表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第III部更新中】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第III部: 試練と葛藤

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/92

第87話: 舞踏会への招待

朝食の席で、侯爵様が一通の封筒を手にしていた。


「これは...」


侯爵様が封筒を開き、中を確認する。その表情が、少し驚いたように見えた。


「王都で大規模な舞踏会が開催されるらしい」


「舞踏会、ですか」


私も驚いて顔を上げた。


「ああ。王族主催の、年に一度の催しだ」


侯爵様が招待状を見せてくれる。金の縁取りがされた、豪華な招待状だ。


「エリアナ」


侯爵様が私の名前を呼ぶ。


「はい?」


「一緒に行かないか」


心臓が跳ねた。


「私、ですか?」


「ああ。君と一緒に行きたい」


侯爵様の視線が、真剣だ。


「喜んで」


私は微笑んで答えた。


侯爵様の顔に、安堵と喜びが浮かぶ。


「ありがとう」


その笑顔が、本当に嬉しそうで。


私の胸も、温かくなった。


---


その日の午後、リリーが部屋に来た。


「エリアナ様! 舞踏会のお話を聞きました!」


リリーの目が輝いている。


「ええ、侯爵様が誘ってくださって」


「それは素敵ですわ! でも、ドレスは?」


「あ...」


そう言われて気づく。ドレスがない。


「大丈夫です。今から街へ参りましょう!」


リリーがにっこり笑う。


「街へ?」


「はい。王都には素敵なドレスショップがたくさんあります」


そうして、私たちは街へ繰り出すことになった。


馬車が屋敷の前に止まる。乗り込もうとした時、侯爵様が現れた。


「私も同行しよう」


「えっ、侯爵様も?」


「ああ。ドレス選びは大切だ」


侯爵様が微笑む。


リリーがこっそり私に耳打ちした。


「侯爵様、一緒に選びたいのですわね」


顔が熱くなる。


---


王都のドレスショップは、華やかだった。


色とりどりのドレスが並び、宝石のようなビーズや刺繍が輝いている。


「わあ...」


思わず声が漏れた。


「どれもお似合いになりますわ」


リリーが嬉しそうに言う。


「まずは試着してみましょう」


リリーが次々とドレスを選び、私は試着室へ。


ピンクのドレス、白いドレス、緑のドレス。


どれも綺麗だけれど、しっくりこない。


試着室から出て、侯爵様に見せるたびに、侯爵様は頷いたり首を傾げたりする。


「似合うが、何か違う気がする」


侯爵様が呟く。


そして、店の奥から、侯爵様が一着のドレスを持ってきた。


「これは?」


深い青のドレスだ。


シンプルだけれど、品がある。夜空のような青が、光を受けて微かに輝いている。


「試してみてくれないか」


侯爵様が差し出すドレスを、私は受け取った。


---


試着室で、青いドレスを着る。


鏡に映る自分が、知らない誰かに見えた。


深い青が、肌を美しく見せる。シンプルなデザインが、逆に優雅さを引き立てている。


「どう、ですかね」


試着室から出ると、リリーが息を呑んだ。


「素敵...」


そして、侯爵様が立ち上がった。


侯爵様の視線が、私に注がれる。


「...」


侯爵様が言葉を失っている。


「似合って、ますか?」


私が尋ねると、侯爵様はゆっくりと頷いた。


「ああ。完璧だ」


侯爵様が近づいてくる。


「君が一番美しい」


その言葉に、顔が真っ赤になった。


「あ、ありがとうございます」


リリーがにやにやしながら見ている。


「決まりですわね」


「ああ、これにしよう」


侯爵様がそう言って、店員に手続きを頼む。


私は鏡の前に立ったまま、自分の顔が赤いことに気づいた。


侯爵様の「君が一番美しい」という言葉が、胸の中で何度も響いている。


---


ドレスを購入した後、リリーが提案した。


「カフェで休憩しませんか?」


「いい考えだ」


侯爵様が賛成し、私たちは近くのカフェへ入った。


紅茶とケーキを注文し、テーブルを囲む。


「素敵なドレスが見つかって良かったですわ」


リリーが嬉しそうに言う。


「ええ、ありがとうございます」


私が答えると、リリーが意味ありげに微笑んだ。


「でも、侯爵様があんなに見惚れるなんて」


「リリー」


侯爵様が軽く咎める。


「あら、本当のことですわ」


リリーが笑う。


「侯爵様、完全に惚れてらっしゃるわね」


「リリー!」


今度は私が叫んだ。


顔が熱い。


リリーはくすくす笑い、侯爵様も苦笑している。


「まあ、否定はしないが」


侯爵様の言葉に、私の心臓が跳ねた。


「えっ...」


侯爵様が私の目を見る。


「君は美しい。それは事実だ」


「あ、ありがとう、ございます」


私はうつむいて、紅茶を飲んだ。


温かい紅茶が、喉を通る。


でも、顔の熱さは収まらない。


リリーが満足そうに微笑み、三人で笑い合った。


窓の外には、午後の柔らかい光が差し込んでいる。


この時間が、とても幸せだ。


---


屋敷に戻ってから、部屋でことりに相談した。


> 侯爵様が「君が一番美しい」って言ってくれた。これって、どういう意味なんだろう


【ことり】

*************

確率: 65%


言葉通りの意味と、それ以上の意味があると思われます。


「美しい」という表現は、外見だけでなく、存在そのものへの好意を示すことがあります。


侯爵様の行動パターン(ドレスを自ら選ぶ、見惚れる、直接的な褒め言葉)は、あなたへの特別な感情を示唆しています。


あなた自身は、侯爵様をどう思っていますか?

*************

[魔力: 140/150] (-10)


またことりが質問を返してきた。


私の気持ち。


侯爵様を、どう思っているのか。


窓の外を見る。夕日が沈みかけている。


侯爵様の笑顔が思い浮かぶ。


優しい声。真剣な眼差し。


「君が一番美しい」という言葉。


胸が温かくなる。


ドキドキする。


一緒にいると、安心する。


これは...


私も、侯爵様のことが。


ベッドに倒れ込んで、枕に顔を埋めた。


舞踏会が楽しみだ。


侯爵様と一緒に、あの青いドレスを着て。


考えただけで、胸が高鳴る。


私は恋をしているんだろうか。


前世では経験しなかった感情が、胸の中で膨らんでいく。


窓の外、星が輝き始めていた。

**次回予告**


いよいよ舞踏会の日が来た。王宮の大広間は、シャンデリアの光と音楽に満ちている。侯爵様が私の手を取り、ダンスフロアへ。優雅な曲に合わせて踊りながら、周囲が消えていく。侯爵様の腕の中で、私は幸せを感じる。「ずっとこうしていたい」。そう思った時、侯爵様が微笑んで...


第88話: 舞踏会。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ