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【第III部 開始】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第III部: 試練と葛藤

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第89話: 宣言

舞踏会の終盤。


私は侯爵様と共に、会場の隅でシャンパンを飲んでいた。


「楽しんでいるか?」


侯爵様が尋ねる。


「はい。とても」


私が微笑むと、侯爵様も穏やかに笑った。


その時、オーケストラの音楽が止まった。


会場がざわめく。


「どうしたんでしょう」


私が尋ねると、侯爵様は何も答えずに立ち上がった。


そして、私の手を取る。


「エリアナ、来てくれ」


「えっ?」


侯爵様に手を引かれ、会場の中央へ。


人々が道を開ける。


視線が集まる。


何が起こるのか分からないまま、侯爵様に導かれて壇上へ上がった。


---


壇上から見る会場は、圧倒的だった。


無数の視線が、私たちに注がれている。


貴族たち、王族、皆が注目している。


心臓が早鐘を打つ。


「侯爵様、これは...」


私が小声で尋ねると、侯爵様は私の手を強く握った。


「大丈夫。私がいる」


侯爵様の声が、力強い。


そして、侯爵様は会場を見渡した。


「皆さん、お時間をいただきありがとうございます」


侯爵様の声が、会場に響く。


静寂が訪れる。


「今夜、私は皆さんにご紹介したい人がいます」


侯爵様が私の手を取り、高く掲げる。


「彼女は、エリアナ・ヴァンヘルシング」


私の名前が、会場に響く。


「そして、彼女は私の大切な人です」


会場がざわめいた。


驚きの声、囁き声、様々な反応。


私は呆然と立ち尽くしていた。


えっ...?


侯爵様が、公の場で、私を「大切な人」と?


「侯爵様...」


私が呟くと、侯爵様は微笑んだ。


「驚かせてすまない。でも、これは私の本心だ」


侯爵様の瞳が、真剣だ。


「私は彼女を守る。誰が何と言おうと」


その言葉に、胸が熱くなった。


---


会場の反応は様々だった。


拍手する人もいれば、顔をしかめる人もいる。


「身分違いでは?」


「若すぎる」


「魔法使いとは...」


囁き声が聞こえる。


批判的な声も混じっている。


私の胸が、締め付けられる。


でも、侯爵様は動じなかった。


「皆さんの中には、疑問に思う方もいるでしょう」


侯爵様が会場に向かって言う。


「しかし、私の決意は変わりません」


侯爵様が私の手を握る。


その手が、温かい。


「エリアナは才能ある魔法使いであり、心優しい人です」


侯爵様の声に、誇りが滲んでいる。


「彼女と共にいることが、私の選択です」


会場が再びざわめく。


でも、今度は少し違う。


何人かの貴族が拍手を始めた。


それが広がっていく。


全員ではないけれど、多くの人々が拍手してくれている。


「ありがとうございます」


侯爵様が深く一礼する。


私も慌てて一礼した。


---


壇上を降りると、侯爵様が私を抱きしめた。


「驚かせて、すまなかった」


「いえ、ただ...」


私は言葉を探す。


「あまりにも突然で」


「ああ。でも、公にしたかった」


侯爵様が私の目を見る。


「君は私にとって特別だ。それを隠す理由はない」


その言葉に、涙が出そうになった。


「ありがとうございます」


私が囁くと、侯爵様は優しく微笑んだ。


「君が嫌でなければ、だが」


「嫌なわけ、ありません」


私は首を横に振った。


「嬉しいです」


侯爵様の顔に、安堵と喜びが浮かぶ。


「そうか」


侯爵様が私の手を取る。


「これから、色々と言われるかもしれない」


「覚悟はできています」


私が答えると、侯爵様は誇らしげに笑った。


「強いな、君は」


「侯爵様がいてくださるから」


侯爵様の手が、私の手を強く握った。


---


その後、何人かの貴族が挨拶に来た。


「侯爵様、素晴らしい選択だ」


「お嬢様、お美しい」


好意的な言葉をかけてくれる人々。


でも、遠くから冷たい視線を送る人々もいる。


私は少し不安になったけれど、侯爵様がそばにいてくれる。


それだけで、勇気が湧いた。


「疲れたか?」


侯爵様が尋ねる。


「少し」


正直に答えると、侯爵様が微笑んだ。


「そろそろ帰ろう」


「はい」


私たちは会場を後にした。


---


帰りの馬車の中。


私はまだ、現実感がなかった。


「侯爵様」


「うん?」


「本当に、良かったんですか」


私が尋ねると、侯爵様は真剣な顔をした。


「後悔はしていない」


「でも、批判も...」


「構わない」


侯爵様が私の手を取る。


「君がそばにいてくれるなら、何を言われても構わない」


その言葉に、胸がいっぱいになった。


「私も、そばにいたいです」


侯爵様の顔に、穏やかな笑みが浮かぶ。


「ありがとう、エリアナ」


私たちは手を繋いだまま、星空を見上げた。


今日、私たちの関係が公になった。


これから、色々なことが起こるだろう。


でも、侯爵様と一緒なら、乗り越えられる気がする。


---


屋敷に戻り、部屋でことりに相談した。


> 侯爵様が公の場で、私を「大切な人」と宣言してくれた。これからどうなるんだろう


【ことり】

*************

確率: 72%


公の場での宣言は、侯爵様の真剣な意志を示しています。


ただし、予想される課題もあります:


1. 古い貴族からの批判

2. 身分差への疑問

3. あなたへの注目と圧力


しかし、侯爵様はあなたを守る意志を明確にしました。あなた自身も強い意志を持っています。


二人で協力すれば、乗り越えられる可能性が高いです。あなたの気持ちは?

*************

[魔力: 140/150] (-10)


ことりの分析を読んで、深呼吸する。


確かに、これから大変なことも起こるだろう。


でも、侯爵様が守ってくれる。


そして、私も侯爵様を支えたい。


ベッドに座り、窓の外を見る。


星が輝いている。


侯爵様と一緒に見た星空。


「私の大切な人」


侯爵様の言葉が、胸の中で響く。


私も、侯爵様は大切な人だ。


いつか、ちゃんと伝えたい。


この気持ちを。


目を閉じると、侯爵様の笑顔が浮かぶ。


温かい手の感触。


「大丈夫。私がいる」という力強い声。


私は一人じゃない。


侯爵様がいてくれる。


その事実が、何よりも心強い。


明日からも、頑張ろう。


侯爵様のそばで。

**次回予告**


翌日、噂は王都中に広がっていた。「侯爵様が若い魔法使いを愛人に」。古い貴族たちからの批判の声。「身分違い」「若すぎる」。リリーが情報を持ってくる。私は傷つくけれど、侯爵様が「気にするな。愚か者たちの戯言だ」と守ってくれる。そして私は決意する。「自分の価値を証明したい」。魔法実演を申し出ると、侯爵様は...


第90話: 噂と反発。

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