疲れた夜明けに願い事
「やっと落ち着いたのか……」
バルバが、ふぅ。と疲れた表情でため息をつく。本部に帰ってきても暴れに暴れたメイナが、みんなに諭され部屋に戻っても、泣き続け落ち着いた頃にはもうすぐ夜が明けそうな頃になっていた
「カリア達はまだ、帰ってこないか?」
事務室も騒がしさがやっと落ち着いてきて、隊員達も疲れた様子で、椅子に座り込んでいる所に、バルバが一人の隊員に話しかける
「あ、はい。前の状況と照らし合わせて調査しているため、時間がかかるそうです。一度、明け方に帰ってくると言っていましたが……」
「では、午後からフラワードに行こうか。カリアはメイナちゃんの為に残ってもらおうか」
バルバがカノンに話しかけても疲れているのか、どこか上の空。返事をするかと思えば、急に席を立ち今度はカノンから話しかけてきた
「ちょっと休むよ。午後に行くならバルバもみんなも休まないと……」
「あっ、君、ダングが帰ってきたら、話があるから僕の部屋に来るようにって伝えておいてくれる?」
交代のため、カノン達より遅くきた隊員に頼み、疲れからかゆっくりと事務室から一人でさっさと出ていく。その後をバルバが少し遅れてカノンを追って、一緒に部屋へと戻っていく
「ところで、バルバは今日は本部に泊まるでしょ?」
部屋へと戻る途中、疲れて話さずにいた二人。カノンが低いテンションで話しかける
「ああ、ちょうどダングの部屋の隣が空き部屋になったから、そこに泊まるが……」
バルバも疲れた声で返事していると、カノンの部屋の前に着いて、すぐそばに空き部屋にバルバも着くと、二人ともため息ついて、部屋へと入っていく。
「じゃあねバルバ、後で起こすから。おやすみなさい……」
「はー、今日は疲れたねぇ……」
本部から離れた森の小屋に帰ってきてすぐ、傷の手当てを受けてすぐ、布団に倒れこんでゴロゴロしている
「傷はある程度治したが、さっさと寝て完治しろ」
帰ってきて早々、傷の手当てやおんぶで帰ってきたり、一人午前の時間になって忙しそうにしているが、疲れも見せずに休むことなくもう、何処かへ行く準備を始めだす
「あれ?もうお出掛け?」
布団に潜り込んでいるこちらは、もう眠る体制が完了している様子
「ああ、フラワードに行ってくる」
時刻は深夜。ちょうど、カリア達がフラワードについた頃
「ダメだよ。本部の人達がいるのに。会ったら面倒くさいよ」
急にフラワード向かうという話しに、布団から顔を出して止めに入る
「別に構わん」
止めはしても布団から出る気のない感じに、ちらりと見て一人玄関へと向かう
「会いに行くの?マリヤにも伝えておいてくれる?」
「……なにを伝えるんだ?」
玄関の扉を開けた時、話しかけられて振り返ると、いつの間にか布団から出て、机に飾っていた写真立てを手に取り、微笑んでいた
「やっと、僕らの願いが叶いそうだよって」




