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【第III部更新中】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第III部: 試練と葛藤

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第77話: 内部情報

深夜の書斎に、四人が集まっていた。


蝋燭の灯りが、机の上に広げられた書類を照らしている。セレスティアさんが持ってきた文書は、想像以上に詳細だった。


「これを見てください」


フィリップスさんが、一枚の羊皮紙を指差した。


「『世界の魔力支配計画』...まさか」


アレクサンダー様の声が、わずかに震えた。私も、その文字を凝視した。心臓が、早鐘のように打っている。


セレスティアさんが、別の書類を取り出した。


「父の記録によれば、結社の真の目的は『不老不死の完成』ではありません」


「では、何が目的なのですか?」


私が尋ねると、セレスティアさんは深く息を吸った。


「世界中の魔力を、支配することです」


---


その言葉に、私たちは言葉を失った。


世界中の魔力を支配する。それは、想像を絶する規模の野望だ。


「魔法陣は、その核となる装置だったんです」


セレスティアさんが続けた。


「各地に設置された魔法陣を通じて、世界中の魔力を一箇所に集約する。そして、それを制御する者が、世界の支配者となる」


フィリップスさんが、資料を読み込んでいる。


「この図を見ると、魔法陣のネットワークは既に、大陸の主要都市すべてに及んでいます」


私の前世の知識が、その構造を理解していく。これは、まるで巨大なサーバーネットワークだ。各ノードから魔力を集約し、中央で制御する。


「もし、これが完成したら――」


アレクサンダー様が、低い声で言った。


「世界中の魔法使いが、魔法を使えなくなる。いや、彼らに支配される」


私は、その恐ろしさに身震いした。


「世界が...危ない」


---


私は、小さな水晶箱を取り出した。ことりに相談するしかない。


> 世界規模の魔法を防ぐ方法はありますか?


【ことり】

*************

確率: 50%


世界規模の魔力支配を防ぐには、魔法陣の制御装置を破壊する必要があると推測されます。


中央制御ノードを無効化すれば、ネットワーク全体が機能停止する可能性があります。ただし、場所の特定と侵入が困難です。

*************

[魔力: 140/150]


確率50%か。あまり高くはないけれど、他に手がかりがない。


「ことりによれば、制御装置を破壊すればいいそうです」


私がそう伝えると、フィリップスさんが頷いた。


「理にかなっています。ネットワーク構造なら、中央ノードを破壊すれば全体が崩壊します」


「問題は、その制御装置がどこにあるか、ですね」


セレスティアさんが、また別の書類を取り出した。


「父の記録には、遺跡の最深部に『核』があると書かれています。おそらく、それが制御装置でしょう」


アレクサンダー様が、地図を広げた。


「東の森の遺跡、最深部。そこに向かわなければならない」


---


「私たちが、止めなければ」


私は、決意を込めて言った。


この世界を守りたい。転生者として、この世界に生かされた私には、使命がある。


前世では、何も成し遂げられなかった。ただ働いて、疲れて、孤独だった。


でも、この世界では違う。大切な人たちがいる。守るべきものがある。


アレクサンダー様が、私の手を握った。


「君がいてくれて、心強い」


その温もりに、胸が熱くなった。この手は、大きくて、温かい。


「私も、皆さんがいてくれて、心強いです」


セレスティアさんが微笑んだ。


「一緒に戦いましょう、エリアナ」


フィリップスさんも頷いた。


「君たちがいれば、勝算はある」


私たちは、互いに頷き合った。


---


深夜の書斎で、重苦しい雰囲気が続いていた。


アレクサンダー様が、立ち上がった。


「一息つこう」


彼は、書斎の隅にある小さなキッチンに向かった。やがて、紅茶の良い香りが漂ってくる。


「はい、エリアナ」


差し出されたカップを受け取ると、温かさが手のひらに伝わってきた。


「ありがとうございます」


一口飲むと、カモミールの優しい香りが鼻に抜けていく。疲れた心が、少しずつ解れていくのを感じた。


「こういう時こそ、落ち着くことが大切だ」


アレクサンダー様の言葉に、私は頷いた。


セレスティアさんも、紅茶を手に取った。


「温かい...」


彼女の表情が、少し和らいだ。


フィリップスさんも、カップを手にして窓の外を見た。


「夜空が綺麗ですね」


私も、窓の外を見た。満天の星が、静かに瞬いている。こんなに綺麗な星空を、前世で見たことはなかっただろうか。


「美しいですね」


その言葉に、アレクサンダー様が微笑んだ。


「この星空を、守りたいな」


その言葉に、私は深く共感した。


そうだ。この世界を、この美しい星空を、守りたい。


---


紅茶を飲み終えると、少し気持ちが落ち着いた。


「さて、続きをしましょうか」


フィリップスさんが、資料に目を戻した。


「遺跡への侵入ルートですが、セレスティアさんの情報によれば、三つのルートがあります」


「一つ目は正面からの侵入。ただし、これは監視が厳重です」


「二つ目は、地下水路を通るルート。こちらは監視が薄いですが、危険が伴います」


「三つ目は、空中からの侵入。飛行魔法を使えば可能ですが、魔力消費が大きいです」


アレクサンダー様が、考え込んだ。


「どのルートも、一長一短だな」


私は、前世のSEとしての経験を活かして考えた。


「リスクとリターンを考えると、地下水路が最適かもしれません。監視が薄いなら、侵入の成功率が高いです」


「同感です」


フィリップスさんが頷いた。


「では、地下水路ルートを中心に、詳細な計画を立てましょう」


---


会議は、さらに数時間続いた。


詳細な侵入計画、各人の役割、緊急時の対応。すべてを綿密に詰めていく。


気づけば、窓の外が少しずつ明るくなり始めていた。


「そろそろ、休みましょう」


アレクサンダー様が言った。


「明日も、長い一日になる。体力を温存しないと」


私は、頷いた。確かに、今夜はほとんど眠っていない。


「おやすみなさい、皆さん」


セレスティアさんが、部屋を出て行った。


フィリップスさんも、資料を片付けて退室した。


「エリアナ」


アレクサンダー様が、私を呼び止めた。


「何でしょうか?」


「君の分析力と決断力に、いつも助けられている。ありがとう」


その言葉に、胸が温かくなった。


「私こそ、アレクサンダー様がいてくださるから、頑張れます」


彼は、優しく微笑んだ。


「この人と一緒なら」


そう思った。


どんな困難も、乗り越えられる気がした。


---


自室に戻り、ベッドに横になった。


今夜知った真実が、頭の中を巡る。


世界規模の陰謀。魔力支配計画。そして、私たちが止めなければならない使命。


不安は大きい。でも、諦めない。


私には、仲間がいる。アレクサンダー様がいる。


そして、この世界を守りたいという、強い想いがある。


目を閉じると、疲れが一気に押し寄せてきた。


明日からは、本格的な準備が始まる。


私は、その覚悟を胸に、深い眠りに落ちていった。

**次回予告**


世界を救う使命を背負った私たち。しかし、不安も大きい。朝の庭園で、アレクサンダー様と語り合う中で、私は自分の気持ちと向き合う――。第78話: 危機感と決意、次回もお楽しみに。

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