太陽と月【番外編3】
はい!お待たせしました!!
番外編最終回です!!
「むぐー!うぐー!!」
「うるさい嬢ちゃんだな…。」
「殺っちまうか?」
「顔は良いんだ。殺っちまったら勿体ねえだろ?」
暗い屋敷の中で1人の金髪の少女とその周りに3~5人くらいの男がいる。
金髪の少女…リオンは手足を縛られ、猿ぐつわを噛まされている状態。
我狼とはぐれ、我狼を探している最中何者かに薬を嗅がされ、気づいたらここで縛られていた。
「この嬢ちゃん以外にも侵入者がいたって?」
「ああ。1人な。」
「まああいつが始末するだろう。」
あいつ…さきほど侵入者を始末してくると言って出ていった大柄な男の事だろう。
それにリオンは侵入者という言葉が引っ掛かった。
恐らく我狼の事だ。
我狼の事だ。やられる事は無いと思うが…
「にしたって遅くねぇか?」
「俺が様子見に行ってくる。」
大柄な男の帰りを遅く感じた1人の男が部屋から出ていった。
少しして…
ガチャッ…
扉が開く音がする。
音のする方を見るとさっき様子を見に行った男が立っていた。
「どうだった?」
「……。」
仲間が話しかけているのに男は無反応。
「おい。」
再び声をかけるとゆっくりと倒れていく男。
ドサッ!
「なっ…!?」
「ここが最後の部屋か。」
そして倒れた男の背後に立っていたのは銀髪の男。
「むぅーーー!!(泣)(先生ーーー!!(泣))」
「リオン…お前何をやっているんだ…」
叫ぶリオンに呆れた様な視線を向ける我狼。
「何やってるんだはこっちのセリフだ!てめえ何しやがる!!」
数人いる中の1人の男が叫ぶ。どうやらこの男がリーダーの様だ。
「そこに寝てる奴がいきなり攻撃してきたからそれなりの事をしただけだ。」
倒れている男を見ながら言う我狼。
「ふざけんな!!殺っちまえ!!」
「むぐー…。(最近こんな事があった様な…。)」
リオンの呟き(?)を無視して男達がナイフや剣を手に我狼に飛びかかる。
我狼は太刀で相手の武器を弾き、殺さない程度に蹴り飛ばしたりなどして気絶させている。
「くっ…そが…っ!!」
「!」
我狼に蹴り飛ばされたものの気絶しなかった男がナイフを手によろよろと起き上がる。
そしてその刃はリオンに向けられる。
「むごぉ!?(私ぃ!?)」
慌てるが手足が縛られている状態では動く事も出来ず。
「死ねえええ!!」
ナイフの刃はリオンに真っ直ぐ降り下ろされる。
だが…
「せいやー♪」
ガンッ!!
「ぐおっ!?」
どこからか疾風が飛び出してきて、男に膝蹴りを放つ。
男は鳩尾に膝蹴りを食らい、倒れる。
「むぐー!!(泣)(疾風さーん!!(泣))」
「お!リオン無事かー?」
疾風は笑い、リオンの手足を縛っている紐と猿ぐつわを解く。
丁度リオンの拘束が解かれた時、
リーダー格の男以外我狼が全員気絶させた。
「あとはお前1人だがどうする?」
我狼がリーダー格の男を見て言う。
「お前達は何が目的なんだ!?金髪のチビなら返す!!見逃せ!!」
プチン!
我狼には敵わないと自暴自棄になり叫ぶ男には聞こえなかっただろうが何か切れる音がした。
その音に首を傾げる我狼と疾風。
「「!!?」」
だがただならぬ殺気を感じとる。
「フフフフフフフ…」
殺気の発信源はリオン。
ゆらりと立ち上がる。
(うわぁ…怖い!)
疾風がそう思うのも無理は無い。
我狼でさえも顔がひきつってる。
「誰が…」
ボソリとリオンが呟く。
もはや行動の1つ1つが怖すぎる。
「誰がチビだあああああああああああああ!!!」
「ぎぃぃぃぃやああああああああああああ!!!」
リオンの怒声と男の叫び声。
容赦なく双剣で男を叩きのめすリオン。
見て見ぬふりをする我狼と疾風。
「我狼さーん。」
「…なんだ。」
どこか遠い所を見ながら会話する我狼と疾風。
「リオンって双剣の達人だったんですかー?」
「…双剣の持ち方を知ったのがついこの間だ。」
「あれで!?」
黙って頷く我狼。
ドサッ…
何かが倒れる音。
「ふー…すっきりー♪」
リオンの声。
そしてそのすぐ傍にはピクピクと痙攣している男。
死んではいない様だ。
「どうやったらこうなるんだ…」
「嫌だなー先生♪双剣の柄でひたすら殴っただけですよっ♪」
青ざめる疾風。
何か悲しい目で男を見る我狼。
我狼の頭の中ではチビ=禁句となった
「「「「「「かんぱーい!!」」」」」
時はちょうど昼。
あの後屋敷にいた男達は村の警備の者達に引き渡された。
警備の者達が屋敷に行けば良かったかもしれないが警備の者達まで怖がっていたらしい。
そして今は茂が村の連中を集め、屋敷の悪者退治と言う名目で宴会中。
村の連中は昼間から酒が飲めれば良いと思っているだけなのだが。
豪華な食べ物や酒がたくさん並んでいる中、リオンと疾風も混じり、酒や食べ物を味わっている。
(そういえば先生いないなぁ…)
モシャモシャと食べ物を頬張りながらふと思うリオン。
「リオーン!こっちにも美味そうなのあんぞー!」
「どこですかー!?」
結局疾風の声につられてしまうのだが。
「…眠い。」
木に背を預けうとうとしているのは我狼。
(何故あいつらはあんなにテンションが高いんだ…。)
徹夜したのは自分だけじゃないはず…だがリオンと疾風はテンションMAXで宴会に出ている。
我狼がここまで眠いのは本来合成獣であることも関係しているのだが。
ザシ…ザシ…
このまま寝ようかなどと思っている中、土を踏む音。
「ふぉっふぉっふぉ。お疲れかな?」
「…誰のせいだと思っている。」
足音の正体は茂だった。
「ふぉっふぉっふぉ。この度は助かりました。」
「…そう思うなら寝かしてくれ。」
「却下。」
「……。」
少しの沈黙。
風が我狼の銀の前髪を揺らす。
「…太陽の様な子ですな。あの娘は。」
茂が誰の事を言っているかすぐに分かった。
「あの娘の言動は周りを明るく照らしてくれる。」
リオンの事だ。
「俺には眩しすぎる。」
我狼の素っ気ない声。
「ふぉっふぉっふぉ。眩しすぎるあの娘に救われておるのでしょうに。」
「…そうかもな。」
我狼の表情は前髪に隠れて茂からは良く見えなかった。
「…我狼殿。」
「…何だ。」
「屋敷にいた親子…となり町に引っ越しただけじゃった☆」
「帰れ。」
そんなやり取りがされていたとか。
次の日の朝、我狼とリオンは村を旅立とうとしていた。
「じゃあな。」
「2人とも元気で!」
「我狼さんリオン元気でー!」
「お2人ともお元気で。」
背を向ける2人に手を振る疾風と茂。
「ああ。我狼殿。」
思い出した様に我狼の名を呼ぶ茂。
「何だ?」
「どうしたんですか?」
振り向く我狼とリオン。
「月は太陽が無くては輝く事が出来ませぬ。」
「そして太陽も又…月を必要としております。」
静かに語る茂。
「…何の事だ?」
眉を潜める我狼。
「「?」」
首を傾げるリオンと疾風。
「ふぉっふぉっふぉ。年寄りの戯言だと思って下され。」
「…なんなんだ。」
1つため息を吐き、再び背を向け、歩き出す我狼。
「行くぞ。リオン。」
「あ…はい!」
その背を追う様にリオンが走り出す。
「ふぉっふぉっふぉ。お主達の旅が…何かを掴む事を…祈っておりますぞ…。」
「? どうしたのさじっちゃん。」
見えなくなっていく銀髪と金髪を見送りながら呟いた茂の言葉は誰にも届く事はなかった。
はい。。白銀の狼と金色の雌狐番外編最終回でございます。。
茂のじっちゃんは実は切れ者設定です(笑)
あー…長かった…本当に…!!
ではこれからの作者の予定を発表しまーす(^o^)/
アンケートに答えてくれた方々本当にありがとうございましたm(_ _)m
んでもってこれからは…新作の意見の方がお二人いたので新作を投稿させて頂きたいと思います!!
ですがぁ!!←
続編を意見してくださった方が奇跡的にお一人いました!!
なのでその新作が終わったら白銀の狼と金色の雌狐続編を書かして頂きたいと思います!!
では今まで白銀の狼と金色の雌狐をご覧になって下さった皆様本当にありがとうございました!!
…新作と続編も見て頂けたら嬉しいな(・∀・)←
ーおまけぇ~ー
リ「前回のあらすじ!煮干しが美味しかったです!!」
我(ツッコミをしたら負けだと思っていいんだろうか…?)
涼「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!(悶絶)」
疾「終わりましたね~続編(´∀`)」
我「そうだな。」
リ「なんとかなるもんですね。」
我「ていうか実際お前身長何センチなんだ?」
リ「………(怒)」
我「分かった。俺が悪かった。だからその双剣をしまえ。」
疾(…目が…殺る気だった…(汗))
リ「やっと終わった事ですし…挨拶しておきます?」
我「そうだな。」
リ「今まで白銀の狼と金色の雌狐をご覧になって下さった皆様本当にありがとうございました!!」
我「続編と新作も頑張って書くと作者も言っている。良かったら見てやってくれ。新キャラも続々出るぞ。」
リ「では!続編と新作もよろしくお願いします!!」
リ「ばいばい♪」
我「(・_・)/~~~」
疾「さよなら~♪」
涼「わい空気っ!!?」
~おまけ2~
少し漢字を間違えたらえらい事にww
1つため息を吐き、再び背を向け、歩き出す我狼。
「逝くぞ。リオン。」
「どこに!!?」
うん。 ただやりたくなったww
今までご覧になって下さった皆様本当にありがとうございましたm(_ _)m←本日三回目