第三シナリオ
なんか上手くことが運ばない…
これ、これがいわゆる…
スランプ。?!
スランプというやつなのか?!
ここ最近の俺の王子様力が下がっているのか、
まったくなびかない広瀬に正直参っている。
ここらで、広瀬以外の女子に手を出して
調子を取り戻そう。。。
そうだなー…リハビリターゲットは
森山ひな。
ゆるふわカールの茶色髪。
長いまつ毛に大きな目。
透き通るような色白の肌。
持てる武器全てを使って男を魅了している自覚は
本人にはなさそう。
次の授業は森山も同じ。
まずは隣の席をおさえるところからっと。
しれーっと森山の隣の席へすわった俺の次の手は、
笑顔で挨拶。
まわりの子達ともいつもどおり雑談。
でも時折《君だけは特別》って感じを森山だけに。
ちらっと目を合わせニッコリ。
ほら、森山顔真っ赤!
容易いなー
これ、これが普通だよなー
トドメはこれ!
みんなに気付かれないように雑談を続けながら、
目線もかえずに、
机の下で、
森山の手にそっと俺の手を添える。
そう。そして、森山が握り返してくれたら…
落ちましたーーはい、俺のもの。
森山の手が熱い。
チラッと俺の顔を見てることももちろん気づく。
その瞬間、俺も少しだけ横目で合図。
やっぱこーだよなー
こうじゃないとなー(^^)
満足この上ない。
ふむー…となると、やっぱりスランプではないかー。
単純にやっぱり手強いんだ、広瀬が。
そんなことに頭をめぐらしながら、あっというまに授業が終わった。
あとでね…と言わんばかりの目で森山が俺を見つめながら
教室をあとにする。
さ、俺も…とカバンを持って立ち上がると、
後ろに広瀬が立っていた。
「ぅわぁ!?」
授業中広瀬のことばかり考えていたから、
突然の広瀬に変な声がでた。
「ん?」
何かいいたげな広瀬。
顔を覗き込んでみたが、
広瀬はそのまま教室から出ていった。
…??ん??…
次の瞬間、体が勝手に動いた。
廊下に出て、広瀬を追いかけた。
我に帰った時には広瀬の腕をつかんでいた。
「なに??」
睨みながら俺から離れようとする広瀬。
「いや、えーーーっと…」
何にも考えず体が動いていたため
適当な回答がすぐに思いつかない…
「あ、そうそう、
さっきの授業、ノートとりきれてなくて、
見せてくんないかな??
だめ?」
「……
いいよ…」
目を合わせてくれないながらも
了承を得た。
そのまま教室に戻って
2人で並んで席についた。
広瀬は自分のノートを開いて見せてくれた。
無言の時間。
き、気まずい…
汗が止まらない
どうすべきなのか
どうしたくて呼び止めたのか
「もう写せた??」
つめたくいい放つ。
「あ、ああ。もう少し…」
何か話さなきゃと思うのに…
何も思いつかない。
「ねぇ、昨日の社会学のノート持ってる?
見せてよ。」
「あ、うん、もちろん」
たどたどしくなっていないか心配しながら
カバンをあさり、ノートを差し出す。
無言の時間がまた続く。
「おわった…
ありがと。」
そう言ってノートを返して、
ノートを返してもらった。
「じゃぁ。」
今日もまた、広瀬が先に教室をでた。
後ろ姿を見つめるのもなんだか慣れてきた。
あーー、どうしちゃったんだよ、俺…
ため息を吐きながら
さっき広瀬から返してもらったノートを見つめる。
なにげにパラパラもそのノートをめくってみると、
ノートの端に見慣れない文字を見つけた。
《わたしの手は握らないの??》
…!
握っていいのかよ、、、
なんなんだよ広瀬。
机に突っ伏し、
やり場のない思いを言語化できず、モヤモヤしながらも
顔が熱い自分に気づく。




