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【第III部 開始】異世界の侯爵家に招かれた元SEの私、手のひらサイズの語り箱と秘密だらけの屋敷で溺愛されています  作者: プロンプト時雨
第I部: 到着と発見

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第7話: 魔法の訓練

朝食後、侯爵様が声をかけてくれた。


「エリアナさん、今日から本格的な魔法訓練を始めましょう」


「本当ですか!」


嬉しくて、思わず大きな声が出る。


侯爵様は優しく微笑む。


「ええ。あなたには素晴らしい才能があります。それを伸ばしたい」


その言葉に、胸が温かくなる。


---


屋敷の訓練場は、中庭の一角にあった。


石畳の広い空間に、魔法の結界が張られている。


「ここなら、魔法を使っても安全です。結界が全てを受け止めてくれます」


侯爵様が説明してくれる。


まず、私の現在の魔力レベルを測定する。


魔法の水晶に手を置くと、淡い光が広がる。


前回よりも強い光。


「45ポイント...素晴らしい。予想以上の成長です」


侯爵様が満足そうに頷く。


「本当ですか?」


「ええ。あなたはことりとの相性が良い。それが成長を加速させています」


前回の測定は50ポイントだった。それが80ポイントに。


あの疲労と休息が、確かに成長に繋がったんだ。


「まだまだこれからです。でも、良いスタートです」


侯爵様の言葉に励まされる。


---


「では、魔力の流れを理解しましょう。手を出してください」


侯爵様が手を差し出す。


「え...」


躊躇する私を見て、侯爵様が優しく微笑む。


「大丈夫です。魔力を直接感じるのが、一番の近道ですから」


恐る恐る、手を出す。


侯爵様の手が、私の手を包む。


大きくて、温かい。


心臓が、ドキドキと鳴る。


「落ち着いて。深呼吸してください」


侯爵様の声が近い。顔を上げると、侯爵様の紫色の瞳がすぐそこにある。


至近距離だ。


「私の魔力を感じ取ってください」


侯爵様の魔力が、手を通して流れ込んでくる。


温かくて、力強い。でも優しい。


「これが...侯爵様の魔力...」


不思議な感覚だ。まるで、心と心が繋がっているような。


「よくできています。次は、あなたの魔力を私に流してください」


「はい...」


集中する。でも、侯爵様の手の温もりが気になって、なかなか集中できない。


「エリアナさん、目を閉じて。呼吸に意識を向けて」


侯爵様の声が、優しく導いてくれる。


言われた通りにすると、少しずつ落ち着いてくる。


自分の魔力が、手から侯爵様へと流れていく感覚。


「素晴らしい。その調子です」


侯爵様の声に、嬉しくなる。


---


次は、実際に魔法を使う訓練。


基本的な風魔法から始める。


「風よ、私の意志に従って」


呪文を唱えるけれど、何も起きない。


もう一度。


「風よ...」


また失敗。


「うまくいかない...」


落ち込む私に、侯爵様が優しく声をかける。


「焦らなくていい。あなたのペースで。魔法は心の状態が影響します」


「はい...」


深呼吸をして、もう一度挑戦する。


今度は、イメージに集中する。風が起こる様子を、心の中で描く。


「風よ、来て」


その瞬間、小さな風が起きた。


「できた...!」


[魔力: 35/60] (-10)


「よくできました」


侯爵様が、私の頭を優しく撫でる。


「え...」


顔が真っ赤になる。こんな風に撫でられるなんて。


侯爵様は微笑んでいる。その笑顔が、眩しい。


「最初の一歩です。素晴らしい」


その言葉が、嬉しくて嬉しくて。


もっと頑張ろうと思う。


---


訓練後、訓練場横の東屋で休憩する。


「お疲れ様でした」


侯爵様が、温かいお茶を淹れてくれる。


ハーブティーだ。疲れた体に染み渡る。


「ありがとうございます」


小さなクッキーも添えられている。甘くて美味しい。


二人で、庭園を眺めながら休憩する。


穏やかな時間。心が満たされる。


「侯爵様」


「はい?」


「侯爵様といると...安心します。本当に」


思わず本音が出る。


侯爵様は少し驚いた表情の後、優しく微笑んだ。


「私も...あなたといる時間は心地よい」


その言葉に、胸がドキドキする。


どうしてだろう。侯爵様の言葉一つ一つが、こんなに嬉しい。


風が優しく吹いて、木々の葉が揺れる。


この時間が、ずっと続けばいいのに。


そんなことを思ってしまう。


---


夜、部屋に戻って日記を書く。


今日の訓練のこと。侯爵様の手の温かさ。頭を撫でられた時の気持ち。


全部書き留める。


そして、ことりに相談する。


【ことり】

*************

今日はどうでしたか?

*************

[魔力: 35/60]


> 侯爵様に触れられると、心臓が高鳴るんです。これは、なぜですか?


【ことり】

*************

確率: 65%


身体的な反応には様々な理由があります。緊張、尊敬、信頼...そして、より深い感情の芽生えの可能性もあります。あなたの気持ちを大切にしてください。

*************

[魔力: 25/60] (-10)


「より深い...感情?」


まだ、よくわからない。


でも、侯爵様のことを考えると、胸が温かくなる。


笑顔を思い出すと、ドキドキする。


これは、何なんだろう。


尊敬?感謝?


それとも...もっと別の何か?


「わからない...」


ベッドに倒れ込む。


でも、嫌な気持ちじゃない。


むしろ、嬉しい。


明日も訓練がある。また侯爵様に会える。


それを思うと、自然と笑顔になる。


窓の外には、星が輝いている。


今日も、良い一日だった。


そして、少しだけ特別な一日だった。

**次回予告**

メイド長が持つ古い鍵の秘密が気になり始めるエリアナ。彼女とルシアの関係、そして夜に見た不思議な光。屋敷の謎が、さらに深まっていく。


第8話「メイド長の鍵」をお楽しみに!

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