第一シナリオ始動
授業終わり、
いつも片付けにもたつく広瀬は教室を最後に出る。
そこが今日の舞台。
「広瀬さん??」
後ろから声をかける俺。
振り向く広瀬。
「え…えっと…?」
俺を認知していなさそう…
若干想定外Σ(゜д゜lll)
だか、顔に出さない俺。
「あ、ごめん、いきなり話しかけちゃって、
俺、三島。」
「み、三島くん…
はい、三島くん、どうしたの?」
身長差もあってか、若干上目遣いでこちらを見る姿に
少し顔があつい。
「じつはさー、このあと塾講師バイトの面接で
スーツ着なきゃなんなくて、
焦ってたらネクタイ結び方わかんなくなって…
お願いできない…かな??」
ノーネクタイスーツ姿の俺はいつもの5割増しで
かっこいいと女の子たちにも評判。
ここでネクタイ結ぶ距離で接近すれば、
これはもう胸キュンでしょー!
「あ、私、ネクタイ結び方、、、
知らないの。ごめん。。。
こ、高校の時の制服もリボンだったから…」
少し顔を赤らめて下を向く広瀬。
「あー………
そっか、そっかー
なんかごめんね、了解了解!」
色々想定外だけど、
名前と顔を認知してもらったので、
今日のところはよしとするか!
それにしてもこれしきのことで顔赤らめて、
広瀬のやつ、やっぱ結構可愛いな、
「じゃ、またね、広瀬さん」
そう言って背中を向けて教室を出ようとしたとき、
上着の裾を小さく引っ張られた。
「え?!」
振り向くと、広瀬がいた。
「え?!!」
「ネクタイの結び方は知らないけど、
キスの仕方は知ってるよ、」
「え?!!!」
3度も《え?》を繰り返してしまった。
ど、動揺してはダメだ!!
冷静に。王子様対応。…小さく深呼吸して、
スマイルで
「広瀬さんもそんな冗談いうんだね?
じゃ、お願いしちゃおっかな?笑」
オッケー、オッケー、
俺、ナイス返し。
再度教室から出ようとしたところで、
「じゃぁ、目閉じてよ」
目を少しうるうるさせながら、耳を真っ赤にして、
一生懸命に言ってくる広瀬に
俺は動揺をかくしきれず、
無意識に目と口を閉じた。
俺の左の ほっぺたに
冷たく柔らかいものを感じた。
みょうに息ができなくなって、
心臓が止まるかと思って、目も口も開けた!
「え?!!!!」
目の前には、顔をくしゃくしゃにして声を出さずに笑う広瀬。
広瀬の人差し指が俺の頬に当たっている。
「なっ!!!?!??」
顔が真っ赤になっているのはもちろん俺。
言葉にならない声を発しているのも俺。
なんなんだよ、広瀬 笑顔可愛すぎ!!!!
なんてうっかり思っているのも俺。
俺がなにも言えないで
あわあわしている姿をみて、
「ごめんごめん、またね、あきくん(^^)」
そう言って広瀬は俺より先に教室を出た。
置いて行かれた俺は床に座りこんだ。
「なんなんだよ…」
??
あれ?俺、下の名前、広瀬に話したっけ??




