凄い魔術者の子供達
「何か聞きたいこととかないの?」
そう聞いてくるカノンは、ノエルのベットで一足先にのんびりとしている。それを横目に寝床を奪われたノエルは、仕方なく二人でクリルのベットに座っている
「聞きたいのは、ないです」
「ないな」
質問に即答で答えられ、落ち込むカノン。来てからずっとうるさいカノンにクリルがちょっとイラつき始め、ノエルも、どうしたら良いか困っていると、カノンが突然、語りはじめだした
「マリヤはリエルちゃんとほぼ同じ魔術使いで、術者の能力上げや、能力検索が得意だったよ。アゼルは何でも出来たけど、主に占い事が得意でね。マリヤの魔術と合わせて、迷子の場所や事件事故が起こっているとかを見れる人だったから、本部としてはとても重宝していたんだよ」
カノンが話す内容に、静かに聞き入るノエル。部屋に緊張感が流れて、クリルも静かに話を聞いている
「クリル君の両親は……」
今度は、クリルの方を向いて語り出すと、二人の緊張感も増していく
「お父さんのリック・バータナは、治癒魔法が得意だったそうだよ。傷や病気何でも治せたらしい。お母さんのカナメ・バータナも、メイナちゃんに似ているかな?カリアより魔力は高いらしくて……」
あれこれ説明していると、緊張感からうつ向き始めたノエルとクリルに気づいて、話が止まる
「どうしたの?」
「いえ、魔術の事は、あまり知らなかったので……」
カノンからの急な話しの内容にまだ戸惑うノエルと、同じく戸惑っているクリル
「そっか。四人とも凄い魔術者だよ。みんなの能力も納得するくらいだ」
そう話しながら、ノエルのベットの横から取り出した大量の資料。それをクリルに渡して、またベットに横になってゴロゴロし始めた
「いや、重い……」
「これは?」
ノエルも少し受け取り、ベットの側にある机に置く。ぎっしりと書かれている資料を見たクリルが、嫌そうにちょっと目を背ける
「アゼルが調べていた資料と、フラワードの資料だよ。ちょっと難しいかもしれないけど、僕が寝ている間に読むといいよ。じゃあおやすみ」




