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時を奏でる境界線  作者: シャオえる


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暗闇の中の知らない人

 事務室へ三人戻ると、慌ただしく隊員達が動き回っている

「おい、どうした?」

 近くにいた隊員達にバルバが状況を聞く

「バルバさん、カノン隊長も今までどこに……」

「たった今、フラワード方面で、謎の魔力の反応があり、なおかつ地形が少し変化しているのでは。との連絡が……」

 あたふたと、状況を説明する隊員達の話を聞いて、カノンたちもバタバタと動きだす

「カリアはどうしたんだ!」

 時刻は午前(レクト)12時過ぎたばかり。カリアの姿が見当たらず、隊員達がフラワードに行けずにいる

「リエルちゃんとメイナちゃんの部屋だそうです。今、呼んでいます」


「なぜ今、フラワードが……」

 悔しそうに言葉をつぐむカノンの隣で、バルバとダングが状況を再確認かつ指揮をして忙しそうに動き回る

「考えるのは後だ。ダングはカリアと共に、早急にフラワードへ行ってくれ。念のため午後(ラクト)の者も一緒に……」

「私も行く!」

 バルバの話を遮るように、カリアの後を追って事務室へと一緒に来たメイナが叫ぶ

「ダメだよ。君は行けない」

 カリアから離れないメイナを落ち着かせようとダングやリエルが話しかけても、カリアを強く掴んで離さない

「いやだ!お兄ちゃんと行く!」

 ノエルとクリルも騒ぎに気づいて、メイナとリエルの後を追いカノン達の所にやって来た

「クリル君も起きたのか……」

 

「カリア!いいからダングと早く向かえ!」

「……はいっ!」

 メイナに捕まれている上に、心配で動けずにいるカリア。バルバに発破をかけられ、ダングと隊員と共にフラワードへ向かう

「カリアさん、待って!」 

「ダメだよ!メイナ、行っちゃダメだよ!」

 リエルの言葉も無視して、一人、カリアを追って本部の外へと走りだす。本部の周りは森のように木々が多い。リーリルに乗って走っていくと本部の灯りも見えなくなって、迷子になったメイナ。足下も見えない道で動けなくなっていると、どこからか歌が聞こえてきた。ちょっとずつ近づいてくる歌に、身構えていると、暗闇の中、誰かが話しかけてきた


「ダメだよ。こんな暗闇の森の中じゃ、走ったら二人とも怪我するよ」

 少し笑っているような感じで話しかけてくる声は、さっきの歌と同じ声

「……だれ?」

 あまり顔も見えないその人に、後退りしながら話しかける

「知らなくていいよ。ただね、今、君は行っちゃダメなんだよ」

 また笑いながら話してくる知らない声。だが、近寄っては来ないその人に、後退りも止まりまた、動けなくなっていると

「メイナ!どこ行った!」

 遠くからクリルの声が聞こえてた。どこか遠くからも、ちらほらと、メイナを呼ぶ声が聞こえてくる


「お兄ちゃん……」

 メイナが、声のする方へ顔を向けていると、ふふっと笑いながら、メイナに話しかけてきた人が、背を向け暗闇の中のへと歩きだす

「ほら、君もお帰り。君達に会うのは、あとちょっと先だから」

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