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異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第III部: 試練と葛藤

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第97話: 狙われるエリアナ

翌朝、私が目を覚ますと——侯爵様が部屋の前に立っていた。


「侯爵様......?」


「おはよう、エリアナ」


侯爵様は優しく微笑んだが、その目は疲れている。


「もしかして、一晩中......?」


「君の部屋を見張っていた」


「そんな——」


「心配だったんだ」


侯爵様の言葉に、胸が締め付けられた。


一晩中、私のために——。


「ありがとうございます」


「礼には及ばない」


侯爵様は私の頬に手を添えた。


「君が無事なら、それでいい」


---


朝食後、フィリップさんが執務室に現れた。


「侯爵様、エリアナ様」


彼の表情は、いつになく深刻だった。


「分析が完了しました」


フィリップさんは書類を机に広げた。


「結社の動きを追跡した結果——彼らが狙っているのは、エリアナ様です」


その言葉に、私は息を呑んだ。


「やはり......」


侯爵様の顔が険しくなる。


「理由は?」


「転生者の魂——それが彼らの計画に必要だと思われます」


フィリップさんは私を見た。


「エリアナ様の特殊な魂が、彼らの儀式に利用されようとしています」


転生者の魂——。


私は、前世の記憶を持つ転生者。


それが、狙われている理由。


「私が......」


声が震えた。


手が震えた。


「私が、狙われている......」


現実が重くのしかかる。


---


「エリアナ」


侯爵様が私の手を取った。


「聞いてくれ」


彼の目は、深く、強かった。


「24時間、君のそばにいる」


「え......?」


「誰にも、君を傷つけさせない。絶対に、だ」


その言葉は——誓いだった。


「でも、侯爵様にも仕事が——」


「君の安全が最優先だ」


侯爵様の声は、揺るぎなかった。


「フィリップ、私の公務は全て調整してくれ」


「承知しました」


フィリップさんは頷いた。


「警備も強化します。結社の動きを24時間監視します」


「頼む」


侯爵様は私を見つめた。


「エリアナ、今日から——君が行く場所全て、私が同行する」


「......はい」


私は頷いた。


恐怖と安心が、同時に押し寄せてきた。


---


その日から、侯爵様は本当に——常に私の傍にいてくれた。


食事の時も。


読書の時も。


休息の時も。


執務室で仕事をしている間も、侯爵様は私のそばに座っていた。


「大丈夫ですか?疲れていませんか?」


「大丈夫だ」


侯爵様は微笑んだ。


「君の傍にいられるなら、むしろ幸せだよ」


その言葉に、胸が温かくなった。


午後、私は語り箱を取り出した。


> 転生者の魂を守る方法はありますか?


【ことり】

*************

確率: 50%


転生者の魂の防御についてですね。情報が限られていますが、いくつかの可能性があります。


強い意志と絆が鍵になると考えられます。魂は孤立した時に最も脆弱になります。信頼できる人との絆を深めることが、最良の防御になるかもしれません。

*************

[魔力: 140/150] (-10)


強い意志と絆——。


私は侯爵様を見た。


彼は私の隣で、書類に目を通している。


絆——。


「侯爵様」


「ん?」


侯爵様が顔を上げた。


「ありがとうございます」


「何を?」


「ずっと、傍にいてくださって」


侯爵様は優しく微笑んだ。


「当然のことだよ」


彼は書類を置き、私の手を取った。


「君を守ることが、私の使命だ——いや、それ以上だ」


「それ以上......?」


「君を守りたいと、心から思っている」


侯爵様の目は、深く優しかった。


「君がいてくれるから、私は生きていける」


その言葉に、涙が溢れそうになった。


「私も——侯爵様がいてくださるから」


「エリアナ」


侯爵様は私をそっと抱きしめた。


温かい。


彼の胸は、いつも温かい。


心臓の鼓動が聞こえる。


私の鼓動と、彼の鼓動が——重なり合う。


---


夕方、侯爵様は私に紅茶を淹れてくれた。


「はい」


「ありがとうございます」


私はカップを受け取り、一口飲んだ。優しい香りと味が、口の中に広がる。


「美味しい......」


「それは良かった」


侯爵様は私の隣に座った。


「エリアナ、眠れているか?」


「......正直に言えば、少し」


「そうか」


侯爵様は私の頭をそっと撫でた。


「無理はしないでくれ」


「はい」


私たちは無言で、紅茶を飲んでいた。


窓の外では、夕日が沈んでいく。オレンジ色の光が、部屋を優しく照らしている。


「綺麗ですね」


「ああ」


侯爵様も夕日を見つめている。


「でも、君の方が綺麗だ」


「侯爵様......」


顔が熱くなった。


侯爵様は私の目を見つめた。


「エリアナ、私はどんなことがあっても——君を守る」


「......はい」


「信じてくれ」


「信じています」


私は頷いた。


「侯爵様がいてくれるから——安心できます」


「それを聞いて、安心した」


侯爵様は優しく微笑んだ。


---


夜、侯爵様が私の部屋まで送ってくれた。


「今夜も、部屋の前にいる」


「え......でも、お休みにならないと」


「大丈夫だ」


侯爵様は私の頬に手を添えた。


「君の安全が何より大切だ」


「侯爵様......」


「眠れないなら、話そう」


侯爵様は優しく言った。


「いつでも呼んでくれ」


「......ありがとうございます」


私は部屋に入った。


ベッドに横になると、温かい毛布が体を包む。


扉の向こうに、侯爵様がいる。


その事実が——何よりも心強かった。


「あなたがいてくれて、安心します」


私は小さく呟いた。


扉の向こうから、優しい声が聞こえた。


「私もだよ、エリアナ」


その声を聞いて、私はようやく——安心して目を閉じることができた。


侯爵様が傍にいてくれる。


それだけで、どんな恐怖も——少しずつ和らいでいく。


絆——。


ことりが言っていた言葉が、心に響く。


強い意志と絆。


私には、侯爵様がいる。


そして——侯爵様には、私がいる。


この絆があれば——きっと、乗り越えられる。


私はそう信じて、眠りについた。

**次回予告**


24時間の守護。献身的な侯爵様の姿に、エリアナの心は揺れる。しかし——その親密さが、新たな感情を呼び起こす。


第98話「嫉妬と独占」に続く。


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