだす

「え?でも……」

 残された女の人を見ながら、ちょっと転けそうになりつつメイナと歩いていく

「どうしたの?メイナ」

 しばらく歩いて、村から少し外れた草むらの中に入るとやっと立ち止まったメイナ。引っ張ぱられたままだったリエルは少し息切れしている

「あのお姉さんが……」

 リエルが話している途中、抱きついたメイナ。肩を震わせているのにリエルが気づいて、何も言わずぎゅっと抱きしめた



「……メイナちゃんが泣いているよ。カナメさんに会いたいってさ」

 こちらの森の中では、相変わらず読書中。メイナの今の様子に気づいて伝えても、いつものように珈琲を嗜んでいる

「そうだな。会えるなら会いたいな……」

 ちらりと、こちらを見たと思えば、すぐに目線は本を戻って読み進めていく

「今日、会いに行く?」

「ほら、僕の魔力も大分戻ってきたし」

 隣で楽しそうに話す内容に、パタンと本を閉じ微笑む

「そうだな。一目会えるといいがな」

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